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野村総合研究所のニュース
*12:09JST 日経平均は続伸、スタグフレーションの様相強まる
日経平均は続伸。198.51円高の28656.19円(出来高概算6億8662万株)で前場の取引を終えている。
27日の米株式市場でダウ平均は524.29ドル高(+1.57%)と3日ぶり大幅反発。経営難に陥っている地銀のファースト・リパブリック・バンクの株価が下げ止まり、金融システム不安が後退したことで上昇して始まった。また、ハイテクのメタ・プラットフォームズの決算を好感した買いが相場を押し上げ、終日堅調に推移。ナスダック総合指数は+2.42%と大幅に続伸した。米株高を引き継いで日経平均は248円高からスタート。一方、日本銀行の金融政策決定会合の結果を本日昼頃に控える中、様子見ムードが強く、寄り付き直後にこの日の高値を付けた後はもみ合いが続いた。
個別では、決算を手掛かりにマキタ<6586>、小松ウオール<7949>、山崎製パン<2212>、関西電力<9503>、キッコーマン<2801>が、業績予想を上方修正した三井E&S<7003>、新中期経営計画や自社株買いを発表したJVCケンウッド<6632>がそれぞれ急伸。新光電工<6967>は大幅減益予想もあく抜け感や米インテルの決算を背景に急伸し、イビデン<4062>も連れ高。ほか、好決算を材料に富士電機<6504>、MonotaRO<3064>が、NRI
<4307>は増配や自社株買いが好感されて大幅高となった。一方、業績及び配当予想を下方修正したVコマース<2491>が急落。1-3月期の営業減益などが嫌気された信越化<4063>、今期見通しが市場予想を下回った日立<6501>、堅調決算も短期的な出尽くし感が強まったキーエンス<6861>が大きく下落した。
セクターでは電気・ガス、パルプ・紙、保険が上昇率上位に並んだ一方、海運、化学、電気機器のみが下落となった。東証プライム市場の値上がり銘柄は全体の85%、対して値下がり銘柄は13%となっている。
前日の米株式市場は久々に主要株価3指数がそろって大幅に上昇。終始上げ幅を広げる久々に強い動きが見られた。通称「GAFAM」としてIT大手の一角を占めるメタ・プラットフォームズ(旧フェイスブック)が予想を上回る決算を発表し、急伸したことでハイテクを中心に相場のけん引役となった。一方、前日に時間外取引の動きですでにメタの株高を織り込んでいた東京市場は、本日は日本銀行の金融政策決定会合の結果を控えていることもあり、堅調ながらも大勢はもみ合いで推移。
米国市場の取引終了後に発表されたアマゾン・ドットコムの決算は予想を上回ったものの、けん引役となったクラウド事業の売上成長が4月に入ってからは減速していることが明らかになり、時間外取引で一時急伸した株価は失速して結局マイナスで終えている。マイクロソフト、アルファベット、メタの流れで続いてきたIT企業への期待感がやや剥落したことも相場の重しとして働いていそうだ。
前日に発表された米1-3月期の個人消費支出(PCE)コアデフレーターは市場予想を大幅に上回り、1年ぶりの高い伸びとなった。これを受け、米金利が幅広い年限で大きく上昇したことも上値抑制要因として働いていると思われる。当該指標の結果により、今晩に発表される米3月PCEコアデフレーターが上振れる可能性が高まっており、来週、国内大型連休中に開催される米連邦公開市場委員会(FOMC)を前にやや警戒感が高まっている。
前日の米株式市場の上昇については、メタの株価上昇に加え、連日で急落していた地銀のファースト・リパブリック・バンクが急反発に転じたことや、これまでの米国での納税金額が予想を上回る水準となっていることで、連邦政府の債務上限問題のデッドラインが後ろ倒しになったことを指摘する声も聞かれている。
しかし、ファースト・リパブリック・バンクについては空売りに利用できる株があと4%しか残っていないとの指摘があり、単純に売り方の利益確定に伴う買い戻しが強まったに過ぎないかもしれない。また、米連邦政府の債務上限問題も依然として混迷としており、リスクは残っている。結局、昨日の米国株の上昇については企業の決算を除けば明確な好材料があったわけではないといえる。
また、その米企業決算についてはまちまちで、IT関連で堅調さが確認されている一方、鉱業・建設機械大手のキャタピラーについては受注残がほとんど増えていないことが明らかになり、前日の同社株価は軟調に推移した。昨日発表された米国の1-3月の実質国内総生産(GDP)速報値も、個人消費は堅調だったものの、設備投資は大きく落ち込み、昨年10-12月期(+2.6%)から大きく鈍化し、前期比年率+1.1%と市場予想(+1.9%)を下回った。
景気後退の足音が着実に近づいてくる中、インフレ指標の高止まりによりスタグフレーション(物価高と景気後退の併存)の様相が濃くなっており、米連邦公開市場委員会(FRB)の利上げ打ち止め時期が遠のくことなどがあると、マーケットは嫌気することになりそうだ。
国内では大型連休の関係で来週は立会いが週初の2日間のみに限られる。連休中に重要指標やイベントを多く控えるため、今後も上値の重い展開が続くとみておきたい。
なお、本日はソニーG<6758>、村田製<6981>、コマツ<6301>、レーザーテック<6920>
