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ミマキエンジニアリングのニュース
*14:07JST Mimaki Research Memo(7):欧州以外が堅調に推移、2ケタ営業増益を達成
■業績動向
1. 2024年3月期の業績動向
ミマキエンジニアリング<6638>の2024年3月期の業績は、売上高が75,631百万円(前期比7.1%増)、営業利益が5,480百万円(同29.2%増)、経常利益が4,882百万円(同28.8%増)、親会社株主に帰属する当期純利益が3,707百万円(同32.1%増)となり、売上高と営業利益以下の各段階利益は過去最高を更新した。なお、業績に関わる主要な為替レートは、1米ドル=144.62円(前期135.48円)、1ユーロ=156.79円(前期140.97円)だった。
世界経済は、高水準のインフレの継続や、各国中央銀行や政府による金融政策などの影響が続くなかで、地政学的リスクの高まりなどを含め、全般的に不透明な状況が継続した。北米では個人消費を中心に景気が堅調に推移、欧州ではウクライナ侵攻の長期化を背景に景気の停滞が継続した。日本では、脱コロナ禍に伴い個人消費や設備投資が戻ったことに加え、インバウンド需要の回復や輸出需要の増加などが追い風となり、経済の持続的な回復が続いている。このような環境下、同社は2020年12月に策定した中長期成長戦略「Mimaki V10」で定めた重点施策に基づき、新製品の市場投入と販売拡大、市場環境や顧客ニーズの急激な変化を見据えた事業展開、収益性向上に向けた基盤構築を継続した。
製品面では、SG市場向けに低消費電力などの進化を遂げたエントリーモデルUVプリンタ「UJV100-160Plus」、及び多様な基材に多彩な表現が可能で今後のSG市場をけん引する画期的なUVプリンタ「UCJV330シリーズ」を世界同時に発売したほか、インクで3M社パフォーマンスギャランティを取得した。IP市場向けでは、アームロボと組み合わせた、オーダーグッズ・工業製品プリント自動化パッケージシステム「M2COA」シリーズを発表、高速・高画質のフラットベッドUVプリンタJFX600の大型2.5メートル×3.1メートルサイズ機「JFX600-2531」をラインナップに追加、生産性が最大3倍となり傾斜形状にも対応した360度プリントオプション「Kebab HS」の販売を開始した。TA市場向けでは、DTF(Direct to Film)機「TxF150-75」を投入、オペレーションが容易なうえ廃水を約90%削減する次世代捺染顔料転写システム「TRAPIS」も発表した。
営業面では、需要の回復や今後の事業拡大に対応するため、国内最大規模のショールームであるJPデモセンターを移転、イタリア・ミラノで4年に1回開催される世界最大のテキスタイル・アパレル市場向け機器展示会ITMAで新製品・新技術を発表、脱炭素経営実現のための専門展示会である脱炭素経営EXPOにおいて捺染生地の脱色技術「ネオクロマト・プロセス」を日本初出展した。また、経済成長が著しいベトナムに販売子会社を設立、国内で17番目の営業拠点となる沖縄営業所を開設、テクニカルショールームの県(あがた)テクニカルトレーニングセンターも開設した。10月には、地域貢献イベントであるミマキまつりを5年ぶりに開催した。
売上面では、前下期にバックオーダー解消に伴って販売拡大したSG市場向けや、2023年3月期に新製品が好調に推移したIP市場向けでプリンタ本体の販売が減少したものの、TA市場向けに投入した「TxF150-75」が先進国を中心に好調な販売が続いたほか、消耗品のインクの販売も堅調に推移した。エリア別では、欧州が景気停滞の影響を受けて2023年3月期比若干の減収となったものの、日本はIP市場向けやTA市場向けを中心に好調な販売を持続、アジア・オセアニアではコロナ禍の影響で低調だった中国の販売が大幅に回復した。北米も景気拡大の動きを受けて特にTA市場向けが牽引して堅調に推移した。この結果、期を通じて為替によるプラス影響も加わって増収となった。
利益面では、2023年3月期に調達した半導体など高コスト部材の影響が第3四半期にかけて継続したものの、海上輸送コストの減少、コスト上昇に伴う販売価格見直しにより売上原価率が改善した。販管費は、世界的なインフレ進行に伴う人件費や新技術・新製品開発に向けた研究開発費が増加、また、景気回復や経済正常化に伴って営業活動を活発化させたため、グローバルでの展示会やイベント、ミニ展示会の開催・参加費用も増加したものの、販管費の売上高比率の増加は最小限に抑制した。これらに加え、為替のプラス効果もあって大幅な増益となった。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田仁光)
