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武田薬品工業のニュース
■コスモ・バイオ<3386>の中長期成長戦略
5. ペプチド合成・抗体作製受託サービス事業を拡大
研究用ペプチド合成・抗体作製受託サービス事業は2016年12月開始した。合成ペプチドはライフサイエンス基礎研究に欠かせない重要な研究ツールの1つとなっている。2017年12月には(株)Proteomedix Frontiers(PF)と業務提携し、2018年4月AQUAペプチドの配列デザインから合成までの一貫サービスを開始した。自社製品・サービスの拡販に加えて、既存製品・サービスとのシナジー効果も期待され、2019年12月期から利益貢献の見通しとしている。
更なる事業拡大に向けて周辺技術を持つ企業とのアライアンスも推進している。2018年6月にはペプチド創薬及びペプチド創薬支援サービスのメスキュージェナシス(株)(MJ)とペプチド創薬支援事業に関して業務提携した。MJが自社創薬のために設計するペプチドライブラリの合成も受託する。MJは国立研究開発法人産業技術総合研究所(産総研)発ベンチャーのメスキュー(株)とジェナシス(株)が2017年合併して設立された。
2018年9月にはiBody(株)(IBD)とモノクローナル抗体スクリーニングサービスに関して業務提携した。名古屋大学発ベンチャーであるIBDが保有するEcobody技術を、抗体作製サービスと連携させる。2018年10月にはエムティーアイ<9438>と抗体作製支援システムに関して業務提携した。エムティーアイが開発したエピトープ解析システム「MODELAGONTM」を抗体作製サービスに導入する。
また2018年11月には、がん免疫療法開発の(株)Cancer Precision Medicine(CPM)(オンコセラピー・サイエンス<4564>の連結子会社)と、がん免疫療法のためのペプチド合成に関する委受託基本契約を締結した。研究用ペプチド合成・抗体作製受託サービス事業の規模拡大を大きく加速させる可能性がある案件として期待されている。
6. ヒトインターフェロンβタンパク質は2019年事業化予定
遺伝子改変ニワトリの鶏卵を用いたゲノム編集技術によるタンパク質製造事業は、新たなビジネスモデルへの投資と位置付けて、2019年事業化(研究用試薬として販売開始)を予定している。
テーマ「鶏卵バイオリアクターを用いた組換えヒトサイトカイン試薬製造」が、NEDO(新エネルギー・産業技術総合開発機構)の2016年度「中堅・中小企業への橋渡し研究開発促進事業」に採択され、2017年8月には、国立研究開発法人産業技術総合研究所(産総研)及び国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構(農研機構)から、ヒトインターフェロンβタンパク質製造に関する特許実施許諾を受ける契約を締結した。
2018年7月には産総研が、卵白に有用組換えタンパク質を大量に含む卵を産む遺伝子改変ニワトリを作製する技術を確立した。特許実施許諾に基づいて、鶏卵をバイオリアクターとしたゲノム編集技術によるタンパク質製造でヒトインターフェロンβタンパク質の製造方法を確立する。
2018年8月には「鶏卵バイオリアクターを用いた組換えサイトカイン製造実用化研究」が、国立研究開発法人科学技術振興機構(JST)の「研究成果最適展開支援プログラム(A-STEP)産学共同フェーズ シーズ育成タイプ」平成30年度公募に採択され、委託研究開発費を受けることになった。
2019年に研究用試薬としての販売開始を予定しており、2019年2月には鶏舎を増築・稼働した。今後は、生産する標的タンパク質を研究用に限定せず、各種素材、再生医療関連、動物医療関連など、幅広く応用可能な技術にするための実用化研究も推進する。
7. 新たな事業基盤創出に向けた取り組み強化
新たな事業基盤の創出(成長分野開拓による新規事業の創出、競争力強化や事業拡大に向けた資本・業務提携)に向けた取り組みも強化している。
