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■業績動向
2. 事業セグメント別動向
(1) プリント事業の動向
プリント事業は売上高7,709百万円(前期比555百万円減)、営業損失354百万円(前期比88百万円減)と、減収減益となった。
プリント事業においては直営からFCへの切り替えや不採算店舗の整理を進めている。プラザクリエイト本社<7502>は減収額555百万円の内訳として、38店舗のFC化と23店舗の退店による減収影響が476百万円、上期の天候不順や自然災害影響が1億円弱としている。
天候不順等の影響は直営既存店売上高のグラフから明確に見て取ることができる。上期は100%を大きく割り込む状況が続いた。下期に入って100%を回復する月が出てきたものの、上期の不振を取り戻しきれず通期ベースでは前期売上高の94.9%にとどまった。
利益面では、当初から2019年3月期も営業損失が続くことは想定されていた。収益モデル変革に伴う先行投資が要因だ。具体的には、オンラインサービスのサービス・メニュー(2019年5月開始の“WeTy”や2019年6月開始の“ちゃんりおグッズストア”全面リニューアルなど)充実のための開発費用や、直営店舗のFC化に向けた先行費用(FCオーナー候補者の教育研修費、求人費等)などだ。計画に対して利益がショートとなったのは、上記の理由から売上高が想定を下回ったことに加え、災害影響の復旧費や、工場立ち上げトラブルへの対処費用などが増加したことが要因だ。
(2) モバイル事業の動向
モバイル事業は売上高16,022百万円(前期比2,115百万円増)、営業利益627百万円(同294百万円増)と大幅な増収増益で着地した。
同社はソフトバンク<9434>の優良・有力代理店としての位置付けが年々強まっている状況にある。ソフトバンクを始めとする大手キャリアを取り巻く環境は、料金体系(通信料金と端末代金の分離)、解約手数料、楽天<4755>の新規参入、5Gへの投資など、激動の状態にある。そうしたなか、ソフトバンクは、販売代理店の個店ベースの強化が何より重要ということで代理店政策を大きく変更し、それに取り組んできた。その一環で、上場企業で経営力と財務基盤に優れた同社に白羽の矢が立つケースが増加したというのがここ数年の状況で、2019年3月期もそれが続いた(後述のように、これは2020年3月期もさらに加速する可能性がある)。
具体的には、2019年3月期は16店舗を出店し、14店舗を退店した。出店のブランド別内訳はソフトバンクショップが11店、ワイモバイルショップが5店舗となっている。一方退店14店舗については、ソフトバンクショップが2店舗、ワイモバイルショップが11店舗、併売店が1店舗となっており、ワイモバイルショップからソフトバンクショップへの転換が進んだことがわかる。
ソフトバンクショップはワイモバイルショップに比べて店舗規模が大きく。出店費用や在庫投資等も大きくなる。2019年3月期に16店に上る出店費用をカバーして増益を達成したことは、同社のモバイル事業が、新店投資をこなしながら利益成長を継続できる段階にまで成長したことを表していると弊社では考えている。
ただし、スマートフォン市場の成熟化の影響によって、1店舗当たりの販売台数は低下しており、既存店販売台数も前年比95.6%だったという点は留意しておくべきだ。この流れは2019年3月期の一過性の事象ではなく、2020年3月期以降さらに強まる可能性が高い。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 浅川裕之)
<MH>
2. 事業セグメント別動向
(1) プリント事業の動向
プリント事業は売上高7,709百万円(前期比555百万円減)、営業損失354百万円(前期比88百万円減)と、減収減益となった。
プリント事業においては直営からFCへの切り替えや不採算店舗の整理を進めている。プラザクリエイト本社<7502>は減収額555百万円の内訳として、38店舗のFC化と23店舗の退店による減収影響が476百万円、上期の天候不順や自然災害影響が1億円弱としている。
天候不順等の影響は直営既存店売上高のグラフから明確に見て取ることができる。上期は100%を大きく割り込む状況が続いた。下期に入って100%を回復する月が出てきたものの、上期の不振を取り戻しきれず通期ベースでは前期売上高の94.9%にとどまった。
利益面では、当初から2019年3月期も営業損失が続くことは想定されていた。収益モデル変革に伴う先行投資が要因だ。具体的には、オンラインサービスのサービス・メニュー(2019年5月開始の“WeTy”や2019年6月開始の“ちゃんりおグッズストア”全面リニューアルなど)充実のための開発費用や、直営店舗のFC化に向けた先行費用(FCオーナー候補者の教育研修費、求人費等)などだ。計画に対して利益がショートとなったのは、上記の理由から売上高が想定を下回ったことに加え、災害影響の復旧費や、工場立ち上げトラブルへの対処費用などが増加したことが要因だ。
(2) モバイル事業の動向
モバイル事業は売上高16,022百万円(前期比2,115百万円増)、営業利益627百万円(同294百万円増)と大幅な増収増益で着地した。
同社はソフトバンク<9434>の優良・有力代理店としての位置付けが年々強まっている状況にある。ソフトバンクを始めとする大手キャリアを取り巻く環境は、料金体系(通信料金と端末代金の分離)、解約手数料、楽天<4755>の新規参入、5Gへの投資など、激動の状態にある。そうしたなか、ソフトバンクは、販売代理店の個店ベースの強化が何より重要ということで代理店政策を大きく変更し、それに取り組んできた。その一環で、上場企業で経営力と財務基盤に優れた同社に白羽の矢が立つケースが増加したというのがここ数年の状況で、2019年3月期もそれが続いた(後述のように、これは2020年3月期もさらに加速する可能性がある)。
具体的には、2019年3月期は16店舗を出店し、14店舗を退店した。出店のブランド別内訳はソフトバンクショップが11店、ワイモバイルショップが5店舗となっている。一方退店14店舗については、ソフトバンクショップが2店舗、ワイモバイルショップが11店舗、併売店が1店舗となっており、ワイモバイルショップからソフトバンクショップへの転換が進んだことがわかる。
ソフトバンクショップはワイモバイルショップに比べて店舗規模が大きく。出店費用や在庫投資等も大きくなる。2019年3月期に16店に上る出店費用をカバーして増益を達成したことは、同社のモバイル事業が、新店投資をこなしながら利益成長を継続できる段階にまで成長したことを表していると弊社では考えている。
ただし、スマートフォン市場の成熟化の影響によって、1店舗当たりの販売台数は低下しており、既存店販売台数も前年比95.6%だったという点は留意しておくべきだ。この流れは2019年3月期の一過性の事象ではなく、2020年3月期以降さらに強まる可能性が高い。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 浅川裕之)
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