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*13:03JST コニシ Research Memo(3):2024年3月期の営業利益は前期比38.6%増、過去最高で初の100億円超
■コニシ<4956>の業績動向
1. 2024年3月期の業績概要
(1) 損益状況
2024年3月期の業績は、売上高132,969百万円(前期比7.8%増)、営業利益10,286百万円(同38.6%増)、経常利益10,806百万円(同36.3%増)、親会社株主に帰属する当期純利益7,344百万円(同26.8%減)となり、売上高、営業利益、経常利益は過去最高を更新し、営業利益は初めて100億円を超えた。親会社株主に帰属する当期純利益が減益となったのは、前期に固定資産売却益(7,185百万円)を特別利益として計上したことによる。
セグメント別では、「ボンド」は数量ベースでは伸び悩んだものの、製品販売価格への転嫁が進捗し、増収増益となった。「化成品」は樹脂原料や塗料向けが低迷したものの、自動車分野でハイブリッド車向け商材が好調に推移し、増益を確保した。「工事事業」は、公共事業を中心としたインフラ及びストック市場の補修・改修・補強工事が引き続き好調に推移し、工事の進捗も良好であったため、増収増益となった。
売上総利益率は20.0%(前期は19.1%)となり前期比で0.9ポイント改善した。これは主に製品価格改定効果に加えて、化成品及び工事事業での粗利率改善による。その一方で、販管費の伸びを1.3%増に抑えたことから、営業利益は大幅増益となった。セグメント別では、「ボンド」は主力の住宅向けを中心に数量は伸び悩んだものの、建築用シーリング材や自動車、電子・電機用接着剤が順調に推移したことや価格改定が進んだことからセグメント利益は大幅増益となった。「化成品」は新規案件獲得などで増収となり、それに伴い増益となった。「工事事業」は補修・改修工事が順調に増加して増収となり、グループ各社が好調に推移したことから大幅増益となった。
設備投資額は6,984百万円、減価償却費は1,819百万円であった。
営業利益の増減要因を見ると、プラス要因としては販売価格の改善による利益増が4,199百万円、「化成品」及び「工事事業」の粗利益率改善による利益増加が757百万円(化成品94百万円、工事事業663百万円)となった。マイナス要因(減益要因)としては、「ボンド」の販売数量減1,140百万円、原材料コストの増加643百万円、販管費の増加209百万円、製造経費の増加84百万円などがあり、結果として営業利益は前期比2,865百万円増となった。
(2) 財務状況
2024年3月期末の財務状況は、流動資産は前期末比1,808百万円減少し92,625百万円となった。現金及び預金の減少5,544百万円、受取手形及び売掛金(電子記録債権含む)の増加1,777百万円、契約資産の増加2,153百万円、たな卸資産の減少76百万円が主な要因となった。固定資産は同9,783百万円増の48,224百万円となったが、主な要因は設備投資による有形固定資産の増加3,969百万円、無形固定資産の増加790百万円、投資その他の資産の増加5,024百万円などであった。その結果、資産合計は同7,975百万円増の140,850百万円となった。
負債合計は前期末比4,773百万円増の56,165百万円となった。主に、支払手形及び買掛金(電子記録債務含む)の増加3,579百万円、1年内返済予定の長期借入金を含む短期借入金等の減少16百万円、長期預り保証金の増加120百万円、繰延税金負債の増加1,609百万円等による。純資産合計は、消却による自己株式の減少1,300百万円、配当金の支払いなどによる利益剰余金の減少2,136百万円、その他有価証券評価差額金の増加2,075百万円などにより、同3,202百万円増の84,685百万円となった。
(3) キャッシュ・フローの状況
2024年3月期の営業活動によるキャッシュ・フローは8,139百万円の収入となった。主な収入は税金等調整前当期純利益の計上11,041百万円、減価償却費1,819百万円、たな卸資産の減少144百万円、仕入債務の増加3,495百万円などで、主な支出は、売上債権及び契約資産の増加3,838百万円であった。投資活動によるキャッシュ・フローは5,225百万円の支出となったが、主に有形固定資産の取得による支出5,101百万円など。財務活動によるキャッシュ・フローは8,603百万円の支出となったが、主な支出は自己株式の取得6,758百万円、配当金の支払い1,676百万円による。
以上から2024年3月期の現金及び現金同等物は前期末比5,641百万円減少し、期末残高は25,627百万円となった。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 寺島 昇)
