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国内株式市場見通し:為替介入への警戒感高まりが日経平均の重しに
*14:42JST 国内株式市場見通し:為替介入への警戒感高まりが日経平均の重しに
■日経平均は41000円手前まで上昇
今週の日経平均は週間で518.99円安(-1.27%)の40369.44円と下落した。3月期末のため、配当・優待の権利取り売買や、配当落ちに関連した先物買い、年金のリバランスなど需給面での売買が多く、日経平均、TOPIXはともに方向感に乏しい展開となった。3月27日の権利取り最終日は、公示価格上昇で不動産株が上昇したことや、配当落ちに関連した先物買いが入ったとの観測などもあり、日経平均は40979.36円まで上昇した。ただ、タカ派寄りの田村直樹日本銀行審議委員が、ハト派的な発言を行ったことで、為替は円安進行が加速。1ドル=151.97円と2022年高値の151.96円を上回ったことで、政府・日銀による円買い介入警戒が一気に高まったことから、日経平均は史上最高値更新とはならなかった。
29日には、日経平均の構成銘柄の定期見直しの銘柄入れ替えが実施され、ディスコ<6146>、ソシオネクスト<6526>、ZOZO<3092>が新しく採用され、宝ホールディングス<2531>、住友大阪セメント<5232>、大平洋金属<5541>が除外された。大引けで、日経平均採用銘柄を対象にまとまった売買が入ったことで、東証プライム市場の売買代金は5兆円台に乗せた。
なお、3月第3週の投資主体別売買動向によると、外国人投資家は現物を829億円買い越したほか、TOPIX先物を3013億円買い越し、225先物は4442億円売り越したことから、合計600億円の売り越しとなった。個人投資家は現物を8730億円売り越すなど合計で8150億円売り越し。そのほか、信託が現物を676億円売り越したほか、自己が現物を9265億円買い越した。
■日銀短観は4期ぶりに悪化する見込み
3月29日の米国株式市場は、グッドフライデーの祝日に伴い休場。大証ナイト・セッションの日経225先物終値は、通常取引終値と同じ40550円。為替は1ドル151円台前半での小動きとなった。
期末特有の需給イベントを通過し、来週は新年度入り相場となる。週初の4月1日に公表予定の日銀短観(3月調査)の民間企業予想は、大企業・製造業の業況判断DI(中心値)が+10ポイント(12月調査:+13ポイント)と、前回調査から3ポイントの悪化が見込まれている。2023年の3月調査以来、4期ぶりに悪化するとの見方だ。主に自動車メーカーの工場停止が影響したもようだが、既に伝わっている話のため、日銀短観の結果をネガティブ視する動きは限定的となろう。市場では、4月25日から26日に開催される日本銀行の金融政策決定会合で、追加の利上げ判断の前提となる物価や景気の見通しをどう示すかに関心が向かっており、日銀短観の影響は限定的と考える。
■政府・日銀による円買い介入警戒高まる
ただ、政府・日銀による円買い介入実施によって、株式市場が乱高下するリスクはある。3月28日、岸田首相は会見で、円安への対応について「為替介入について具体的に言うことは控えなければならない」とした上で、「為替相場は、ファンダメンタルズを反映して安定的に推移することが重要。少なくとも過度な変動は望ましくない」と指摘。「政府として高い緊張感を持って為替動向を注視していきたい」とした上で、「行き過ぎた動きに対しては、あらゆる手段を排除せず、適切な対応を取りたい。これが政府の基本的な考え方だ」と述べた。強い円安けん制発言という内容ではないが、岸田首相が為替介入も辞さない姿勢を明確にしたことで、投機筋は円売りポジションをより積み上げにくくなったと想定。
一方、市場では、「前日比1.2%円安ドル高が進まなければ介入はできない」との見方もあり、151円台水準でのもみ合っている足元の状況では、政府・日銀は介入に動けないと想定できる。介入実施のタイミングとしては、米経済指標などを材料に円売りドル買いが強まり152円台に乗せた頃合いを考える。152円より上は「ドル売りポジションの巻き戻しのドル買い」が入り、加速的な円安も想定される。来週、鈴木財務大臣、神田財務官は円安けん制発言を連日行った。その発言のなかで、過去の介入直前に出た「断固たる措置」があったことから、既に「スタンバイ」状態にあると推測する。来週は3月の米雇用統計など雇用に関する重要な経済指標の発表が相次ぐことから、投機筋と政府・日銀関係者によるせめぎあいは続くと想定。介入警戒感の高まりは、日経平均の重しとなりそうだ。
■週末に米雇用統計
来週にかけて、国内は、4月1日に、日銀短観(3月調査)、2日に3月マネタリーベース、5日に2月景気動向指数(速報値)などが予定されている。
海外では、4月1日に米・3月製造業購買担当者景気指数(PMI、改定値)、3月ISM製造業景気指数、2日に独・3月製造業PMI(改定値)、欧・3月製造業PMI(改定値)、英・3月製造業PMI(改定値)、独・3月消費者物価指数(速報値)、米・2月JOLTS求人件数、2月製造業新規受注、2月耐久財受注(改定値)、3日に中・3月財新サービス業/総合PMI、欧・3月消費者物価指数(速報値)、2月雇用統計、米・3月サービス部門/総合PMI(改定値)、3月ISM非製造業景気指数、週次石油在庫統計、4日に米・週次新規失業保険申請件数、2月貿易収支、5日に、英・3月建設業PMI、欧・2月小売売上高、米・3月雇用統計などが予定されている。
