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*12:14JST 日経平均は4日ぶり反落、日米長期金利は低下も株冴えない
日経平均は4日ぶり反落。135.66円安の32241.63円(出来高概算8億612万株)で前場の取引を終えている。
8日の米株式市場でダウ平均は158.64ドル安(-0.44%)と反落、ナスダック総合指数も-0.78%と反落。中国7月貿易収支が予想以上に悪化し、世界経済の減速を懸念した売りが先行。また、格付け会社のムーディーズ・インベスターズ・サービスが主要銀6行の格付見直しや中小銀10行の格下げを発表したことも重しになった。一方、金利の低下に伴い、安値では押し目買いが入り、終盤にかけては下げ幅を縮小した。米株安を引き継いで日経平均は30.97円安からスタート。一方、為替の円安基調が維持されているなか、前日同様に下値では買い戻しが入りやすく、その後は前日終値を挟んだもみ合いが続いた。ただ、軟調なアジア市況などを背景に前引けにかけてはやや軟化した。
個別では、業績上方修正と前期比での大幅増配が好感された神戸製鋼所<5406>のほか、業績予想を上方修正したJESHD<6544>、NISSHA<7915>、住友林業<1911>、バンナムHD<7832>、レゾナック<4004>、住友大阪セメ<5232>、第1四半期が好スタートとなったミズノ<8022>、エレコム<6750>、横河電機<6841>、タカラトミー<7867>、四半期受注高の底入れが好感されたTOWA<6315>、業績上方修正と増配を発表したアシックス<7936>、などが急伸。第1四半期がやや上振れ気味で着地した大阪ソーダ<4046>は売り方の買い戻しを巻き込んでストップ高となっている。シュッピン<3179>は第1四半期決算がほぼ想定線も月次動向の改善を材料に買われた。
ほか、中国政府が週内にも中国人の日本への団体旅行を解禁する可能性が一部メディアで報じられ、三越伊勢丹<3099>、高島屋<8233>、JAL<9201>、JR東<9020>、寿スピリッツ<2222>、共立メンテ<9616>などのインバウンド関連が買われている。
一方、ダイキン<6367>はほぼ市場予想並みの増益決算だったが、会社計画が据え置かれたことが売りを誘い大幅安。想定外の減益スタートとなった三菱製鋼<5632>、増益決算ながらも通期計画の未達が懸念されたBEENOS<3328>、上半期の業績予想を下方修正したニコン<7731>、ダイフク<6383>、タカラバイオ<4974>、決算が市場予想を下回ったシスメックス<6869>、NTTデータ<9613>、第1四半期の営業赤字が嫌気されたHUグループ<4544>、なども大きく下落している。
セクターでは鉱業、機械、銀行が下落率上位に並んだ一方、空運、その他製品、陸運が上昇率上位に並んだ。東証プライム市場の値下がり銘柄は全体の60%、対して値上がり銘柄は36%となっている。
本日の日経平均は前引けにかけてやや軟化したが、概ね前日終値近辺での一進一退となっている。前日の米株式市場で主要株価指数が揃って下落したことに加え、ドル円レートの水準は前日の東京時間とほとんど変わらないため、これらの状況を踏まえれば思ったよりも底堅い印象を受ける。
要因としてはいくつか考えられるが、まずは先週の日本株安の独自要因として働いていた国内長期金利の上昇一服が挙げられよう。国内の10年物国債利回りは本日11時時点では0.580%の水準にある。3日の0.655%から4日連続での低下となっており、低下幅もそれなりに大きい。昨日の国内30年物国債の入札で旺盛な需要が確認されたあたりから、10年物国債利回りも急低下しており、今回の入札結果が安心感を誘っているもよう。
米長期金利が低下していることも本日のハイテク・グロース(成長)株の買い戻しを通じて相場を下支えしていると考えられる。米10年債利回りは8日に4.03%と7日の4.09%から低下、安値では4%を割り込む場面もあった。昨日行われた米3年物国債入札でも強い需要が確認され、目先の安心感につながっているようだ。
一方、先週、株式市場の下落を引き起こした日米長期金利の上昇が一服しているものの、日米の株式市場は冴えない展開が続いている。米国債の四半期入札や米消費者物価指数(CPI)などの注目イベントが今晩以降も控えていることを踏まえれば自然なこととも思われる。
ただ、前日の米国市場では長期金利が低下しているなかでも株式は総じて軟調で、主要株価指数の下落率は一時1%を優に超えて推移する場面があった。また、ダウ平均を除けば、S&P500種株価指数、ナスダック指数、フィラデルフィア半導体株指数(SOX)などの株価指数は揃って前日に25日移動平均線を割り込んできている。
7月下旬にかけて株価指数が水準を大きく切り上げてきたことで、投資家の買いの持ち高はそれなりの水準に膨れ上がってきていたと考えられる。こうしたなか、日米ともに入札で国債の需要は堅調さが確認されたものの、どちらにおいても国債を買いながら同時に株式にもさらに資金を振り向ける余力は既になくなってきていたのかもしれない。これが、金利が低下しつつも株価が上がらない一因という可能性はありそうだ。
8月は海外投資家の夏休み入りで売買が細りやすい傾向があるうえ、株式市場が下落しやすい季節性もかねてから指摘されている。5月以降、相場をけん引してきた時価総額の大きい大型株などはしばらく上値の重い展開が予想される。目先は出遅れ感や割安感が残る中小型株のほか、中国人の旅行需要というカタリストが意識されはじめたインバウンド関連などに妙味がありそうだ。(仲村幸浩)
