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JIG-SAWのニュース
■会社概要と強み
JIG-SAW<3914>は2001年11月に創業し、2015年4月東京証券取引所(以下、東証)マザーズ市場に新規上場(2022年4月の東証市場再編に伴いグロース市場に移行)したインターネットサービスのデータコントロールを主力事業としている企業である。創業当初の事業目的は「セキュアOSの研究開発」であったが、2008年に「顧客のインターネットサービスのシステム監視、障害対応及びフルマネジメントからなる自動運用サービス」へと転換し、2017年に「再生医療分野への取り組み」が事業目的に加えられた。2019年には、同社独自のIoTエンジンである「NEQTO」を核に据えたIoT領域でのワンストップ型サービスへの取り組みが始動し、IoT-OEMライセンスマネージサービスを立ち上げ、2020年12月期より単一セグメントの呼称を、従来の「マネジメントサービス事業」から「データコントロール事業」へと変更している。また、同社のコア技術を応用したプロジェクトとして、再生医療分野や自動運転・自動操縦分野での取り組みを推進している。
「データコントロール事業」は、「システムマネジメントサービス」及び「IoT向け各種サービス」で構成されている。「システムマネジメントサービス」は、インターネット上のサービスやインターネットとつながるすべてのモノが快適かつ安定稼働することをサーバやIoTデバイスの監視・運用等により支援するクラウドオペレーションサービス(ブランド名は「JIG-SAW OPS」)である。同社は、多種多様なシステムの自動監視をできるだけシンプルなサービスとして顧客に提供するために、1) Linux OSの研究技術基盤、2) IoTビッグデータの活用、3) ロボット型オートディレクションプラットフォーム「puzzle」のクラウド提供、4) IoTコネクティングサービス、5) マルチプラットフォームにおけるサポート、6) 国内外4拠点(札幌コントロールセンターN83、札幌コントロールセンターN44、札幌サテライト及び北米トロントコントロールセンター)によるデュアル&BCPマネジメント(24時間365日、各種エンジニアニアが監視・障害対応等を行う)といった武器を駆使しており、業界随一のサービスであると自負している。なお、「システムマネジメントサービス」の事業構造は典型的な固定費ビジネスであり、顧客数の積み上がりが継続課金モデルとあいまって、累積的な売上増加と利益率向上、着実なキャッシュ・フロー創出を可能とする。同社は、これまでの積極投資と自動化の進展によりデータ処理能力を飛躍的に高めつつ、極めて高い契約継続率(97%程度)をベースとする顧客数拡大とアップセル(契約当たり単価の上昇)を両立させており、IoTの進展に伴う今後のインターネットトラフィックの拡大を受けて、同社の収益規模が継続的に拡大する蓋然性は高いと弊社では見ている。そして、「システムマネジメントサービス」が創出するキャッシュ・フローが、同社の強みである積極的な事業投資の持続性を担保しているのである。
「IoT向け各種サービス」は、IoTに必要な機能をパッケージ化した包括的なIoTソリューション「NEQTO」を提供しており、「IoT-OEMライセンスマネージ」と「IoTデータコントロール」に分類される。「IoT-OEMライセンスマネージ」は、同社独自の組み込みIoTエンジン「NEQTO」のOEMライセンスをグローバルに提供する事業であり、デバイスへの組み込みや製品の販売は顧客自身やパートナー企業が行うことになる。一方で「IoTデータコントロール」は、同社が開発したコアシステムである「NEQTO Console」等を活用し、エッジとクラウド間におけるデータの双方向通信(収集、生成、転送、認識、収納等)とIoTデバイスの制御・管理を行うサービスである。「IoT向け各種サービス」の料金体系は、同社が提供するライセンスとサポートに応じた完全継続課金モデル(売り切り型ではなくサブスクリプション型)である。一般論ではあるが、IoTデバイスは製品単価が低い一方で稼働年数は長いとされている。つまり、この領域で収益性を高めるためには売り切り型ではない事業モデルの構築が必須となることから、同社のサービス提供のあり方は高く評価できる。