などの決算が予定されている。(仲村幸浩)
<AK>
27日の米株式市場でダウ平均は524.29ドル高(+1.57%)と3日ぶり大幅反発。経営難に陥っている地銀のファースト・リパブリック・バンクの株価が下げ止まり、金融システム不安が後退したことで上昇して始まった。また、ハイテクのメタ・プラットフォームズの決算を好感した買いが相場を押し上げ、終日堅調に推移。ナスダック総合指数は+2.42%と大幅に続伸した。米株高を引き継いで日経平均は248円高からスタート。一方、日本銀行の金融政策決定会合の結果を本日昼頃に控える中、様子見ムードが強く、寄り付き直後にこの日の高値を付けた後はもみ合いが続いた。
個別では、決算を手掛かりにマキタ<6586>、小松ウオール<7949>、山崎製パン<2212>、関西電力<9503>、キッコーマン<2801>が、業績予想を上方修正した三井E&S<7003>、新中期経営計画や自社株買いを発表したJVCケンウッド<6632>がそれぞれ急伸。新光電工<6967>は大幅減益予想もあく抜け感や米インテルの決算を背景に急伸し、イビデン<4062>も連れ高。ほか、好決算を材料に富士電機<6504>、MonotaRO<3064>が、NRI
<4307>は増配や自社株買いが好感されて大幅高となった。一方、業績及び配当予想を下方修正したVコマース<2491>が急落。1-3月期の営業減益などが嫌気された信越化<4063>、今期見通しが市場予想を下回った日立<6501>、堅調決算も短期的な出尽くし感が強まったキーエンス<6861>が大きく下落した。
セクターでは電気・ガス、パルプ・紙、保険が上昇率上位に並んだ一方、海運、化学、電気機器のみが下落となった。東証プライム市場の値上がり銘柄は全体の85%、対して値下がり銘柄は13%となっている。
前日の米株式市場は久々に主要株価3指数がそろって大幅に上昇。終始上げ幅を広げる久々に強い動きが見られた。通称「GAFAM」としてIT大手の一角を占めるメタ・プラットフォームズ(旧フェイスブック)が予想を上回る決算を発表し、急伸したことでハイテクを中心に相場のけん引役となった。一方、前日に時間外取引の動きですでにメタの株高を織り込んでいた東京市場は、本日は日本銀行の金融政策決定会合の結果を控えていることもあり、堅調ながらも大勢はもみ合いで推移。
米国市場の取引終了後に発表されたアマゾン・ドットコムの決算は予想を上回ったものの、けん引役となったクラウド事業の売上成長が4月に入ってからは減速していることが明らかになり、時間外取引で一時急伸した株価は失速して結局マイナスで終えている。マイクロソフト、アルファベット、メタの流れで続いてきたIT企業への期待感がやや剥落したことも相場の重しとして働いていそうだ。
前日に発表された米1-3月期の個人消費支出(PCE)コアデフレーターは市場予想を大幅に上回り、1年ぶりの高い伸びとなった。これを受け、米金利が幅広い年限で大きく上昇したことも上値抑制要因として働いていると思われる。当該指標の結果により、今晩に発表される米3月PCEコアデフレーターが上振れる可能性が高まっており、来週、国内大型連休中に開催される米連邦公開市場委員会(FOMC)を前にやや警戒感が高まっている。
前日の米株式市場の上昇については、メタの株価上昇に加え、連日で急落していた地銀のファースト・リパブリック・バンクが急反発に転じたことや、これまでの米国での納税金額が予想を上回る水準となっていることで、連邦政府の債務上限問題のデッドラインが後ろ倒しになったことを指摘する声も聞かれている。
しかし、ファースト・リパブリック・バンクについては空売りに利用できる株があと4%しか残っていないとの指摘があり、単純に売り方の利益確定に伴う買い戻しが強まったに過ぎないかもしれない。また、米連邦政府の債務上限問題も依然として混迷としており、リスクは残っている。結局、昨日の米国株の上昇については企業の決算を除けば明確な好材料があったわけではないといえる。
また、その米企業決算についてはまちまちで、IT関連で堅調さが確認されている一方、鉱業・建設機械大手のキャタピラーについては受注残がほとんど増えていないことが明らかになり、前日の同社株価は軟調に推移した。昨日発表された米国の1-3月の実質国内総生産(GDP)速報値も、個人消費は堅調だったものの、設備投資は大きく落ち込み、昨年10-12月期(+2.6%)から大きく鈍化し、前期比年率+1.1%と市場予想(+1.9%)を下回った。
景気後退の足音が着実に近づいてくる中、インフレ指標の高止まりによりスタグフレーション(物価高と景気後退の併存)の様相が濃くなっており、米連邦公開市場委員会(FRB)の利上げ打ち止め時期が遠のくことなどがあると、マーケットは嫌気することになりそうだ。
国内では大型連休の関係で来週は立会いが週初の2日間のみに限られる。連休中に重要指標やイベントを多く控えるため、今後も上値の重い展開が続くとみておきたい。
なお、本日はソニーG<6758>、村田製<6981>、コマツ<6301>、レーザーテック<6920>
などの決算が予定されている。(仲村幸浩)
<AK>
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