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ランドコンピュータのニュース
■ランドコンピュータ<3924>の中長期の成長戦略
1. 中長期の成長戦略「Attack100」
中長期の成長戦略「Attack100」では、売上高100億円を早期に達成し、中長期的に売上高営業利益率10%を達成することを目指す。プロジェクトごとに利益率はばらつきがあり、不採算プロジェクトを皆無にすることは現実的ではないものの、内部管理体制を改善すれば、10%の営業利益率の実現は可能と見ている。安定成長事業であるシステムインテグレーション・サービスやインフラソリューション・サービスに比べて、高成長事業であるパッケージベースSI・サービスは、より高い収益性を目指す。2021年3月期はコロナウイルス感染症拡大の影響を考慮し売上減少の見通しになっているが、新設した「DX推進本部」を中心に新たな成長戦略の土台作りを行いながら、コロナウイルス感染症の終息後の高成長事業を目指していく。
2. サービスライン別事業戦略
目標売上高100億円のサービスライン別内訳は、システムインテグレーション・サービスが67億円、インフラソリューション・サービスが15億円、パッケージベースSI・サービスが17億円を計画している。
(1) 安定成長サービスラインの戦略
同社は、システムインテグレーション・サービスとインフラソリューション・サービスを既存・安定成長分野と位置付けている。同分野では得意分野の更なる強化を事業戦略とし、最大の顧客基盤であるメーカー系システムインテグレータとの関係を強化する。具体的には、富士通グループに続く柱として、日立グループ及びNTTデータグループとのビジネスを深耕する。日立グループとは、富士通と異なる分野の案件を手掛けている。NTTデータはアジャイル開発などの先進的で新しい取り組みをしており、積極的に案件に参加することで同社技術者の経験を高めるようにしている。また、ITサービス業界の主要顧客となる金融機関の案件をさらに拡大する。システムインテグレーション・サービスでは、業種別ターゲットとして公共分野を10%までに拡大し、競争の激しい産業・流通のウエイトを落とす。産業・流通、医療、公共の分野では、直ユーザと一括請負化を拡大する。責任は重くなるが、収益性の向上が狙える。
インフラソリューション・サービスでは、ネットワークの多様化と仮想化技術・クラウドへ積極的に対応することで、インフラ人財育成と確保、及びSIサービスと連携して商機を創出する。
(2) 高成長サービスラインの事業戦略
高成長サービスラインは、人員に依存しないビジネスに注力する。高成長の実現を目指すパッケージベースSI・サービスは、Salesforce関連の導入支援やカスタマイズの大型案件を開拓する。また新設した「Salesforce推進室」と連携し、クラウド人財の育成を行い規模拡大を行っていく。新たなシステム・パッケージベンダのシステムインテグレータの開拓では、「クラウド戦略室」を中心に、クラウドコンピューティング・サービスを利用した新たなパッケージを検討している。
(3) M&A戦略
以前は、東証1部への市場指定替えのスケジュールからM&Aが制約されていた。2020年3月期末の現金及び預金は2,168百万円と総資産の39.4%を占めた。流動比率は353.7%と極めて高く、無借金である。M&A戦略としては、同業企業の買収や、特異な技術やパッケージ製品を持つなどの同社の経営リソースと合わせて相乗効果が期待される「掛け算」の買収を企図している。
(4) IT業界の人手不足への対応
厚生労働省が2019年11月に調査した「産業別正社員等労働者過不足判断D.I.」によれば、情報通信業のD.I.指数(=不足−過剰)は同年5月調査の56、同年8月調査の54から52へと若干緩和したものの、調査産業計の37に比べると人手不足感が強い。経済産業省は、現在のIT人材数の約90万人に対し、不足数は約17万人と推計している。人材供給が2019年にピークを付ける一方、IT需要は拡大し続けるため、不足数は2020年に36.9万人、2030年に78.9万人に上ると推計している。
同社にとっても人手があればいくらでも受注が増やせる状況にあるが、業界における人材争奪戦が激化している。新卒採用に関しては、2018年5月の東証1部への指定替えによる好影響を受けている。さらに、従業員のモチベーションを高めるため、次世代リーダー研修を計画している。戦略的な採用計画に基づく優秀な人材の確保をする一方、人財管理本部内に「働き方改革推進室」を新たに設置し、ワーク・ライフ・バランス推進による働きがいのある職場づくりに努める。
3. マネジメント改革
収益向上のため、マネジメント改革を行う。それらは、「見積り精度向上」「プロジェクト品質向上」「不採算プロジェクト撲滅」「組織強化」により構成される。なかでも「見積り精度の向上」を最重要課題としており、プロジェクト完了時の見積り精度評価を実施することで、見積り実績データの蓄積と今後の見積りへのフィードバックをする。「プロジェクト品質の向上」では、プロジェクトの品質管理とプロセスの標準化を推進する。PMO主導により、品質管理や標準化及びプロジェクトマネージャ育成を行い、これにより上級プロジェクトマネージャの知見を同社の管理システムに組み込むことができた。プロジェクトマネジメント力の強化のため、PMP資格の取得推進、ロードマップに沿った組織的なプロジェクトマネージャやプロジェクトリーダーの育成を行う。アジャイル型のパッケージベースSI・サービスであっても、大口案件に関してはウォーターフォール型と同様に要件定義をきっちり行い、不採算プロジェクトの撲滅を図る。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 瀬川 健)
