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*16:06JST ダイキアクシス Research Memo(6):「環境機器関連事業」を主力として環境関連の事業を複合的に展開(3)
■ダイキアクシス<4245>の事業概要
2. 住宅機器関連事業
「住宅機器関連事業」の2023年12月期における売上構成比は、建設関連業者等が63.8%、ホームセンターリテール商材が10.3%、住機部門工事が24.9%であった。
前身のダイキが1958年の創業時に「タイルと衛生陶器の店」としてスタートしており、住宅機器の卸売業では数十年来の実績を持つ。システムキッチン、トイレ、ユニットバスなどの水回り住設機器を元請のゼネコン、地場建築業者、ハウスメーカーに販売している。商圏は本社がある四国及び瀬戸内に面する中国・近畿地方が中心で、公共施設向けの内外装材等の卸売など、同地域内では高い販売実績を上げている。時代のニーズを捉えた新たな商材を開拓し、近年では木製水槽、環境パイル工法など、環境に配慮した環境商材の提案にも力を入れている。また、DCMホールディングスのグループ企業向けにホームセンターリテール商材を供給しており、ホームセンター店舗の建築工事も請け負うほか、ホテル、病院、教育施設などへの資材及び設備の販売や施工も手掛けている。卸売り型の事業モデルであるため、利益率は1.5%~2.0%程度と相対的に低いが、木構造事業のすべての工程を自社で完結する体制を構築するなどメーカー機能を強化することで付加価値及び競争力の向上を目指している。
3. 再生可能エネルギー関連事業
「再生可能エネルギー関連事業」の売上構成比は、太陽光発電に係る売電事業が81.5%、バイオディーゼル燃料事業が8.1%、小形風力発電事業が1.1%、水熱処理事業が1.8%であった。2019年より風力発電及び太陽光発電設備の開発・管理をDASPに集約し、2021年7月には同社のバイオディーゼル燃料事業を移管、買収したサンエイエコホームを2023年1月に吸収合併することで、DASPに事業を統合した。
(1) 太陽光発電に係る売電事業
太陽光発電関連事業は、2021年12月期において130ヶ所のDCMグループ店舗の屋上を賃借利用して設置した発電設備の系統連携が完了した。長期にわたる安定収益源となる※。
※太陽光発電施設の償却期間は、固定価格買取制度(FIT制度)の買取期間と同等の20年(定額法)となる。また、同社は20年後の撤去費用について、期間案分して引き当てた予算を既に組んでいる。
FIT制度終了後における持続的な事業運営に加え、世界規模での環境意識の高まりによってPPAモデル※を始めとする様々な方法での需要が増している。2021年のサンエイエコホームの買収に続き、2023年2月には埼玉県さいたま市に本社を置くメデアの株式の100%を取得し子会社化した。メデアは、太陽光発電設備の設計・施工・維持管理を主とした電気工事業及び自社保有太陽光発電所における売電事業を主要事業とする。同社グループは、活発なM&Aにより太陽光発電に関わる経営リソースを取得することで、大口電力需要家からの要望に対してより迅速に対応できる体制を構築する。
※同社グループが無償で配置した太陽光発電システムの運用・維持管理を提供し、電力需要家は当社が発電した電力を購入、使用した分の電気代で支払う契約となる。カーボンニュートラルの実現に向けて大企業を中心に電力需要が高まっているなか、FIT制度終了後の事業モデルとして注力している。
(2) バイオディーゼル燃料事業
バイオディーゼル燃料事業は2002年に開始した。一般家庭やレストラン、コンビニエンスストア、食品加工工場などから出る揚げ物等に使用した植物系食用油を回収してバイオディーゼル燃料に精製し、軽油などの代替燃料として再利用する。植物系廃食用油を原料とするバイオマスエネルギーの利用は「カーボンニュートラル」であると考えられている。同社は地産地消の循環型エネルギーの実現を目指して、自治体の参加協力を仰ぎながら、廃食用油のリサイクルを推進する「油~モアプロジェクト」を進めている。