2018年4月には、生体内の標的とするタンパク質の分解を誘導することにより新規医薬品の研究開発を行うファイメクスに出資した。ファイメクスは、武田薬品工業<4502>のアントレプレナーシップベンチャープログラムによって2018年1月設立されたカーブアウトベンチャーである。
2018年6月には学校法人麻布獣医学園と、麻布獣医学園の出願特許「アミロイドタンパク質を抽出する試薬」に関する実施許諾契約を締結した。アミロイドという線維構造を持つタンパク質だけを選別して抽出できる画期的な技術であり、本技術を用いてアルツハイマー病などの研究に極めて重要なツールを提供する。2018年9月には製品化1号として「Kamyloid® FFPEアミロイドタンパク質抽出キット」を発売した。
8. 企業価値向上に向けた取り組み推進
企業価値向上に向けた取り組みでは、業務の効率化、人事評価制度改革による就業意欲の向上と事業の成長、リスク管理の徹底、積極的なCSR活動などを推進している。
CSR活動では、大学等が行う公開講座に協賛する「公開講座応援団」、米国マサチューセッツ工科大学で毎年行われている「iGEM生物ロボットコンテスト」参加日本チームへの支援、米国科学振興協会発行「Science Signaling」の日本語サイト運営、食道から大腸まで子供が潜り抜けられるトンネル構造模型「消化管体験ツアー」などを行っている。
自社製品・サービスを拡大して中長期的に成長期待
9. 自社製品・サービス拡大
市場伸び悩みや円安環境下でも、自社製品・サービスなど高付加価値化による既存事業の強化、新規事業基盤の創出などで、高収益構造の確立を目指す方針だ。ペプチド合成・抗体作製受託サービス事業の拡大に加えて、遺伝子改変ニワトリの鶏卵を用いたゲノム編集技術によるタンパク質製造事業、アミロイドタンパク質抽出技術の特許実施許諾契約に基づく自社製品拡充など、成長分野への展開に向けた布石を着実に打っている。自社製品・サービスが拡大して中長期的に成長が期待される。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 水田雅展)
<SF>
5. ペプチド合成・抗体作製受託サービス事業を拡大
研究用ペプチド合成・抗体作製受託サービス事業は2016年12月開始した。合成ペプチドはライフサイエンス基礎研究に欠かせない重要な研究ツールの1つとなっている。2017年12月には(株)Proteomedix Frontiers(PF)と業務提携し、2018年4月AQUAペプチドの配列デザインから合成までの一貫サービスを開始した。自社製品・サービスの拡販に加えて、既存製品・サービスとのシナジー効果も期待され、2019年12月期から利益貢献の見通しとしている。
更なる事業拡大に向けて周辺技術を持つ企業とのアライアンスも推進している。2018年6月にはペプチド創薬及びペプチド創薬支援サービスのメスキュージェナシス(株)(MJ)とペプチド創薬支援事業に関して業務提携した。MJが自社創薬のために設計するペプチドライブラリの合成も受託する。MJは国立研究開発法人産業技術総合研究所(産総研)発ベンチャーのメスキュー(株)とジェナシス(株)が2017年合併して設立された。
2018年9月にはiBody(株)(IBD)とモノクローナル抗体スクリーニングサービスに関して業務提携した。名古屋大学発ベンチャーであるIBDが保有するEcobody技術を、抗体作製サービスと連携させる。2018年10月にはエムティーアイ<9438>と抗体作製支援システムに関して業務提携した。エムティーアイが開発したエピトープ解析システム「MODELAGONTM」を抗体作製サービスに導入する。
また2018年11月には、がん免疫療法開発の(株)Cancer Precision Medicine(CPM)(オンコセラピー・サイエンス<4564>の連結子会社)と、がん免疫療法のためのペプチド合成に関する委受託基本契約を締結した。研究用ペプチド合成・抗体作製受託サービス事業の規模拡大を大きく加速させる可能性がある案件として期待されている。
6. ヒトインターフェロンβタンパク質は2019年事業化予定
