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[日経平均株価・TOPIX(表)]
日経平均;25385.11;+77.26TOPIX;1828.26;+15.98
[後場の投資戦略]
本日の日経平均は続伸して前場を折り返したが、ここまで方向感に乏しい展開となっている。日足チャートを見ると、上向きに転じた5日移動平均線が下値を支え、寄り付き直後を安値に陽線を引く格好だ。個別・業種別では市況関連株が大きく下落する一方、金融株や自動車株に買い。米金利上昇や円相場の弱含みが意識されているとみられる。売買代金上位の値がさグロース(成長)株はやや方向感がつかみづらい。前引けの日経平均が+0.31%なのに対し、東証株価指数(TOPIX)は+0.88%。なお、ここ2日ほどBofA証券のTOPIX先物買い越しが目立っていた。ここまでの東証1部売買代金は1兆4000億円あまりで、株価指数先物・オプション3月物の特別清算指数(SQ)算出日だった先週末11日の後場あたりからやや低調となっている印象を受ける。
新興市場ではマザーズ指数が-1.06%と3日続落。こちらは朝方に一時653.27pt(-16.78pt)まで上昇すると、その後プラス圏に浮上する場面もあったが、買いは続かず失速している。このところ下値で押し目買いが入るものの、米インフレ・金利上昇でグロース色の強い新興株にとってはなお厳しい環境だろう。時価総額トップのメルカリ<4385>など主力IT株は総じて軟調。短期の値幅取りを狙った物色はサイエンスアーツ<4412>のように小型で値動きの軽い銘柄に向かざるを得ない。なお、本日はビジョナル<4194>が決算発表を予定しており、力強い成長が続いているか注視したい。
さて、商品市況の高騰と円安進行で「交易条件の悪化」懸念が広がっていた日本株にとって原油価格の反落は安心材料だが、その理由が中国経済の鈍化懸念となると素直に買いづらいところではあるだろう。また、各種中国株指数や香港ハンセン指数の連日の急落を見ると、単なるロックダウンの影響を意識した売りとは考えづらい。ウクライナ紛争で中国がロシアを援助する意思を示したと一部メディアが報じており、西側諸国の経済制裁が中国にも及ぶことが懸念されているようだ。
また、前日の米市場では金利の上昇も目を引いた。10年物国債利回りは2.13%(+0.14pt)、金融政策の影響を受けやすい2年物は1.86%(+0.11pt)となった。短期金融市場では一時、年内7回のFOMC全てで0.25ptの利上げが行われることを完全に織り込んだという。
ウクライナ紛争により世界経済の先行き不透明感が増すなか、今回のFOMCで参加者らの政策金利見通し(ドットチャート)が市場想定ほど利上げ加速に傾かなければ、短期的なリバーサル(株価の反転)につながる可能性はある。新年度に向けた配当再投資の動き(市場推計で1兆円超)や機関投資家の買い観測も日本株のリバウンドを後押しするかもしれない。
もっとも、供給不安を背景に商品高・インフレ観測は根強いようだ。実際、前日の米市場では原油先物相場が急反落したにもかかわらず、期待インフレ率の指標とされる10年物ブレークイーブン・インフレ率(BEI)は2.93%(-0.01pt)と高水準を維持している。インフレ懸念がくすぶる限り、米連邦準備理事会(FRB)の利上げ加速シナリオも残り続けるだろう。また、1ドル=118円台前半まで円安が進み、17~18日に金融政策決定会合が控える日銀でもいわゆる「為替防衛ライン」が話題となってきそうだ。
中国・上海総合指数や香港ハンセン指数が朝方の売り一巡後に下げ渋っているのはやや安心できる材料だが、本日からのFOMCを前に積極的な売買は手掛けづらいところか。後場の日経平均ももみ合いが続くとみておきたい。
(小林大純)
<AK>
日経平均;25385.11;+77.26TOPIX;1828.26;+15.98
[後場の投資戦略]
本日の日経平均は続伸して前場を折り返したが、ここまで方向感に乏しい展開となっている。日足チャートを見ると、上向きに転じた5日移動平均線が下値を支え、寄り付き直後を安値に陽線を引く格好だ。個別・業種別では市況関連株が大きく下落する一方、金融株や自動車株に買い。米金利上昇や円相場の弱含みが意識されているとみられる。売買代金上位の値がさグロース(成長)株はやや方向感がつかみづらい。前引けの日経平均が+0.31%なのに対し、東証株価指数(TOPIX)は+0.88%。なお、ここ2日ほどBofA証券のTOPIX先物買い越しが目立っていた。ここまでの東証1部売買代金は1兆4000億円あまりで、株価指数先物・オプション3月物の特別清算指数(SQ)算出日だった先週末11日の後場あたりからやや低調となっている印象を受ける。
新興市場ではマザーズ指数が-1.06%と3日続落。こちらは朝方に一時653.27pt(-16.78pt)まで上昇すると、その後プラス圏に浮上する場面もあったが、買いは続かず失速している。このところ下値で押し目買いが入るものの、米インフレ・金利上昇でグロース色の強い新興株にとってはなお厳しい環境だろう。時価総額トップのメルカリ<4385>など主力IT株は総じて軟調。短期の値幅取りを狙った物色はサイエンスアーツ<4412>のように小型で値動きの軽い銘柄に向かざるを得ない。なお、本日はビジョナル<4194>が決算発表を予定しており、力強い成長が続いているか注視したい。
さて、商品市況の高騰と円安進行で「交易条件の悪化」懸念が広がっていた日本株にとって原油価格の反落は安心材料だが、その理由が中国経済の鈍化懸念となると素直に買いづらいところではあるだろう。また、各種中国株指数や香港ハンセン指数の連日の急落を見ると、単なるロックダウンの影響を意識した売りとは考えづらい。ウクライナ紛争で中国がロシアを援助する意思を示したと一部メディアが報じており、西側諸国の経済制裁が中国にも及ぶことが懸念されているようだ。
また、前日の米市場では金利の上昇も目を引いた。10年物国債利回りは2.13%(+0.14pt)、金融政策の影響を受けやすい2年物は1.86%(+0.11pt)となった。短期金融市場では一時、年内7回のFOMC全てで0.25ptの利上げが行われることを完全に織り込んだという。
ウクライナ紛争により世界経済の先行き不透明感が増すなか、今回のFOMCで参加者らの政策金利見通し(ドットチャート)が市場想定ほど利上げ加速に傾かなければ、短期的なリバーサル(株価の反転)につながる可能性はある。新年度に向けた配当再投資の動き(市場推計で1兆円超)や機関投資家の買い観測も日本株のリバウンドを後押しするかもしれない。
もっとも、供給不安を背景に商品高・インフレ観測は根強いようだ。実際、前日の米市場では原油先物相場が急反落したにもかかわらず、期待インフレ率の指標とされる10年物ブレークイーブン・インフレ率(BEI)は2.93%(-0.01pt)と高水準を維持している。インフレ懸念がくすぶる限り、米連邦準備理事会(FRB)の利上げ加速シナリオも残り続けるだろう。また、1ドル=118円台前半まで円安が進み、17~18日に金融政策決定会合が控える日銀でもいわゆる「為替防衛ライン」が話題となってきそうだ。
中国・上海総合指数や香港ハンセン指数が朝方の売り一巡後に下げ渋っているのはやや安心できる材料だが、本日からのFOMCを前に積極的な売買は手掛けづらいところか。後場の日経平均ももみ合いが続くとみておきたい。
(小林大純)
<AK>
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