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ウェザーニューズのニュース
日経平均は反発。114.42円高の26771.03円(出来高概算4億7748万株)で前場の取引を終えている。
前週末の米国株式市場は休場だった。今日の東京株式市場は買いが先行した。新型コロナワクチンへの期待感が継続していることに加え、前場の取引時間中に、トランプ米大統領が経済対策法案に署名したと伝えられたことなどが株価支援要因となった。一方、新型コロナ変異種の拡大を受け、政府が外国人の新規入国を停止すると発表するなど、経済活動正常化の遅れが懸念され株価の重しとなったが、見送りムードが強い中ではあるが「掉尾の一振」へ期待感が継続した。
個別では、多要素認証義務付け方針との報道を材料視したショーケース<3909>がストップ高まで買われ、21年3月期純利益予想を上方修正した松尾電機<6969>、水素を利用した製鉄設備を欧州に建設すると報じられた三菱重<7011>、株主優待制度の新設を発表した日工<6306>が上げた。また、東エレク<8035>、アドバンテスト<6857>、レーザーテック<6920>などの半導体関連株や、村田製<6981>、TDK<6762>などの電子部品株なども堅調だった。
一方、中間期営業利益が前年同期比10.6%増と第1四半期段階の同23.0%増から増益率が縮小したTAKARA & COMPANY<7921>、信用取引に関する臨時措置が発表された土屋HD<1840>、21年2月期第3四半期が好決算となったが目先材料出尽くし感が先行したニトリHD<9843>、オークワ<8217>、あさひ<3333>、平和堂<8276>、21年5月期売上高を下方修正したWNIウェザー<4825>、連結子会社で不適切な会計処理が判明したと発表したシャープ<6753>、個人情報などグループで最大148万件超が流出した可能性があると発表した楽天<4755>が下げた。
セクターでは、パルプ・紙、電気・ガス業、陸運業、精密機器、その他金融業などが値上がり率上位。一方、空運業、鉱業、海運業、不動産業、鉄鋼などが値下がり率上位だった。東証1部の値上がり銘柄は全体の40%、対して値下がり銘柄は53%となっている。
今年の相場も今日を含め、あと3日。来年の相場を占う意味で、今年の相場を少し振り返ってみる。今回は東証33分類の業種を使い、業種別の株価推移を見てみる。
まず、今年の年初来安値から先週末までの上昇率。最も上昇したのは「海運業」。
上昇率は100.8%。安値から2倍になったということだ。コロナショックの後、中国中心に「モノ」が逸早く動いたことが反映されているのだろう。2位が「電気機器」。好業績株や半導体関連株などが牽引したと見られる。3位は「その他製品」。任天堂などが含まれる。4位は「機械」。これも中国の景気回復の恩恵が大きいのだろう。5位は
「非鉄金属」。非鉄金属価格の上昇などが反映されていると思われる。6位は「サービス業」。今年はコロナ対応や新常態へ向けたサービスが一斉に開花した。
一方、年初来安値からの上昇が最も小さかったのは、「空運業」。「モノ」は動いたが「人」は動かず、同じ運輸でも「海」と「空」で明暗を分けた。2位が「石油・石炭製品」。クリーンエネルギー拡大機運の高まりも逆風になったようだ。3位が「電気・ガス業」。想定以上の原油価格上昇が背景かもしれない。4位が「陸運業」。
「空」同様、人の移動制限が強い逆風だった。5位が「鉱業」。これも環境意識の高まりで敬遠されがちな業種となったようだ。
日々の動きからは趨勢が見えにくい業種別の株価だが、上記のように年間を通してみると、後講釈ではあるが「なるほど」という値動きをしている。この件、もう少し掘り下げると別の側面が見えてきそうな気もする。さらに分析し、次の機会に考えてみたい。
さて、後場の東京株式市場で日経平均はもみ合いとなりそうだ。前場の取引時間中にトランプ米大統領が経済対策法案に署名したと報じられたが、直後の株価の反応は限定的。年末株高への期待は強いものの、後場に上値を追うには材料不足だろう。一方、新型コロナ変異種への警戒感は強いが、これも後場に安値を売る手掛かりにはなりにくい。「掉尾の一振、ありやなしや」の判断は、今晩の海外市場の動向を確認した後になりそうだ。