遺伝子改変ニワトリの鶏卵を用いたゲノム編集技術によるタンパク質製造事業は、新たなビジネスモデルへの投資と位置付けて、2019年事業化(研究用試薬として販売開始)を予定している。
テーマ「鶏卵バイオリアクターを用いた組換えヒトサイトカイン試薬製造」が、NEDO(新エネルギー・産業技術総合開発機構)の2016年度「中堅・中小企業への橋渡し研究開発促進事業」に採択され、2017年8月には、国立研究開発法人産業技術総合研究所(産総研)及び国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構(農研機構)から、ヒトインターフェロンβタンパク質製造に関する特許実施許諾を受ける契約を締結した。
2018年7月には産総研が、卵白に有用組換えタンパク質を大量に含む卵を産む遺伝子改変ニワトリを作製する技術を確立した。特許実施許諾に基づいて、鶏卵をバイオリアクターとしたゲノム編集技術によるタンパク質製造でヒトインターフェロンβタンパク質の製造方法を確立する。
2018年8月には「鶏卵バイオリアクターを用いた組換えサイトカイン製造実用化研究」が、国立研究開発法人科学技術振興機構(JST)の「研究成果最適展開支援プログラム(A-STEP)産学共同フェーズ シーズ育成タイプ」平成30年度公募に採択され、委託研究開発費を受けることになった。
2019年に研究用試薬としての販売開始を予定しており、2019年2月には鶏舎を増築・稼働した。今後は、生産する標的タンパク質を研究用に限定せず、各種素材、再生医療関連、動物医療関連など、幅広く応用可能な技術にするための実用化研究も推進する。
7. 新たな事業基盤創出に向けた取り組み強化
新たな事業基盤の創出(成長分野開拓による新規事業の創出、競争力強化や事業拡大に向けた資本・業務提携)に向けた取り組みも強化している。
2018年4月には、生体内の標的とするタンパク質の分解を誘導することにより新規医薬品の研究開発を行うファイメクスに出資した。ファイメクスは、武田薬品工業<4502>のアントレプレナーシップベンチャープログラムによって2018年1月設立されたカーブアウトベンチャーである。
2018年6月には学校法人麻布獣医学園と、麻布獣医学園の出願特許「アミロイドタンパク質を抽出する試薬」に関する実施許諾契約を締結した。アミロイドという線維構造を持つタンパク質だけを選別して抽出できる画期的な技術であり、本技術を用いてアルツハイマー病などの研究に極めて重要なツールを提供する。2018年9月には製品化1号として「Kamyloid® FFPEアミロイドタンパク質抽出キット」を発売した。
8. 企業価値向上に向けた取り組み推進
企業価値向上に向けた取り組みでは、業務の効率化、人事評価制度改革による就業意欲の向上と事業の成長、リスク管理の徹底、積極的なCSR活動などを推進している。
CSR活動では、大学等が行う公開講座に協賛する「公開講座応援団」、米国マサチューセッツ工科大学で毎年行われている「iGEM生物ロボットコンテスト」参加日本チームへの支援、米国科学振興協会発行「Science Signaling」の日本語サイト運営、食道から大腸まで子供が潜り抜けられるトンネル構造模型「消化管体験ツアー」などを行っている。
自社製品・サービスを拡大して中長期的に成長期待
9. 自社製品・サービス拡大
市場伸び悩みや円安環境下でも、自社製品・サービスなど高付加価値化による既存事業の強化、新規事業基盤の創出などで、高収益構造の確立を目指す方針だ。ペプチド合成・抗体作製受託サービス事業の拡大に加えて、遺伝子改変ニワトリの鶏卵を用いたゲノム編集技術によるタンパク質製造事業、アミロイドタンパク質抽出技術の特許実施許諾契約に基づく自社製品拡充など、成長分野への展開に向けた布石を着実に打っている。自社製品・サービスが拡大して中長期的に成長が期待される。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 水田雅展)
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