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バンク・オブ・イノベーションのニュース
―「あつ森」記録的売れ行き話題で“次”にも期待―
新型コロナウイルスの影響で在宅時間が長くなり、ゲームや動画配信、電子書籍などに費やす時間が大幅に増えている。足もと東京株式市場で日経平均株価が2万円の大台に乗せるなど上昇基調にあり、特に巣ごもり消費の一角に位置する新興市場のゲーム関連で足の軽い銘柄に投資資金の流入が目立つ。今後、次世代通信規格「5G」の商用化が本格化することも考慮して、中長期的な成長が見込めるゲーム関連株に注目してみたい。
●コロナ自粛で最も売れたゲーム「あつ森」が話題
ゲーム総合情報メディア「ファミ通」が11日に発表した4月の国内家庭用ゲームソフトの売り上げデータによると、「あつまれ どうぶつの森」(あつ森)の販売本数は128万7000本と2ヵ月連続で首位となった。同商品は任天堂 <7974> が3月20日に発売した「どうぶつの森」シリーズの最新作で、無人島を舞台に主人公が島の開発を進めながら、ほかの住民(プレイヤー)と交流を持てるシミュレーションゲーム。発売時期は新型コロナウイルスの感染拡大に伴い海外の一部の国や地域で実施されたロックダウン(都市封鎖)のタイミングと重なったこともあって、一時期「マスクよりも手に入らない」と揶揄(やゆ)されるほどだった。ゴールデンウイークを経て、同作10日までの国内累計販売本数は既に400万本を突破した。名実ともに最も売れたゲームとして今後の行方が注目される。
●上方修正するゲーム関連銘柄続出
実際、今回の決算発表シーズンに業績発表の延期や下方修正する企業も多いなか、スマホゲーム向けアプリゲームを展開するミクシィ <2121> [東証M]やイグニス <3689> [東証M]、エクストリーム <6033> [東証M]、イマジニア <4644> [JQ]といった銘柄が相次ぎ業績の上方修正を発表した。課金収入を含めてゲーム関連に好業績銘柄が多い例として挙げられる。
なかでもミクシィは、2020年3月期の営業利益について、2月と3月の2回にわたり大幅に増額修正した。13年10月に発売したヒット作「モンスターストライク」は返り咲きする形で収益に貢献した。ゲームの人気には7年サイクルがあることも知られているが、人気IP(知的財産)とのコラボレーションなどが功を奏し業績を押し上げたようだ。
イグニスは11日、20年9月期売上高見通しについて、従来の40億円から50億円に上方修正した。Facebookなどの認証で手軽に始められる恋愛・婚活マッチングスマートフォン向けアプリの「with」が順調にユーザー数を伸ばし続けていることから、同事業の売上高は当初予想を上回る見込みとなった。更に、これまで足を引っ張ってきたゲーム事業において新規開発を凍結し、3月2日付で「ぼくとドラゴン」と「猫とドラゴン」の2タイトルに係る事業をバンダイナムコホールディングス <7832> を大株主に持つドリコム <3793> [東証M]に譲渡し身軽となった。今後はマッチング事業及びアップデート開発中のエンターテック事業にそれぞれ経営資源を集中することで更なる成長を目指す方針だ。
●出遅れ修正狙いで要注目
サイバーステップ <3810> [東証2]はオンラインゲーム開発大手で株価は底値圏から抜け出せないでいる。主力サービスのクレーンゲームアプリ「トレバ」事業が順調に拡大しており、業績は好調だ。景品管理システムの見直しや配送・運営コストの削減効果などもあり、1月20日には20年5月期通期の連結営業利益見通しを従来の5億円から8億円(前期実績は1億8100万円)に引き上げた。このほか、今期初となる期末一括配当10円も実施する見通しで、出遅れ修正が期待できる。
シリコンスタジオ <3907> [東証M]は3D技術を活用するゲーム開発用ミドルウェアを主力とし、自動車や映像、不動産業界向けにデジタルコンテンツも提供する。昨年末に、米グーグルが提供する新たなゲームプラットフォーム「STADIA」に高度な光学的表現を可能にする同社主力のミドルウェア「YEBIS(エビス)3」が、ニンテンドースイッチ向けゲームソフト「ポケットモンスター ソード」及び「ポケットモンスター シールド」に採用されている。また、ゲームエンジンがプレイステーション4向けタイトル「アークオブアルケミスト」にも採用されているため、今後のプレイステーション5発売に向けてのアップデートなどの活躍が期待される。
●テクニカルで狙い目の銘柄は
バンク・オブ・イノベーション <4393> [東証M]はロールプレイングゲームを展開するが、ユーザー目線の美麗なデザインが特徴で人気を博している。4月28日に発表した20年9月期第2四半期(19年10月~20年3月)連結営業利益は6300万円(前年同期は単独決算で単純比較できないものの82.9%減)となった。ただ、同社が手掛ける人気タイトル「ミトラスフィア-MITRASPHERE-」の台湾・香港・マカオ向け配信が20年1月にスタートしたことに続き、王道ファンタジーRPG「幻獣契約クリプトラクト」も2月に英語圏での配信を開始するなど今期業績の上振れも期待される。株価について、テクニカル的には日足の一目均衡表で厚い雲を抜け出したところで、上昇トレンド入りを示唆している。
エディア <3935> [東証M]は位置情報組み込みを強みとするスマートフォン、SNSのモバイルゲームや店舗検索アプリなどを展開。4月14日に発表した20年2月期営業損益は1億7600万円の赤字(前年同期は5億1600万円の赤字)と赤字幅が大きく縮小している。特に19年12月~20年2月期は不採算タイトルの閉鎖によるゲーム事業損益が改善し、コミックや電子書籍などの売り上げが躍進したことも寄与した。株価は75日移動平均線クリアが目前で追撃買いのチャンスだ。
株探ニュース
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