同社の強みは、コアコンピタンスである「基盤コア技術」を応用し、中長期的な視点でビジネスをデザインできる経営力にある。具体的には、1) ストック型・継続課金モデルの事業展開、2) 独自の基盤技術をベースにしたオリジナルだからこその柔軟性・拡張性、3) M&Aを含むパートナー戦略、4) 良好な収益性と財務体質を生かした事業投資戦略、などがある。同社はその強みを生かし、A&A及びE2Eというコンセプトの下、あらゆる種類の自動マネジメントサービスをクラウドサーバや物理サーバ、IoTデバイス及びネットワーク機器まで、通信・ネットワークの全体(IoE市場)を対象に提供していくことを目指している。A&Aは“自動検知及び自動制御”を意味するが、A&Aコンセプトを追求することで高品質かつリーズナブルなサービスをスケーラブルに顧客に提供することが可能となる。また、E2Eは“端から端まで”を意味するが、E2Eコンセプトを追求することでインターネットをはじめとするネットワーク上のすべて(IoE市場)がサービス対象となることから、顧客から見れば利便性の高いワンストップ無人オペレーションが提供されることになる。
同社の「システムマネジメントサービス」の主な対象であるサーバ・クラウドシステムは、言わばインターネットデータの格納先である。一方、「IoT向け各種サービス」の事業対象であるIoTデバイスは、インターネットデータの発生源と言え、その「マシンが生み出すデータ」は最終的にサーバ・クラウドシステムという格納先に流れ込むことになる。つまり、同社が取り組むIoT領域での本格展開は、将来的に市場拡大が見込まれる分野への参入にとどまらず、既存ビジネス領域の拡大にもつながる事業戦略と言える。指数関数的な爆発的成長を目指す同社は、既存のインターネットデータ及びマシンのインターネットデータの発生源と格納先を事業対象とする進化形の継続課金型ビジネスモデルの構築を実現したと弊社では考えている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 前田吉弘)
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JIG-SAW<3914>は2001年11月に創業し、2015年4月東京証券取引所(以下、東証)マザーズ市場に新規上場(2022年4月の東証市場再編に伴いグロース市場に移行)したインターネットサービスのデータコントロールを主力事業としている企業である。創業当初の事業目的は「セキュアOSの研究開発」であったが、2008年に「顧客のインターネットサービスのシステム監視、障害対応及びフルマネジメントからなる自動運用サービス」へと転換し、2017年に「再生医療分野への取り組み」が事業目的に加えられた。2019年には、同社独自のIoTエンジンである「NEQTO」を核に据えたIoT領域でのワンストップ型サービスへの取り組みが始動し、IoT-OEMライセンスマネージサービスを立ち上げ、2020年12月期より単一セグメントの呼称を、従来の「マネジメントサービス事業」から「データコントロール事業」へと変更している。また、同社のコア技術を応用したプロジェクトとして、再生医療分野や自動運転・自動操縦分野での取り組みを推進している。
「データコントロール事業」は、「システムマネジメントサービス」及び「IoT向け各種サービス」で構成されている。「システムマネジメントサービス」は、インターネット上のサービスやインターネットとつながるすべてのモノが快適かつ安定稼働することをサーバやIoTデバイスの監視・運用等により支援するクラウドオペレーションサービス(ブランド名は「JIG-SAW OPS」)である。同社は、多種多様なシステムの自動監視をできるだけシンプルなサービスとして顧客に提供するために、1) Linux OSの研究技術基盤、2) IoTビッグデータの活用、3) ロボット型オートディレクションプラットフォーム「puzzle」のクラウド提供、4) IoTコネクティングサービス、5) マルチプラットフォームにおけるサポート、6) 国内外4拠点(札幌コントロールセンターN83、札幌コントロールセンターN44、札幌サテライト及び北米トロントコントロールセンター)によるデュアル&BCPマネジメント(24時間365日、各種エンジニアニアが監視・障害対応等を行う)といった武器を駆使しており、業界随一のサービスであると自負している。