952円
イーエムシステムズのニュース
■業績動向
1. 2021年12月期通期業績概要
EMシステムズ<4820>の2021年12月期通期業績は、売上高14,436百万円(前期は9ヶ月決算)、営業利益1,870百万円(同)、経常利益2,607百万円(同)、親会社株主に帰属する当期純利益1,829百万円(同)となった。期初予想からは、売上高で3.3%増、営業利益で24.0%増と好調に推移した。
売上高に関しては、既存システム(調剤/医科)の販売件数の増加により初期売上高及び課金売上高がともに増加した。オンライン資格確認の本格運用に合わせてシステムの設置が加速し、売上高の増加へ寄与した。次期主力商品であるMAPsシリーズ(調剤/医科)においてもお客様の増加に伴い、課金売上が順調に推移した。営業利益に関しては、MAPsシリーズリリース後の資産計上額が減少し保守維持費用が増加したことや、想定を上回る介護報酬改定に対応する開発費用が発生したこと等により売上原価率が増加したものの(前期比1.7ポイント上昇)、効率的なマーケティング・営業活動などにより販管費の伸びを抑制(販管費率で前期比3.8%低下)したため、営業利益率は13.0%となり前期比で2.3ポイント上昇した。
2. 事業別概要
(1) 調剤システム事業及びその関連事業
調剤システム事業及びその関連事業は、売上高11,228百万円(前期は9ヶ月決算)、セグメント利益1,852百万円(同)となった。既存システム販売件数の増加により、初期売上及びストック収入(課金売上・サプライ売上・保守売上)が順調に増加した。オンライン資格確認システムの導入設置拡大も増収に寄与した。増収に伴いセグメント利益も拡大した。
(2) 医科システム事業及びその関連事業
医科システム事業及びその関連事業は、売上高1,957百万円(前期は9ヶ月決算)、セグメント利益22百万円(同)となった。既存システムの販売増加により初期売上が増加し、加えて「MAPs for CLINIC」などの導入による顧客数・課金売上の増加も順調に推移した。日本医師会ORCA管理機構(株)が提供する日医標準レセプトソフト「ORCA」と連動するクラウド型電子カルテ「MAPs for CLINIC with ORCA」も期中に発売された。費用面では、「MAPs for CLINIC」のシステムの保守維持費用やシェア向上のためのマーケティング投資が負担となってきたが、オンライン資格確認システムの導入設置拡大も追い風となり、今期は黒字転換した。
(3) 介護/福祉システム事業
介護/福祉システム事業は、売上高560百万円(前期は9ヶ月決算)、セグメント損失12百万円(同)となった。収益が大幅に改善したのは、大型施設への「すこやかサン」の導入により初期売上が増加したのに加え、ライセンス数の増加により課金売上が堅調に推移したことが主な要因である。営業赤字増加の要因は、介護法改正(2021年4月)にかかわる改正対応に開発人員を投入したため、製造原価が増加したことが影響している。
自己資本比率75.5%。無借金経営により極めて高い財務の安全性
3. 財務状況と経営指標
2021年12月期通期末における総資産は前期末比1,712百万円増の24,809百万円となった。そのうち流動資産は同1,383百万円増の12,574百万円であり、好調な業績を背景にした受取手形及び売掛金の551百万円増、商品及び製品の439百万円増、現金及び預金の306百万円増などがその要因である。固定資産は、同329百万円増の12,234百万円であり、投資有価証券の増加が主な要因である。現金及び預金の残高は8,289百万円であり余裕がある。
負債合計は前期末比620百万円増の5,983百万円となった。そのうち流動負債は同690百万円増の4,167百万円であり、未払法人税等が487百万円増加したことなどが主な要因である。固定負債は同69百万円減の1,815百万円であり、保守のメーカー移行化が推進されたことによる製品保証引当金の減少が主な要因である。純資産合計は、同1,091百万円増の18,826百万円であり、堅調な業績による利益剰余金の増加や非支配株主持分の増加が主な要因である。
経営指標について見ると、自己資本比率が75.5%と非常に高く、中長期的な財務の安全性は高く評価できる。流動比率に関しても、301.8%と安全性の目安となる200%を大きく上回る。有利子負債残高は2021年12月期末時点ではゼロであり、無借金経営である。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 角田秀夫)
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1. 2021年12月期通期業績概要
