【井川純一の今夜も兜町で一杯】マッチだったのねぇ

　今日１２月２２日（木曜日）の日経平均株価は、１６円８２銭安の１万９４２７円６７銭と小幅続落も下げ渋る展開。前日の欧米株市場が軟調だったことで、ここ過熱感が意識されていた東京市場もジワリ手仕舞い売りって感じでしょうか。とはいっても、下値を売り込む動きもみられず、ぼんやりした感じ。３連休を控えていることもあるんでしょうが、なんだかつまらない相場です。
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　相場の方は、早々とお休みムードが漂っている。おやすみムードどころか「個人投資家は、売ることしか考えていないんじゃないの」なんて声も、市場関係者の一部からは漏れてくる。「まぁ、株券枕に越年は、とりあえず回避ってことかねぇ」と呟くと、後輩記者が「株券なんて、もはやないわけで、枕にはならないですよね」と言ってくる。「あほんだらぁ～、そんなこと分かっとるわい！」と叫びそうなところを、ぐっとこらえ、度量の大きいところを見せようとしたが、そこは器の小さいオヤジのなせる業で、小声で「うるせぇ」と口から出てしまった。ああ、俺ってちっちゃいよなぁ…。

　材料難の東京市場、なにか特筆すべき銘柄はないかと探していると、兼松サステック<7961.T>の値動きが目に留まる。株価は１８０円近辺、昨日は１９８円まで買われたあと、それが長い上ヒゲとなったが、今日は底堅い…そんな感じもしないでもない。ただ、申しわけないが、この兼松サステックという社名に、どうも馴染みがない。そんなことをぶつぶつ言っていると、先ほどの後輩が「マッチが社名変更したんですよ」と、偉そうにおっしゃる。

　“マッチ”とは、旧兼松日産農林の兜町での愛称といったところだろうか。けっして、近藤真彦のことではない。これは同社がマッチを製造していることに由来するが、それも来春には撤退すると報じられている。勉強不足でお恥ずかしいのだが、いつのまにか兼松サステックへと社名変更していた。このマッチだが、かつての材料株好きにとっては、なかなかシビれる銘柄だった。まっ、それも遠い昔の話だよなぁ。

　そろり、世のなかの忘年会シーズンも終わり、繁華街の喧騒も沈静化しそう。飯田橋辺りで、煮込み豆腐とカリカリチーズを肴にホッピーを軽くやりに参るとしますか。
《ＫＣ》

出所：株経ONLINE（株式会社みんかぶ）