なお、「システムマネジメントサービス」の事業構造は典型的な固定費ビジネスであり、顧客数の積み上がりが継続課金モデルとあいまって、累積的な売上増加と利益率向上、着実なキャッシュ・フロー創出を可能とする。同社は、これまでの積極投資と自動化の進展によりデータ処理能力を飛躍的に高めつつ、極めて高い契約継続率(97%程度)をベースとする顧客数拡大とアップセル(契約当たり単価の上昇)を両立させており、IoTの進展に伴う今後のインターネットトラフィックの拡大を受けて、同社の収益規模が継続的に拡大する蓋然性は高いと弊社では見ている。そして、「システムマネジメントサービス」が創出するキャッシュ・フローが、同社の強みである積極的な事業投資の持続性を担保しているのである。
「IoT向け各種サービス」は、IoTに必要な機能をパッケージ化した包括的なIoTソリューション「NEQTO」を提供しており、「IoT-OEMライセンスマネージ」と「IoTデータコントロール」に分類される。「IoT-OEMライセンスマネージ」は、同社独自の組み込みIoTエンジン「NEQTO」のOEMライセンスをグローバルに提供する事業であり、デバイスへの組み込みや製品の販売は顧客自身やパートナー企業が行うことになる。一方で「IoTデータコントロール」は、同社が開発したコアシステムである「NEQTO Console」等を活用し、エッジとクラウド間におけるデータの双方向通信(収集、生成、転送、認識、収納等)とIoTデバイスの制御・管理を行うサービスである。「IoT向け各種サービス」の料金体系は、同社が提供するライセンスとサポートに応じた完全継続課金モデル(売り切り型ではなくサブスクリプション型)である。一般論ではあるが、IoTデバイスは製品単価が低い一方で稼働年数は長いとされている。つまり、この領域で収益性を高めるためには売り切り型ではない事業モデルの構築が必須となることから、同社のサービス提供のあり方は高く評価できる。
同社の強みは、コアコンピタンスである「基盤コア技術」を応用し、中長期的な視点でビジネスをデザインできる経営力にある。具体的には、1) ストック型・継続課金モデルの事業展開、2) 独自の基盤技術をベースにしたオリジナルだからこその柔軟性・拡張性、3) M&Aを含むパートナー戦略、4) 良好な収益性と財務体質を生かした事業投資戦略、などがある。同社はその強みを生かし、A&A及びE2Eというコンセプトの下、あらゆる種類の自動マネジメントサービスをクラウドサーバや物理サーバ、IoTデバイス及びネットワーク機器まで、通信・ネットワークの全体(IoE市場)を対象に提供していくことを目指している。A&Aは“自動検知及び自動制御”を意味するが、A&Aコンセプトを追求することで高品質かつリーズナブルなサービスをスケーラブルに顧客に提供することが可能となる。また、E2Eは“端から端まで”を意味するが、E2Eコンセプトを追求することでインターネットをはじめとするネットワーク上のすべて(IoE市場)がサービス対象となることから、顧客から見れば利便性の高いワンストップ無人オペレーションが提供されることになる。
同社の「システムマネジメントサービス」の主な対象であるサーバ・クラウドシステムは、言わばインターネットデータの格納先である。一方、「IoT向け各種サービス」の事業対象であるIoTデバイスは、インターネットデータの発生源と言え、その「マシンが生み出すデータ」は最終的にサーバ・クラウドシステムという格納先に流れ込むことになる。つまり、同社が取り組むIoT領域での本格展開は、将来的に市場拡大が見込まれる分野への参入にとどまらず、既存ビジネス領域の拡大にもつながる事業戦略と言える。指数関数的な爆発的成長を目指す同社は、既存のインターネットデータ及びマシンのインターネットデータの発生源と格納先を事業対象とする進化形の継続課金型ビジネスモデルの構築を実現したと弊社では考えている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 前田吉弘)
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