＜話題の焦点＞＝好業績株の大底買い、年初来安値近辺の今期大幅増益銘柄

　全般相場はウクライナ情勢など地政学リスクが意識され、依然として売り圧力の強い展開にある。株式市場はいったん需給バランスが崩れると、なかなか元の形に復元するのは難しい。今の東京市場は直接の売り要因には乏しいものの、不安心理の連鎖が上値を重くしている。

　しかし、株価は安いところを拾い、高いところで売るというのが、今昔問わず不変のセオリーである。１５年３月期の企業業績見通しは、「会社側予想を集計すると全体では市場コンセンサスの２ケタ増益（１０～１５％増益）予想には届かず、強含み横ばい程度の感触」（証券アナリスト）というが、株式市場は既に保守的な企業心理を織り込み、決算発表後は個別単位での増額期待を買うステージに移行しつつある。

　したがって、ここは需給先行で売り込まれた銘柄の逆張りを考えたい。具体的には年初来安値近辺にありながら、１５年３月期業績が大幅増益見通しにあるものが狙い目となる。ファンダメンタルズ面からのアプローチで見直し余地があれば、株価は下に位置するほど投資妙味が膨らむのがマーケットの原理だ。

　以下の７銘柄は５月８日までに決算発表を行った東証１部の企業を対象に、１５年３月期の最終利益が３０％以上の大幅増益予想にある高変化率銘柄で、なおかつ年初来安値圏に近い位置に埋もれている“お宝銘柄”を抽出したもの。期間限定、まさに絶好のバーゲンハンティング対象となりそうだ。

◆１５年３月期高業績変化率の超出遅れ株

銘柄<コード>　　　　最終増益率（％）　ＰＥＲ（倍）　年初来安値（円）　株価（円）

東エレデバ<2760.T>　　　１９３．８　　　１２．３　　　１３０２　　　１３２３
品川リフラ<5351.T>　　　　３４．９　　　　６．４　　　　１９８　　　　２０４
日立建機<6305.T>　　　　　５５．５　　　　９．０　　　１８３７　　　１９０３
ワコム<6727.T>　　　　　　３２．８　　　１３．０　　　　５３６　　　　５３８
ＴＤＫ<6762.T>　　　　　１０８．７　　　１５．６　　　４０９０　　　４１１０
ＭＤＭ<7600.T>　　　　　　３９．９　　　１８．７　　　　２７６　　　　２８４
大日本スクリン<7735.T>　　３８．４　　　１４．５　　　　４２３　　　　４３１

※株価は５月９日終値


出所：株経通信（株式会社みんかぶ）