「国策」を背景に、踏み上げ期待は残る
続落。足元、やや甘い動きとなっている。子会社「東芝メモリ」の売却先を巡って、日米韓の買収連合を優先交渉先に選定。ちょっと材料出尽くし感が漂いつつある。ウエスタンデジタル(WD)による訴訟、鴻海による政府批判——外野がうるさい状況が続いているが、基本的には政府お墨付きの「買収連合」で決着するのであろう。シャープと東芝の違いは原子力という安全保障にかかわる事業を有しているか否か。東芝の場合は、いわゆる「国策銘柄」であり、そのような意味で政府の意思が入り込みやすい。最終的にWDに対して「金銭で解決」ということになれば、買収連合による「金額上積み」という形で、間接的に資金供与される可能性もあるだろう。それが競合相手との「買収競争」という形で認識されれば、それもまた東芝株にとって追い風となる。なんせ信用売り残が大量に積み上がっている銘柄。爆発的な踏み上げ相場の可能性は残っている。チャートもこの付近に「ファンダメンタルズの壁(割安の壁)」が確認されており、下値不安が小さい。