(小山 眞一)
<AK>
前週末の米国株式市場は休場だった。今日の東京株式市場は買いが先行した。新型コロナワクチンへの期待感が継続していることに加え、前場の取引時間中に、トランプ米大統領が経済対策法案に署名したと伝えられたことなどが株価支援要因となった。一方、新型コロナ変異種の拡大を受け、政府が外国人の新規入国を停止すると発表するなど、経済活動正常化の遅れが懸念され株価の重しとなったが、見送りムードが強い中ではあるが「掉尾の一振」へ期待感が継続した。
個別では、多要素認証義務付け方針との報道を材料視したショーケース<3909>がストップ高まで買われ、21年3月期純利益予想を上方修正した松尾電機<6969>、水素を利用した製鉄設備を欧州に建設すると報じられた三菱重<7011>、株主優待制度の新設を発表した日工<6306>が上げた。また、東エレク<8035>、アドバンテスト<6857>、レーザーテック<6920>などの半導体関連株や、村田製<6981>、TDK<6762>などの電子部品株なども堅調だった。
一方、中間期営業利益が前年同期比10.6%増と第1四半期段階の同23.0%増から増益率が縮小したTAKARA & COMPANY<7921>、信用取引に関する臨時措置が発表された土屋HD<1840>、21年2月期第3四半期が好決算となったが目先材料出尽くし感が先行したニトリHD<9843>、オークワ<8217>、あさひ<3333>、平和堂<8276>、21年5月期売上高を下方修正したWNIウェザー<4825>、連結子会社で不適切な会計処理が判明したと発表したシャープ<6753>、個人情報などグループで最大148万件超が流出した可能性があると発表した楽天<4755>が下げた。
セクターでは、パルプ・紙、電気・ガス業、陸運業、精密機器、その他金融業などが値上がり率上位。一方、空運業、鉱業、海運業、不動産業、鉄鋼などが値下がり率上位だった。東証1部の値上がり銘柄は全体の40%、対して値下がり銘柄は53%となっている。
今年の相場も今日を含め、あと3日。来年の相場を占う意味で、今年の相場を少し振り返ってみる。今回は東証33分類の業種を使い、業種別の株価推移を見てみる。
まず、今年の年初来安値から先週末までの上昇率。最も上昇したのは「海運業」。
上昇率は100.8%。安値から2倍になったということだ。コロナショックの後、中国中心に「モノ」が逸早く動いたことが反映されているのだろう。2位が「電気機器」。好業績株や半導体関連株などが牽引したと見られる。3位は「その他製品」。任天堂などが含まれる。4位は「機械」。これも中国の景気回復の恩恵が大きいのだろう。5位は
「非鉄金属」。非鉄金属価格の上昇などが反映されていると思われる。6位は「サービス業」。今年はコロナ対応や新常態へ向けたサービスが一斉に開花した。
一方、年初来安値からの上昇が最も小さかったのは、「空運業」。「モノ」は動いたが「人」は動かず、同じ運輸でも「海」と「空」で明暗を分けた。2位が「石油・石炭製品」。クリーンエネルギー拡大機運の高まりも逆風になったようだ。3位が「電気・ガス業」。想定以上の原油価格上昇が背景かもしれない。4位が「陸運業」。
「空」同様、人の移動制限が強い逆風だった。5位が「鉱業」。これも環境意識の高まりで敬遠されがちな業種となったようだ。
日々の動きからは趨勢が見えにくい業種別の株価だが、上記のように年間を通してみると、後講釈ではあるが「なるほど」という値動きをしている。この件、もう少し掘り下げると別の側面が見えてきそうな気もする。さらに分析し、次の機会に考えてみたい。
さて、後場の東京株式市場で日経平均はもみ合いとなりそうだ。前場の取引時間中にトランプ米大統領が経済対策法案に署名したと報じられたが、直後の株価の反応は限定的。年末株高への期待は強いものの、後場に上値を追うには材料不足だろう。一方、新型コロナ変異種への警戒感は強いが、これも後場に安値を売る手掛かりにはなりにくい。「掉尾の一振、ありやなしや」の判断は、今晩の海外市場の動向を確認した後になりそうだ。
(小山 眞一)
<AK>
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