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―インド株は最高値圏、脱中国で世界マネー集まる―
インドの存在感が増してきた。中国に代わり近く人口世界一の座に就く見通しにあり、「世界の工場」としてグローバル経済を牽引することが期待されている。また、5月に開催されたG7広島サミットでは今年のG20議長国として、また「グローバルサウス(南半球を中心とする途上国)」の盟主として会合に参加し、同国の政治的な位置づけの高まりが印象付けられた。政治・経済両面で台頭するインドへの関心は世界的に強まっており、株式市場ではインド関連株が有力な投資テーマの一つとして注目を浴びている。
●“インドシフト”加速、アップルなど大手企業に動き
インドの主要株価指数SENSEXは史上最高値圏を突き進む展開が続いている。昨年12月に6万3000台で最高値を記録した後に調整局面入りとなり、一時は6万台を割り込む場面もあったが、春先から上昇基調に復帰。6月には再び最高値を更新し、そこから一段と上げ足を強め足もと6万6000台に迫っている。3月末からの上昇率(7月7日時点)は10%に達し、日経平均株価(15%)やナスダック総合指数(11%)に次ぐ強さを誇る。
インド株上昇の背景には「人口増加」と「米中対立」がある。国連の推計によると、インドの人口は今年中に中国を抜いて世界最多になる見込みで、既に人口世界一になったともみられている。今後更に人口が増え続け、インドは中国と同様に急速な経済発展を遂げる見通しだ。2030年までにはGDPで世界3位に浮上し、現在3位の日本を上回るという。そして、このインド経済の成長に寄与する格好となっているのが米中対立だ。米国と中国の関係悪化に伴い、中国に代わる巨大市場を持ち、かつ米国と一定の関係を維持する同国には有望な投資先として世界の投資マネーが集まっている。
こうしたなか、大企業を中心に脱中国を見据えた“インドシフト”の動きが活発化している。米アップル
●飛躍期待のインド関連7銘柄
米国をはじめとする自由主義諸国と覇権主義的な中国・ロシアとの対立のなかで、グローバルサウスと呼ばれる国々が発言力を増していることが最近注目されている。インドはそのグローバルサウスの中心的な存在に位置づけられており、政治面でも同国の重要性は高まっている。政治的、経済的に存在感を増すインドは株式市場でも関心が高く、関連銘柄には投資家の熱い視線が注がれている。インドの経済成長とともに、業績を大きく飛躍させる可能性を秘めた銘柄を7つピックアップした。
Gunosy <6047> [東証P]はニュースアプリ運営。累計出資額50億円規模の投資事業を手掛け、インド企業への投資に注力している。投資先の一つで、持ち分法適用会社のインドフィンテック「ガレージプレナーズ」が注目される。14日に本決算発表を予定。
ACSL <6232> [東証G]は ドローン専業メーカー。21年にインドで合弁会社、今年2月に米国で子会社を設立するなど、経済安全保障に対応したドローンの海外需要獲得に向け取り組みを積極化させている。インドでは既に大型案件を受注した。
黒崎播磨 <5352> [東証P]は製鉄所の設備に使う耐火物の大手。売上高全体に占めるインド向けの割合は約2割(23年3月期)にのぼる。23年3月期は原料価格上昇分の価格転嫁やインド事業の好調で営業最高益を達成。今期も最高益更新を見込み、増配も計画する。
エフ・シー・シー <7296> [東証P]はホンダ系部品会社で、エンジンの動力をタイヤに伝えるクラッチの世界的メーカー。米国や中国、インドなど海外10ヵ国に生産拠点を持つ。米国・インドの販売増や円安効果で好調だった23年3月期に続き、今期も増収増益を見込む。
極東開発工業 <7226> [東証P]はゴミ収集車など特装車の大手。20年にインド同業を買収し、中国、インドネシアに続き新たな生産拠点を確保した。インドでの新工場建設に向け、建設予定地の州政府と覚書を結んだことを6月に発表。26年3月期の生産開始を目指す。
東洋エンジニアリング <6330> [東証P]は三井系のエンジニアリング会社。世界各国で多数のプロジェクトを手掛け、インドでもプラント建設など複数の案件を進めている。水素やアンモニア、SAF向け案件に注力する姿勢を示しており、脱炭素関連のテーマに乗る。
新田ゼラチン <4977> [東証P]は菓子やデザート、サプリメント、医薬品など幅広い用途向けに各種ゼラチン製品を製造販売する。市場シェアは国内トップ。海外売上高比率が約半分(23年3月期)と高く、インド事業のみの比率は1割強(同)に及ぶ。
株探ニュース
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