＜私の相場観＞＝グランド・ウィン・パートナーズ 代表取締役 宮崎 康裕氏

　新たな成長戦略は、ほぼ事前に伝えれている内容でサプライズ的な政策は盛り込まれていなかった。ただ、昨年の成長戦略と比べれば大きく前進しており、政策への失望感から目先的に海外投資家が大きく売り込む懸念は後退した。

　日経平均では５月２１日の１万３９６４円４３銭を底に上昇を続けてきたこともあり、目先的には１万５０００円台前半で上値の重い状況が続くかも知れないが、ＧＰＩＦなど、公的年金による買いが続くとの見方も心理的に相場を下支えしていくことになろう。成長戦略が具体的に実行に移されてくれば、１万６０００円を目指す動きが期待される。

　その一方で、イラクやウクライナ情勢など地政学リスクが懸念要因だ。特にイラク情勢の緊迫度合いによっては、エネルギー価格が一段と上昇し、これが国内の物価上昇と企業収益の圧迫要因にならないか今後の動向を注視する必要がある。

　物色については、トヨタ自動車<7203.T>が市販を発表したことで、燃料電池車が再び大きなテーマとして浮上してきた。岩谷産業<8088.T>など燃料を供給する水素ステーションの関連企業も急騰している。息の長いテーマとなりそうで、株価の沈静化を待って狙ってみるのも一法だ。加えて秋の臨時国会での法案成立を期待して引き続きカジノ関連。


出所：株経通信（株式会社みんかぶ）