<SO>
1. 2024年3月期の業績動向
ミマキエンジニアリング<6638>の2024年3月期の業績は、売上高が75,631百万円(前期比7.1%増)、営業利益が5,480百万円(同29.2%増)、経常利益が4,882百万円(同28.8%増)、親会社株主に帰属する当期純利益が3,707百万円(同32.1%増)となり、売上高と営業利益以下の各段階利益は過去最高を更新した。なお、業績に関わる主要な為替レートは、1米ドル=144.62円(前期135.48円)、1ユーロ=156.79円(前期140.97円)だった。
世界経済は、高水準のインフレの継続や、各国中央銀行や政府による金融政策などの影響が続くなかで、地政学的リスクの高まりなどを含め、全般的に不透明な状況が継続した。北米では個人消費を中心に景気が堅調に推移、欧州ではウクライナ侵攻の長期化を背景に景気の停滞が継続した。日本では、脱コロナ禍に伴い個人消費や設備投資が戻ったことに加え、インバウンド需要の回復や輸出需要の増加などが追い風となり、経済の持続的な回復が続いている。このような環境下、同社は2020年12月に策定した中長期成長戦略「Mimaki V10」で定めた重点施策に基づき、新製品の市場投入と販売拡大、市場環境や顧客ニーズの急激な変化を見据えた事業展開、収益性向上に向けた基盤構築を継続した。
製品面では、SG市場向けに低消費電力などの進化を遂げたエントリーモデルUVプリンタ「UJV100-160Plus」、及び多様な基材に多彩な表現が可能で今後のSG市場をけん引する画期的なUVプリンタ「UCJV330シリーズ」を世界同時に発売したほか、インクで3M社パフォーマンスギャランティを取得した。IP市場向けでは、アームロボと組み合わせた、オーダーグッズ・工業製品プリント自動化パッケージシステム「M2COA」シリーズを発表、高速・高画質のフラットベッドUVプリンタJFX600の大型2.5メートル×3.1メートルサイズ機「JFX600-2531」をラインナップに追加、生産性が最大3倍となり傾斜形状にも対応した360度プリントオプション「Kebab HS」の販売を開始した。TA市場向けでは、DTF(Direct to Film)機「TxF150-75」を投入、オペレーションが容易なうえ廃水を約90%削減する次世代捺染顔料転写システム「TRAPIS」も発表した。
営業面では、需要の回復や今後の事業拡大に対応するため、国内最大規模のショールームであるJPデモセンターを移転、イタリア・ミラノで4年に1回開催される世界最大のテキスタイル・アパレル市場向け機器展示会ITMAで新製品・新技術を発表、脱炭素経営実現のための専門展示会である脱炭素経営EXPOにおいて捺染生地の脱色技術「ネオクロマト・プロセス」を日本初出展した。また、経済成長が著しいベトナムに販売子会社を設立、国内で17番目の営業拠点となる沖縄営業所を開設、テクニカルショールームの県(あがた)テクニカルトレーニングセンターも開設した。10月には、地域貢献イベントであるミマキまつりを5年ぶりに開催した。
売上面では、前下期にバックオーダー解消に伴って販売拡大したSG市場向けや、2023年3月期に新製品が好調に推移したIP市場向けでプリンタ本体の販売が減少したものの、TA市場向けに投入した「TxF150-75」が先進国を中心に好調な販売が続いたほか、消耗品のインクの販売も堅調に推移した。エリア別では、欧州が景気停滞の影響を受けて2023年3月期比若干の減収となったものの、日本はIP市場向けやTA市場向けを中心に好調な販売を持続、アジア・オセアニアではコロナ禍の影響で低調だった中国の販売が大幅に回復した。北米も景気拡大の動きを受けて特にTA市場向けが牽引して堅調に推移した。この結果、期を通じて為替によるプラス影響も加わって増収となった。
利益面では、2023年3月期に調達した半導体など高コスト部材の影響が第3四半期にかけて継続したものの、海上輸送コストの減少、コスト上昇に伴う販売価格見直しにより売上原価率が改善した。販管費は、世界的なインフレ進行に伴う人件費や新技術・新製品開発に向けた研究開発費が増加、また、景気回復や経済正常化に伴って営業活動を活発化させたため、グローバルでの展示会やイベント、ミニ展示会の開催・参加費用も増加したものの、販管費の売上高比率の増加は最小限に抑制した。これらに加え、為替のプラス効果もあって大幅な増益となった。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田仁光)
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