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今週の日経平均は週間で518.99円安(-1.27%)の40369.44円と下落した。3月期末のため、配当・優待の権利取り売買や、配当落ちに関連した先物買い、年金のリバランスなど需給面での売買が多く、日経平均、TOPIXはともに方向感に乏しい展開となった。3月27日の権利取り最終日は、公示価格上昇で不動産株が上昇したことや、配当落ちに関連した先物買いが入ったとの観測などもあり、日経平均は40979.36円まで上昇した。ただ、タカ派寄りの田村直樹日本銀行審議委員が、ハト派的な発言を行ったことで、為替は円安進行が加速。1ドル=151.97円と2022年高値の151.96円を上回ったことで、政府・日銀による円買い介入警戒が一気に高まったことから、日経平均は史上最高値更新とはならなかった。
29日には、日経平均の構成銘柄の定期見直しの銘柄入れ替えが実施され、ディスコ<6146>、ソシオネクスト<6526>、ZOZO<3092>が新しく採用され、宝ホールディングス<2531>、住友大阪セメント<5232>、大平洋金属<5541>が除外された。大引けで、日経平均採用銘柄を対象にまとまった売買が入ったことで、東証プライム市場の売買代金は5兆円台に乗せた。
なお、3月第3週の投資主体別売買動向によると、外国人投資家は現物を829億円買い越したほか、TOPIX先物を3013億円買い越し、225先物は4442億円売り越したことから、合計600億円の売り越しとなった。個人投資家は現物を8730億円売り越すなど合計で8150億円売り越し。そのほか、信託が現物を676億円売り越したほか、自己が現物を9265億円買い越した。
■日銀短観は4期ぶりに悪化する見込み
3月29日の米国株式市場は、グッドフライデーの祝日に伴い休場。大証ナイト・セッションの日経225先物終値は、通常取引終値と同じ40550円。為替は1ドル151円台前半での小動きとなった。
期末特有の需給イベントを通過し、来週は新年度入り相場となる。週初の4月1日に公表予定の日銀短観(3月調査)の民間企業予想は、大企業・製造業の業況判断DI(中心値)が+10ポイント(12月調査:+13ポイント)と、前回調査から3ポイントの悪化が見込まれている。2023年の3月調査以来、4期ぶりに悪化するとの見方だ。主に自動車メーカーの工場停止が影響したもようだが、既に伝わっている話のため、日銀短観の結果をネガティブ視する動きは限定的となろう。市場では、4月25日から26日に開催される日本銀行の金融政策決定会合で、追加の利上げ判断の前提となる物価や景気の見通しをどう示すかに関心が向かっており、日銀短観の影響は限定的と考える。
■政府・日銀による円買い介入警戒高まる
ただ、政府・日銀による円買い介入実施によって、株式市場が乱高下するリスクはある。3月28日、岸田首相は会見で、円安への対応について「為替介入について具体的に言うことは控えなければならない」とした上で、「為替相場は、ファンダメンタルズを反映して安定的に推移することが重要。少なくとも過度な変動は望ましくない」と指摘。「政府として高い緊張感を持って為替動向を注視していきたい」とした上で、「行き過ぎた動きに対しては、あらゆる手段を排除せず、適切な対応を取りたい。これが政府の基本的な考え方だ」と述べた。強い円安けん制発言という内容ではないが、岸田首相が為替介入も辞さない姿勢を明確にしたことで、投機筋は円売りポジションをより積み上げにくくなったと想定。
一方、市場では、「前日比1.2%円安ドル高が進まなければ介入はできない」との見方もあり、151円台水準でのもみ合っている足元の状況では、政府・日銀は介入に動けないと想定できる。介入実施のタイミングとしては、米経済指標などを材料に円売りドル買いが強まり152円台に乗せた頃合いを考える。152円より上は「ドル売りポジションの巻き戻しのドル買い」が入り、加速的な円安も想定される。来週、鈴木財務大臣、神田財務官は円安けん制発言を連日行った。その発言のなかで、過去の介入直前に出た「断固たる措置」があったことから、既に「スタンバイ」状態にあると推測する。来週は3月の米雇用統計など雇用に関する重要な経済指標の発表が相次ぐことから、投機筋と政府・日銀関係者によるせめぎあいは続くと想定。介入警戒感の高まりは、日経平均の重しとなりそうだ。
■週末に米雇用統計
来週にかけて、国内は、4月1日に、日銀短観(3月調査)、2日に3月マネタリーベース、5日に2月景気動向指数(速報値)などが予定されている。
海外では、4月1日に米・3月製造業購買担当者景気指数(PMI、改定値)、3月ISM製造業景気指数、2日に独・3月製造業PMI(改定値)、欧・3月製造業PMI(改定値)、英・3月製造業PMI(改定値)、独・3月消費者物価指数(速報値)、米・2月JOLTS求人件数、2月製造業新規受注、2月耐久財受注(改定値)、3日に中・3月財新サービス業/総合PMI、欧・3月消費者物価指数(速報値)、2月雇用統計、米・3月サービス部門/総合PMI(改定値)、3月ISM非製造業景気指数、週次石油在庫統計、4日に米・週次新規失業保険申請件数、2月貿易収支、5日に、英・3月建設業PMI、欧・2月小売売上高、米・3月雇用統計などが予定されている。
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