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1. 中長期の成長戦略「Attack100」
中長期の成長戦略「Attack100」では、売上高100億円を早期に達成し、中長期的に売上高営業利益率10%を達成することを目指す。プロジェクトごとに利益率はばらつきがあり、不採算プロジェクトを皆無にすることは現実的ではないものの、内部管理体制を改善すれば、10%の営業利益率の実現は可能と見ている。安定成長事業であるシステムインテグレーション・サービスやインフラソリューション・サービスに比べて、高成長事業であるパッケージベースSI・サービスは、より高い収益性を目指す。2021年3月期はコロナウイルス感染症拡大の影響を考慮し売上減少の見通しになっているが、新設した「DX推進本部」を中心に新たな成長戦略の土台作りを行いながら、コロナウイルス感染症の終息後の高成長事業を目指していく。
2. サービスライン別事業戦略
目標売上高100億円のサービスライン別内訳は、システムインテグレーション・サービスが67億円、インフラソリューション・サービスが15億円、パッケージベースSI・サービスが17億円を計画している。
(1) 安定成長サービスラインの戦略
同社は、システムインテグレーション・サービスとインフラソリューション・サービスを既存・安定成長分野と位置付けている。同分野では得意分野の更なる強化を事業戦略とし、最大の顧客基盤であるメーカー系システムインテグレータとの関係を強化する。具体的には、富士通グループに続く柱として、日立グループ及びNTTデータグループとのビジネスを深耕する。日立グループとは、富士通と異なる分野の案件を手掛けている。NTTデータはアジャイル開発などの先進的で新しい取り組みをしており、積極的に案件に参加することで同社技術者の経験を高めるようにしている。また、ITサービス業界の主要顧客となる金融機関の案件をさらに拡大する。システムインテグレーション・サービスでは、業種別ターゲットとして公共分野を10%までに拡大し、競争の激しい産業・流通のウエイトを落とす。産業・流通、医療、公共の分野では、直ユーザと一括請負化を拡大する。責任は重くなるが、収益性の向上が狙える。
インフラソリューション・サービスでは、ネットワークの多様化と仮想化技術・クラウドへ積極的に対応することで、インフラ人財育成と確保、及びSIサービスと連携して商機を創出する。
(2) 高成長サービスラインの事業戦略
高成長サービスラインは、人員に依存しないビジネスに注力する。高成長の実現を目指すパッケージベースSI・サービスは、Salesforce関連の導入支援やカスタマイズの大型案件を開拓する。また新設した「Salesforce推進室」と連携し、クラウド人財の育成を行い規模拡大を行っていく。新たなシステム・パッケージベンダのシステムインテグレータの開拓では、「クラウド戦略室」を中心に、クラウドコンピューティング・サービスを利用した新たなパッケージを検討している。
(3) M&A戦略
以前は、東証1部への市場指定替えのスケジュールからM&Aが制約されていた。2020年3月期末の現金及び預金は2,168百万円と総資産の39.4%を占めた。流動比率は353.7%と極めて高く、無借金である。M&A戦略としては、同業企業の買収や、特異な技術やパッケージ製品を持つなどの同社の経営リソースと合わせて相乗効果が期待される「掛け算」の買収を企図している。
(4) IT業界の人手不足への対応
厚生労働省が2019年11月に調査した「産業別正社員等労働者過不足判断D.I.」によれば、情報通信業のD.I.指数(=不足−過剰)は同年5月調査の56、同年8月調査の54から52へと若干緩和したものの、調査産業計の37に比べると人手不足感が強い。経済産業省は、現在のIT人材数の約90万人に対し、不足数は約17万人と推計している。人材供給が2019年にピークを付ける一方、IT需要は拡大し続けるため、不足数は2020年に36.9万人、2030年に78.9万人に上ると推計している。
同社にとっても人手があればいくらでも受注が増やせる状況にあるが、業界における人材争奪戦が激化している。新卒採用に関しては、2018年5月の東証1部への指定替えによる好影響を受けている。さらに、従業員のモチベーションを高めるため、次世代リーダー研修を計画している。戦略的な採用計画に基づく優秀な人材の確保をする一方、人財管理本部内に「働き方改革推進室」を新たに設置し、ワーク・ライフ・バランス推進による働きがいのある職場づくりに努める。
3. マネジメント改革
収益向上のため、マネジメント改革を行う。それらは、「見積り精度向上」「プロジェクト品質向上」「不採算プロジェクト撲滅」「組織強化」により構成される。なかでも「見積り精度の向上」を最重要課題としており、プロジェクト完了時の見積り精度評価を実施することで、見積り実績データの蓄積と今後の見積りへのフィードバックをする。「プロジェクト品質の向上」では、プロジェクトの品質管理とプロセスの標準化を推進する。PMO主導により、品質管理や標準化及びプロジェクトマネージャ育成を行い、これにより上級プロジェクトマネージャの知見を同社の管理システムに組み込むことができた。プロジェクトマネジメント力の強化のため、PMP資格の取得推進、ロードマップに沿った組織的なプロジェクトマネージャやプロジェクトリーダーの育成を行う。アジャイル型のパッケージベースSI・サービスであっても、大口案件に関してはウォーターフォール型と同様に要件定義をきっちり行い、不採算プロジェクトの撲滅を図る。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 瀬川 健)
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