2023年になって新しい展開が見られた。4月にDASPが、日本航空<9201>松山支店が行う実証実験となる空港内作業車両に高品質バイオディーゼル燃料「D・OiL」の提供を開始した。また、環境省の脱炭素先行地域に選定された奥日光エリアを含む日光地域で、8月より実証運行をスタートしたバイオ燃料バスに「D・OiL」を提供している。2024年に入ってからも、1月には日本航空の高知空港所にも「D・OiL」の提供を開始したほか、関東地方にてバイオディーゼル燃料の製造施設を4月に完成させ、6月から製造を始める。
(3) 小形風力発電関連事業
2019年12月期に小形風力発電関連事業に参入した。DASPは、2021年12期末に小形風力発電を12サイトで系統連系し、FIT売電を開始した。現在は24サイトを運営しており、2025年12月期末までに全国70サイトでの稼働を目指す。1サイト当たりの売電収入は、2~2.5百万円、営業利益率25~30%程度を見込んでいる。ただし、2018年度に、同区分の買い取り価格は20kWh以上と同等の20円/kWhに改定されたため、新しいFITには50kW機で対応する意向だ。許可が下りれば、20kW未満のサイトに50kW機を設置する。設置コストは同等であるが、売上高が2.5倍になるメリットを生かす方針である。
小形風力発電機の開発では、環境省の「令和2年度CO2排出削減対策強化誘導型技術開発・実証事業」において、ゼファー(株)、リコージャパン(株)(リコー<7752>のグループ企業)、DASPが「低圧風力発電機に関する技術開発・実証事業」に共同実施者として参画している。地域の防災対策や、自営線・既存配電網を活用した独立系グリッドを作る動き、事業所内で再生可能エネルギーを自家消費する動きが顕在化してきたことを踏まえ、社会受容性の高い定格出力50kWの風力発電機を新たに開発することを目的としている。ゼファーが、風車の全体設計、翼の設計、自動車部品の転用、フィールド試験、風車制御のアルゴリズムの構築を担当し、リコージャパンがAIを活用したメンテナンス支援ツールを開発する。DASPはFRP翼の生産を担う。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田郁夫)
<HH>
2. 住宅機器関連事業
「住宅機器関連事業」の2023年12月期における売上構成比は、建設関連業者等が63.8%、ホームセンターリテール商材が10.3%、住機部門工事が24.9%であった。
前身のダイキが1958年の創業時に「タイルと衛生陶器の店」としてスタートしており、住宅機器の卸売業では数十年来の実績を持つ。システムキッチン、トイレ、ユニットバスなどの水回り住設機器を元請のゼネコン、地場建築業者、ハウスメーカーに販売している。商圏は本社がある四国及び瀬戸内に面する中国・近畿地方が中心で、公共施設向けの内外装材等の卸売など、同地域内では高い販売実績を上げている。時代のニーズを捉えた新たな商材を開拓し、近年では木製水槽、環境パイル工法など、環境に配慮した環境商材の提案にも力を入れている。また、DCMホールディングスのグループ企業向けにホームセンターリテール商材を供給しており、ホームセンター店舗の建築工事も請け負うほか、ホテル、病院、教育施設などへの資材及び設備の販売や施工も手掛けている。卸売り型の事業モデルであるため、利益率は1.5%~2.0%程度と相対的に低いが、木構造事業のすべての工程を自社で完結する体制を構築するなどメーカー機能を強化することで付加価値及び競争力の向上を目指している。
3. 再生可能エネルギー関連事業
「再生可能エネルギー関連事業」の売上構成比は、太陽光発電に係る売電事業が81.5%、バイオディーゼル燃料事業が8.1%、小形風力発電事業が1.1%、水熱処理事業が1.8%であった。2019年より風力発電及び太陽光発電設備の開発・管理をDASPに集約し、2021年7月には同社のバイオディーゼル燃料事業を移管、買収したサンエイエコホームを2023年1月に吸収合併することで、DASPに事業を統合した。
(1) 太陽光発電に係る売電事業
太陽光発電関連事業は、2021年12月期において130ヶ所のDCMグループ店舗の屋上を賃借利用して設置した発電設備の系統連携が完了した。長期にわたる安定収益源となる※。
