＜注目銘柄＞＝日立造、洋上風力発電の有力株として脚光

　日立造船<7004.T>が年初来高値圏で強調展開を続けている。目先押し目があれば積極参戦して妙味が大きい。ごみ焼却発電設備など環境・プラント事業が主力だが、造船で培った技術を生かし洋上風力発電で新境地を開拓している。

　くしくも世界的な「脱炭素社会」への取り組みが進むなか、再生可能エネルギー分野における有力な発電手段として洋上風力発電が注目されている。政府は２０年度第３次補正予算と２１年度予算で、洋上風力発電の普及促進を図るために財源を投入し、４０年までに３０００万～４５００万キロワットの導入を目指す方向にある。これは同社にとっては強力なフォローの風となる。

　足もとの業績は環境・プラント事業の大口案件減少により厳しいものの、財務体質は強固で２１年３月期も年１２円配当を継続する予定。配当利回りは２．４％強と高い一方で、ＰＢＲは解散価値を３割も下回る０．７倍台に過ぎず、時価５００円近辺の株価は依然として割安だ。（桂）

出所：MINKABU PRESS