EMシステムズ<4820>の2021年12月期通期業績は、売上高14,436百万円(前期は9ヶ月決算)、営業利益1,870百万円(同)、経常利益2,607百万円(同)、親会社株主に帰属する当期純利益1,829百万円(同)となった。期初予想からは、売上高で3.3%増、営業利益で24.0%増と好調に推移した。
売上高に関しては、既存システム(調剤/医科)の販売件数の増加により初期売上高及び課金売上高がともに増加した。オンライン資格確認の本格運用に合わせてシステムの設置が加速し、売上高の増加へ寄与した。次期主力商品であるMAPsシリーズ(調剤/医科)においてもお客様の増加に伴い、課金売上が順調に推移した。営業利益に関しては、MAPsシリーズリリース後の資産計上額が減少し保守維持費用が増加したことや、想定を上回る介護報酬改定に対応する開発費用が発生したこと等により売上原価率が増加したものの(前期比1.7ポイント上昇)、効率的なマーケティング・営業活動などにより販管費の伸びを抑制(販管費率で前期比3.8%低下)したため、営業利益率は13.0%となり前期比で2.3ポイント上昇した。
2. 事業別概要
(1) 調剤システム事業及びその関連事業
調剤システム事業及びその関連事業は、売上高11,228百万円(前期は9ヶ月決算)、セグメント利益1,852百万円(同)となった。既存システム販売件数の増加により、初期売上及びストック収入(課金売上・サプライ売上・保守売上)が順調に増加した。オンライン資格確認システムの導入設置拡大も増収に寄与した。増収に伴いセグメント利益も拡大した。
(2) 医科システム事業及びその関連事業
医科システム事業及びその関連事業は、売上高1,957百万円(前期は9ヶ月決算)、セグメント利益22百万円(同)となった。既存システムの販売増加により初期売上が増加し、加えて「MAPs for CLINIC」などの導入による顧客数・課金売上の増加も順調に推移した。日本医師会ORCA管理機構(株)が提供する日医標準レセプトソフト「ORCA」と連動するクラウド型電子カルテ「MAPs for CLINIC with ORCA」も期中に発売された。費用面では、「MAPs for CLINIC」のシステムの保守維持費用やシェア向上のためのマーケティング投資が負担となってきたが、オンライン資格確認システムの導入設置拡大も追い風となり、今期は黒字転換した。
(3) 介護/福祉システム事業
介護/福祉システム事業は、売上高560百万円(前期は9ヶ月決算)、セグメント損失12百万円(同)となった。収益が大幅に改善したのは、大型施設への「すこやかサン」の導入により初期売上が増加したのに加え、ライセンス数の増加により課金売上が堅調に推移したことが主な要因である。営業赤字増加の要因は、介護法改正(2021年4月)にかかわる改正対応に開発人員を投入したため、製造原価が増加したことが影響している。
自己資本比率75.5%。無借金経営により極めて高い財務の安全性
3. 財務状況と経営指標
2021年12月期通期末における総資産は前期末比1,712百万円増の24,809百万円となった。そのうち流動資産は同1,383百万円増の12,574百万円であり、好調な業績を背景にした受取手形及び売掛金の551百万円増、商品及び製品の439百万円増、現金及び預金の306百万円増などがその要因である。固定資産は、同329百万円増の12,234百万円であり、投資有価証券の増加が主な要因である。現金及び預金の残高は8,289百万円であり余裕がある。
負債合計は前期末比620百万円増の5,983百万円となった。そのうち流動負債は同690百万円増の4,167百万円であり、未払法人税等が487百万円増加したことなどが主な要因である。固定負債は同69百万円減の1,815百万円であり、保守のメーカー移行化が推進されたことによる製品保証引当金の減少が主な要因である。純資産合計は、同1,091百万円増の18,826百万円であり、堅調な業績による利益剰余金の増加や非支配株主持分の増加が主な要因である。
経営指標について見ると、自己資本比率が75.5%と非常に高く、中長期的な財務の安全性は高く評価できる。流動比率に関しても、301.8%と安全性の目安となる200%を大きく上回る。有利子負債残高は2021年12月期末時点ではゼロであり、無借金経営である。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 角田秀夫)
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