<AK>
8日の米株式市場でダウ平均は158.64ドル安(-0.44%)と反落、ナスダック総合指数も-0.78%と反落。中国7月貿易収支が予想以上に悪化し、世界経済の減速を懸念した売りが先行。また、格付け会社のムーディーズ・インベスターズ・サービスが主要銀6行の格付見直しや中小銀10行の格下げを発表したことも重しになった。一方、金利の低下に伴い、安値では押し目買いが入り、終盤にかけては下げ幅を縮小した。米株安を引き継いで日経平均は30.97円安からスタート。一方、為替の円安基調が維持されているなか、前日同様に下値では買い戻しが入りやすく、その後は前日終値を挟んだもみ合いが続いた。ただ、軟調なアジア市況などを背景に前引けにかけてはやや軟化した。
個別では、業績上方修正と前期比での大幅増配が好感された神戸製鋼所<5406>のほか、業績予想を上方修正したJESHD<6544>、NISSHA<7915>、住友林業<1911>、バンナムHD<7832>、レゾナック<4004>、住友大阪セメ<5232>、第1四半期が好スタートとなったミズノ<8022>、エレコム<6750>、横河電機<6841>、タカラトミー<7867>、四半期受注高の底入れが好感されたTOWA<6315>、業績上方修正と増配を発表したアシックス<7936>、などが急伸。第1四半期がやや上振れ気味で着地した大阪ソーダ<4046>は売り方の買い戻しを巻き込んでストップ高となっている。シュッピン<3179>は第1四半期決算がほぼ想定線も月次動向の改善を材料に買われた。
ほか、中国政府が週内にも中国人の日本への団体旅行を解禁する可能性が一部メディアで報じられ、三越伊勢丹<3099>、高島屋<8233>、JAL<9201>、JR東<9020>、寿スピリッツ<2222>、共立メンテ<9616>などのインバウンド関連が買われている。
一方、ダイキン<6367>はほぼ市場予想並みの増益決算だったが、会社計画が据え置かれたことが売りを誘い大幅安。想定外の減益スタートとなった三菱製鋼<5632>、増益決算ながらも通期計画の未達が懸念されたBEENOS<3328>、上半期の業績予想を下方修正したニコン<7731>、ダイフク<6383>、タカラバイオ<4974>、決算が市場予想を下回ったシスメックス<6869>、NTTデータ<9613>、第1四半期の営業赤字が嫌気されたHUグループ<4544>、なども大きく下落している。
セクターでは鉱業、機械、銀行が下落率上位に並んだ一方、空運、その他製品、陸運が上昇率上位に並んだ。東証プライム市場の値下がり銘柄は全体の60%、対して値上がり銘柄は36%となっている。
本日の日経平均は前引けにかけてやや軟化したが、概ね前日終値近辺での一進一退となっている。前日の米株式市場で主要株価指数が揃って下落したことに加え、ドル円レートの水準は前日の東京時間とほとんど変わらないため、これらの状況を踏まえれば思ったよりも底堅い印象を受ける。
要因としてはいくつか考えられるが、まずは先週の日本株安の独自要因として働いていた国内長期金利の上昇一服が挙げられよう。国内の10年物国債利回りは本日11時時点では0.580%の水準にある。3日の0.655%から4日連続での低下となっており、低下幅もそれなりに大きい。昨日の国内30年物国債の入札で旺盛な需要が確認されたあたりから、10年物国債利回りも急低下しており、今回の入札結果が安心感を誘っているもよう。
米長期金利が低下していることも本日のハイテク・グロース(成長)株の買い戻しを通じて相場を下支えしていると考えられる。米10年債利回りは8日に4.03%と7日の4.09%から低下、安値では4%を割り込む場面もあった。昨日行われた米3年物国債入札でも強い需要が確認され、目先の安心感につながっているようだ。
一方、先週、株式市場の下落を引き起こした日米長期金利の上昇が一服しているものの、日米の株式市場は冴えない展開が続いている。米国債の四半期入札や米消費者物価指数(CPI)などの注目イベントが今晩以降も控えていることを踏まえれば自然なこととも思われる。
ただ、前日の米国市場では長期金利が低下しているなかでも株式は総じて軟調で、主要株価指数の下落率は一時1%を優に超えて推移する場面があった。また、ダウ平均を除けば、S&P500種株価指数、ナスダック指数、フィラデルフィア半導体株指数(SOX)などの株価指数は揃って前日に25日移動平均線を割り込んできている。
7月下旬にかけて株価指数が水準を大きく切り上げてきたことで、投資家の買いの持ち高はそれなりの水準に膨れ上がってきていたと考えられる。こうしたなか、日米ともに入札で国債の需要は堅調さが確認されたものの、どちらにおいても国債を買いながら同時に株式にもさらに資金を振り向ける余力は既になくなってきていたのかもしれない。これが、金利が低下しつつも株価が上がらない一因という可能性はありそうだ。
8月は海外投資家の夏休み入りで売買が細りやすい傾向があるうえ、株式市場が下落しやすい季節性もかねてから指摘されている。5月以降、相場をけん引してきた時価総額の大きい大型株などはしばらく上値の重い展開が予想される。目先は出遅れ感や割安感が残る中小型株のほか、中国人の旅行需要というカタリストが意識されはじめたインバウンド関連などに妙味がありそうだ。(仲村幸浩)
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