<AS>
1. 2024年3月期の業績概要
(1) 損益状況
2024年3月期の業績は、売上高132,969百万円(前期比7.8%増)、営業利益10,286百万円(同38.6%増)、経常利益10,806百万円(同36.3%増)、親会社株主に帰属する当期純利益7,344百万円(同26.8%減)となり、売上高、営業利益、経常利益は過去最高を更新し、営業利益は初めて100億円を超えた。親会社株主に帰属する当期純利益が減益となったのは、前期に固定資産売却益(7,185百万円)を特別利益として計上したことによる。
セグメント別では、「ボンド」は数量ベースでは伸び悩んだものの、製品販売価格への転嫁が進捗し、増収増益となった。「化成品」は樹脂原料や塗料向けが低迷したものの、自動車分野でハイブリッド車向け商材が好調に推移し、増益を確保した。「工事事業」は、公共事業を中心としたインフラ及びストック市場の補修・改修・補強工事が引き続き好調に推移し、工事の進捗も良好であったため、増収増益となった。
売上総利益率は20.0%(前期は19.1%)となり前期比で0.9ポイント改善した。これは主に製品価格改定効果に加えて、化成品及び工事事業での粗利率改善による。その一方で、販管費の伸びを1.3%増に抑えたことから、営業利益は大幅増益となった。セグメント別では、「ボンド」は主力の住宅向けを中心に数量は伸び悩んだものの、建築用シーリング材や自動車、電子・電機用接着剤が順調に推移したことや価格改定が進んだことからセグメント利益は大幅増益となった。「化成品」は新規案件獲得などで増収となり、それに伴い増益となった。「工事事業」は補修・改修工事が順調に増加して増収となり、グループ各社が好調に推移したことから大幅増益となった。
設備投資額は6,984百万円、減価償却費は1,819百万円であった。
営業利益の増減要因を見ると、プラス要因としては販売価格の改善による利益増が4,199百万円、「化成品」及び「工事事業」の粗利益率改善による利益増加が757百万円(化成品94百万円、工事事業663百万円)となった。マイナス要因(減益要因)としては、「ボンド」の販売数量減1,140百万円、原材料コストの増加643百万円、販管費の増加209百万円、製造経費の増加84百万円などがあり、結果として営業利益は前期比2,865百万円増となった。
(2) 財務状況
2024年3月期末の財務状況は、流動資産は前期末比1,808百万円減少し92,625百万円となった。現金及び預金の減少5,544百万円、受取手形及び売掛金(電子記録債権含む)の増加1,777百万円、契約資産の増加2,153百万円、たな卸資産の減少76百万円が主な要因となった。固定資産は同9,783百万円増の48,224百万円となったが、主な要因は設備投資による有形固定資産の増加3,969百万円、無形固定資産の増加790百万円、投資その他の資産の増加5,024百万円などであった。その結果、資産合計は同7,975百万円増の140,850百万円となった。
負債合計は前期末比4,773百万円増の56,165百万円となった。主に、支払手形及び買掛金(電子記録債務含む)の増加3,579百万円、1年内返済予定の長期借入金を含む短期借入金等の減少16百万円、長期預り保証金の増加120百万円、繰延税金負債の増加1,609百万円等による。純資産合計は、消却による自己株式の減少1,300百万円、配当金の支払いなどによる利益剰余金の減少2,136百万円、その他有価証券評価差額金の増加2,075百万円などにより、同3,202百万円増の84,685百万円となった。
(3) キャッシュ・フローの状況
2024年3月期の営業活動によるキャッシュ・フローは8,139百万円の収入となった。主な収入は税金等調整前当期純利益の計上11,041百万円、減価償却費1,819百万円、たな卸資産の減少144百万円、仕入債務の増加3,495百万円などで、主な支出は、売上債権及び契約資産の増加3,838百万円であった。投資活動によるキャッシュ・フローは5,225百万円の支出となったが、主に有形固定資産の取得による支出5,101百万円など。財務活動によるキャッシュ・フローは8,603百万円の支出となったが、主な支出は自己株式の取得6,758百万円、配当金の支払い1,676百万円による。
以上から2024年3月期の現金及び現金同等物は前期末比5,641百万円減少し、期末残高は25,627百万円となった。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 寺島 昇)
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