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好業績中小型株・最強フォーメーション「激辛厳選10銘柄」 <株探トップ特集>

配信元:株探
投稿:2021/06/19 19:30

―今が旬の精鋭株、「好業績・好需給・成長期待」の3拍子揃った渾身のセレクト―

 今週の東京株式市場では週前半は総じて強気優勢の地合いとなり、日経平均は2営業日で500円近い上昇をみせ、2万9000円台近辺のもみ合いから満を持してテイクオフするかに見えた。しかし、そういう局面で得てして足をとられやすいのが相場でもある。6月最大の注目イベントであったFOMCで、これまで一貫してハト派色を前面に押し出していたFRBが、量的緩和策縮小に向けた議論開始の前倒しを示唆し、また2023年中の利上げを見込む参加者が多数派を占めたことで、にわかに過剰流動性に対する過度な期待感が剥落する形となった。下値では押し目買いが厚く、波乱には至らなかったが、日経平均は2万9000円近辺での攻防に逆戻りしてしまった。

●醸成される業績相場へのニーズ

 しかし、この場面は強気に対処して報われる可能性が高い。マーケットの底流では22年3月期の企業業績に対する自信が徐々に醸成されているからだ。コロナ禍でこれまでは現実味に乏しかった業績相場の入口に立っているとのコンセンサスが芽生え始めている。欧米などと比較して周回遅れとはなったが、国内でもワクチンの普及が加速し、経済正常化期待が高まりつつある。また賛否両論かまびすしいとはいえ、紆余曲折を経て開催された東京五輪が成功を収め、秋の解散総選挙を前に菅政権から渾身の経済対策が打ち出される余地を考慮した場合、先行きは決して暗いものとはいえない。

 株価形成の原理を一言で例えれば、企業の業績が実体で株価はそれを映す鏡である。量的緩和と財政出動によってもたらされた、いわゆるコロナマネーによる株高局面は一巡したとしても、業績回復もしくは拡大をベースとした企業のファンダメンタルズに即した上昇相場への道筋が前方に見えている。

●収益好調+成長シナリオが鍵を握る

 大手証券が直近開示した21年度企業業績見通しは総じて前向き、金融相場から業績相場へのシフトに自信を持たせる内容である。野村証券は21年度の主要企業の経常利益(金融は除く)について前年度比21.6%増と2割強の伸びを見込んでいる。また、SMBC日興証券は21年度の主要企業経常利益見通しで17.4%の増益を予想している。

 いずれもワクチン接種拡大により、新型コロナの呪縛から解放される日本経済の復活を前提としているが、これに経済対策効果が加わった場合、増益率は更に上乗せされる可能性を内包している。また、続く22年度について野村は15%増益、SMBC日興は11.8%増益といずれも2ケタ成長の継続を見込んでおり、その観点から株式市場を眺めれば、今はまだ企業のファンダメンタルズに光を当てた相場の序章に過ぎないことが分かる。

 株式市場でも企業の実績ベースの業績(前年度決算)は、あくまでバックミラーに映る数字として捉え株価への影響は希薄化している。今年度の収益好調が予想され、なおかつ中長期的にも成長シナリオが描ける銘柄に投資資金は流れ込む。今回の特集では、ダイナミズム溢れる中小型株に照準を合わせ、業績面に加えビジネスモデルに魅力を内包する上値期待十分の10銘柄を厳選した。

●中期スタンスで狙える選りすぐり10銘柄

IMV <7760> [JQ]

 自動車業界向けを中心に振動試験装置や計測器を提供するほか、受託試験サービスも展開する。車載用リチウムイオン電池の充放電の性能確認などでも実績豊富であり、世界的な電気自動車(EV)シフトで活躍余地が高まっている。また、AI・IoT導入の動きが進むなか、IoT振動診断ユニット「ラムダバイブロ」なども時流を捉え収益貢献が期待されている。21年9月期営業利益は前期比2.9倍の9億9000万円を見込むが一段の上振れが有力視。株価は600円台後半の売り物をこなし、700円台活躍に向け大勢2段上げが期待できる。

IJTT <7315> [東証2]

 いすゞ系自動車部品会社3社が経営統合して発足した会社で、機械加工・組立や鋳造・鍛造を手掛ける。商用車部品で競争力が高い。EVシフトの動きにも抜かりなく対応し電動駆動システムの開発に余念がない。親会社とトヨタ自動車 <7203> の資本提携によりビジネスチャンス拡大が見込める。22年3月期は営業利益段階で前期比5.7倍の73億円とV字回復を予想している。PER6倍台、PBR0.4倍台は指標面から水準訂正余地大。株価は目先調整が一巡、25日移動平均線との上方カイ離が解消されたことで再動意局面が近づく。