※太陽光発電施設の償却期間は、固定価格買取制度(FIT制度)の買取期間と同等の20年(定額法)となる。また、同社は20年後の撤去費用について、期間案分して引き当てた予算を既に組んでいる。
FIT制度終了後における持続的な事業運営に加え、世界規模での環境意識の高まりによってPPAモデル※を始めとする様々な方法での需要が増している。2021年のサンエイエコホームの買収に続き、2023年2月には埼玉県さいたま市に本社を置くメデアの株式の100%を取得し子会社化した。メデアは、太陽光発電設備の設計・施工・維持管理を主とした電気工事業及び自社保有太陽光発電所における売電事業を主要事業とする。同社グループは、活発なM&Aにより太陽光発電に関わる経営リソースを取得することで、大口電力需要家からの要望に対してより迅速に対応できる体制を構築する。
※同社グループが無償で配置した太陽光発電システムの運用・維持管理を提供し、電力需要家は当社が発電した電力を購入、使用した分の電気代で支払う契約となる。カーボンニュートラルの実現に向けて大企業を中心に電力需要が高まっているなか、FIT制度終了後の事業モデルとして注力している。
(2) バイオディーゼル燃料事業
バイオディーゼル燃料事業は2002年に開始した。一般家庭やレストラン、コンビニエンスストア、食品加工工場などから出る揚げ物等に使用した植物系食用油を回収してバイオディーゼル燃料に精製し、軽油などの代替燃料として再利用する。植物系廃食用油を原料とするバイオマスエネルギーの利用は「カーボンニュートラル」であると考えられている。同社は地産地消の循環型エネルギーの実現を目指して、自治体の参加協力を仰ぎながら、廃食用油のリサイクルを推進する「油~モアプロジェクト」を進めている。
2023年になって新しい展開が見られた。4月にDASPが、日本航空<9201>松山支店が行う実証実験となる空港内作業車両に高品質バイオディーゼル燃料「D・OiL」の提供を開始した。また、環境省の脱炭素先行地域に選定された奥日光エリアを含む日光地域で、8月より実証運行をスタートしたバイオ燃料バスに「D・OiL」を提供している。2024年に入ってからも、1月には日本航空の高知空港所にも「D・OiL」の提供を開始したほか、関東地方にてバイオディーゼル燃料の製造施設を4月に完成させ、6月から製造を始める。
(3) 小形風力発電関連事業
2019年12月期に小形風力発電関連事業に参入した。DASPは、2021年12期末に小形風力発電を12サイトで系統連系し、FIT売電を開始した。現在は24サイトを運営しており、2025年12月期末までに全国70サイトでの稼働を目指す。1サイト当たりの売電収入は、2~2.5百万円、営業利益率25~30%程度を見込んでいる。ただし、2018年度に、同区分の買い取り価格は20kWh以上と同等の20円/kWhに改定されたため、新しいFITには50kW機で対応する意向だ。許可が下りれば、20kW未満のサイトに50kW機を設置する。設置コストは同等であるが、売上高が2.5倍になるメリットを生かす方針である。
小形風力発電機の開発では、環境省の「令和2年度CO2排出削減対策強化誘導型技術開発・実証事業」において、ゼファー(株)、リコージャパン(株)(リコー<7752>のグループ企業)、DASPが「低圧風力発電機に関する技術開発・実証事業」に共同実施者として参画している。地域の防災対策や、自営線・既存配電網を活用した独立系グリッドを作る動き、事業所内で再生可能エネルギーを自家消費する動きが顕在化してきたことを踏まえ、社会受容性の高い定格出力50kWの風力発電機を新たに開発することを目的としている。ゼファーが、風車の全体設計、翼の設計、自動車部品の転用、フィールド試験、風車制御のアルゴリズムの構築を担当し、リコージャパンがAIを活用したメンテナンス支援ツールを開発する。DASPはFRP翼の生産を担う。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田郁夫)
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