第一稀元素化学工業 <4082>

 電材向けジルコニウム化合物の大手で、自動車用排ガス浄化触媒材では押しも押されもせぬグローバル・ニッチトップ企業。なお、シェアは今後更に拡大する方向が予想される。EV向け2次電池材料や燃料電池分野でも固体電解質材料などで高い実力を有し、脱炭素の関連有力株でもある。22年3月期業績は回復色が鮮明で、売上高が前期比24%増、営業利益は同49%増の伸びを見込み、年間配当は前期実績に2円増配の20円を計画。株価は典型的な下値切り上げ波動で青空圏を進む展開。中期2000円台活躍をにらむ。

大同工業 <6373>

 バイク 用チェーン のトップメーカーで、ホンダ <7267> を主要顧客に国内シェアは約7割に達する。自動車用もエンジンタイミングチェーンなど北米中心に需要を開拓中。バイク向け需要はアジア地域が急回復、北米自動車販売の好調も寄与して、22年3月期営業利益は前期比2倍の25億円を予想。24年3月期を最終年度とする第12次中期経営計画では営業利益50億円と更に倍増を目指す計画で要注目となる。株価指標面でも超割安圏にあり、目先再動意し新値圏に突入した。信用買い残も枯れており意外高の展開も。

パンチ工業 <6165>

 金型部品製造で業界トップクラスの実績を持ち、海外売上比率が約6割と高く、特に中国向けで強力な顧客基盤を有している。世界的な半導体設備投資需要の拡大を背景に電子部品・半導体向けで需要獲得が進む。また、前期不振だった自動車向けも22年3月期は生産回復の恩恵を受けそうだ。商用サービスが本格化している5G関連の受注も加わり、22年3月期は2ケタ増収、36%営業増益を予想。PERも10倍前後と割安感がある。685円の年初来高値奪回から、700円台に入れば滞留出来高も希薄化し需給面で軽くなる。

アイ・エス・ビー <9702>

 通信制御ソフト開発を主力とし、スマートフォンのアプリ開発から通信系ミドルウェア、基地局システムなどモバイル分野で強さを発揮する。5Gの商用サービス本格化で追い風が強い。また、組み込み系では医療や車載システムで需要開拓が進む。前期の38%営業増益に続き、21年12月期も8%増益(17億7000万円)予想だが、一段の上方修正が濃厚。23年12月期に売上高300億円、営業利益24億円を目指す新中期経営計画を掲げる。株価は昨年12月の株式分割前後につけた高値水準クリアから1600円台指向に。

新東工業 <6339>

 鋳造機械のトップメーカーで、自動車業界向けなどで高い競争力を発揮する。独自の粉体処理技術を生かし、廃棄物処理や資源リサイクルなど環境分野に傾注。2次電池分野の研究開発にも早くから取り組んでおり、次世代リチウムイオン電池と目される全樹脂電池ではスタートアップに第三者割当増資の形で出資している。22年3月期業績は売上高・利益ともに浮上に転じる見通し。営業利益は前期比2.3倍の39億円予想と急拡大する。PBR0.4倍台は見直し必至で、700円台後半のもみ合いは拾い場となっている公算大。

オーナンバ <5816> [東証2]

 テレビなどの民生用や回路が複雑な産業用の電子機器に使われるワイヤーハーネスで業界首位級の実力を持つ。太陽光発電ジャンクションボックスや太陽光発電監視システムなども手掛けている。21年12月期営業利益は前期比31%増益の10億円予想と大幅な伸びを見込むが、今後も成長路線を継続し、23年度を最終年度とする新中期経営計画では営業利益15億円を掲げている。PBRは0.5倍台で指標面でも見直し余地大。株価は今月16日に約6年9ヵ月ぶりとなる高値圏に浮上、久しぶりに大相場の兆しも漂う。

リケンテクノス <4220>

 塩ビコンパウンドのトップメーカーで、抗菌フィルムなどのフィルム製品や建材分野など多様な新素材を扱う。抗菌フィルムは4月にファミリーマート向けコーヒーマシンへの採用が決まった。22年3月期は自動車用コンパウンドが原動力となって業績を押し上げ、売上高は初の1000億円台乗せを果たす見通し。営業利益は前期比22%増の65億円と過去最高利益を大幅更新する可能性が高い。低PERで3%の高配当利回りも魅力。新高値近辺とはいえ600円手前の株価は値ごろ感があり、目先の押し目は買い向かいたい。

ワイエイシイホールディングス <6298>

 半導体製造装置や液晶製造装置などを主力にメカトロニクス関連分野に展開する。ハードディスク研磨技術は同社の強みとする分野で、業界他社とは一線を画す。巣ごもり化により膨張するデータトラフィックがデータセンター増設需要を喚起、EV市場の拡大を背景とした旺盛なパワー半導体関連需要も追い風に22年3月期はトップラインが急増する。この増収効果に利益率改善効果も加わり営業利益は前期比2.2倍の16億円と大幅な伸びを予想。株価は1月13日の高値1228円払拭から上げ足に弾みがつく可能性もある。

株探ニュース
配信元: 株探
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