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ティーケーピーのニュース
*13:01JST TKP Research Memo(1):2024年2月期上期は貸会議室・懇親会需要の回復により、大幅増益を実現
■要約
ティーケーピー<3479>(以下、TKP)は、貸会議室ビジネスを起点とした「空間再生流通事業」を展開している。不動産オーナーから遊休不動産等を大口(割安)で仕入れ、会議室や宴会場などに「空間」を「再生」し、それを法人に小口で販売・シェアリングを行う独自のビジネスモデルに特徴がある。遊休不動産の有効活用を図りたい不動産オーナーと、低コストで効率的に会議室を利用したい法人のニーズを結び付けるところに新たな市場を創出し、高い成長性を実現してきた。国内の主要都市に231拠点・1,926室(約14万坪)と幅広く展開し、顧客基盤は3万社以上に上る(2023年8月末時点)。
2021年2月期以降、新型コロナウイルス感染症拡大(以下、コロナ禍)の影響により業績は一旦後退し、新規出店等も抑えてきたが、足元業績は回復基調にあり、事業拡大に向けた出店再開や大型増床など成長回帰に向けて本格的に動き始めた。
1. 2024年2月期上期の決算
2024年2月期上期の連結業績は、売上高が前年同期比30.8%減の17,750百万円、営業利益が同43.1%増の2,758百万円と、売上高はリージャス事業の売却※により減収となるも、需要回復に伴い大幅な増益を実現した(経常利益以下は過去最高更新)。リージャス事業の売却による影響を除く売上高は、コロナ禍の収束に伴う貸会議室・懇親会需要の回復、宿泊売上高の伸びなどにより増収を確保した。一方、損益面では、事業拡大に向けた先行費用(新規出店、採用強化等)を積極投入しながらも、「坪当たり売上高」の伸びなどが増益に寄与した。また、最大テーマである仕入れ面(スペースの確保)でも、7施設の新規出店や大型増床などにより、年間目標1万坪を早くも達成することができた。さらには、スペースソリューション事業などで実績のあるリリカラ<9827>の持分法適用関連会社化、独自メソッドによる組織コンサルティングなどを手掛ける識学<7049>との資本業務提携など、付加価値向上(ソフト領域の拡充)に向けても一定の成果をあげることができた。
※2023年2月1日付けでレンタルオフィス「Regus」等を展開する日本リージャスホールディングス( 株 )(以下、日本リージャス)及び臺北雷格斯企業管理諮詢股フン有限公司(以下、台湾リージャス)の全株式(以下、リージャス事業)を売却。
2. 2024年2月期の連結業績予想
2024年2月期の連結業績について同社は、期初予想を据え置き、売上高を前期比28.1%減の36,300百万円、営業利益を同51.0%増の5,400百万円と、通期でもリージャス事業の売却により減収となる一方、損益面では大幅の増益を見込んでいる。売上高はリージャス事業の売却による影響を除くと、約20%の増収を確保する計画である。貸会議室・宿泊需要が回復基調にあるなかで、東京・大阪のビジネス地区を中心に新規出店・既存施設の増床を積極化する方針であり、会議室面積で1万坪増を目指す(既に達成済み)。損益面でも、筋肉質な収益体質への転換(損益分岐点の引き下げ)を進めてきたところに、増収効果が重なることで大幅な増益を実現し、営業利益率も14.9%(前期は7.1%)に大きく改善する想定となっている。
3. 中期経営計画
同社は、リージャス事業の売却に踏み切ったことや貸会議室・宿泊需要の回復が進んできたこと、仕入れ環境も追い風に向かっていることを踏まえ、コロナ禍収束後(以下、アフターコロナ)を見据えた、中期経営計画(3ヶ年)を今期より推進している。貸会議室の床面積を積極拡大しながら周辺事業を取り込み、シェアの拡大と対象市場の拡張を図るとともに、経営効率の最適化にも注力する方針である。最終年度である2026年2月期の目標として、売上高575億円、営業利益94億円(営業利益率16.3%)を掲げており、過去最高の業績水準を更新していく計画となっている。
■Key Points
・2024年2月期上期は、リージャス事業の売却により減収となるも、コロナ禍の収束に伴う貸会議室・懇親会需要の回復により大幅な増益を実現
・仕入れ面でも、7施設の新規出店や大型増床等により年間目標1万坪増を達成
・2024年2月期の業績予想を据え置き、通期でも大幅な増益を見込む
・中期経営計画では、貸会議室の床面積を積極拡大しながら周辺事業を取り込み、シェア拡大と対象市場の拡張を図り、過去最高の業績水準を更新していく方針
(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田郁夫)
<SI>
ティーケーピー<3479>(以下、TKP)は、貸会議室ビジネスを起点とした「空間再生流通事業」を展開している。不動産オーナーから遊休不動産等を大口(割安)で仕入れ、会議室や宴会場などに「空間」を「再生」し、それを法人に小口で販売・シェアリングを行う独自のビジネスモデルに特徴がある。遊休不動産の有効活用を図りたい不動産オーナーと、低コストで効率的に会議室を利用したい法人のニーズを結び付けるところに新たな市場を創出し、高い成長性を実現してきた。国内の主要都市に231拠点・1,926室(約14万坪)と幅広く展開し、顧客基盤は3万社以上に上る(2023年8月末時点)。
2021年2月期以降、新型コロナウイルス感染症拡大(以下、コロナ禍)の影響により業績は一旦後退し、新規出店等も抑えてきたが、足元業績は回復基調にあり、事業拡大に向けた出店再開や大型増床など成長回帰に向けて本格的に動き始めた。
1. 2024年2月期上期の決算
2024年2月期上期の連結業績は、売上高が前年同期比30.8%減の17,750百万円、営業利益が同43.1%増の2,758百万円と、売上高はリージャス事業の売却※により減収となるも、需要回復に伴い大幅な増益を実現した(経常利益以下は過去最高更新)。リージャス事業の売却による影響を除く売上高は、コロナ禍の収束に伴う貸会議室・懇親会需要の回復、宿泊売上高の伸びなどにより増収を確保した。一方、損益面では、事業拡大に向けた先行費用(新規出店、採用強化等)を積極投入しながらも、「坪当たり売上高」の伸びなどが増益に寄与した。また、最大テーマである仕入れ面(スペースの確保)でも、7施設の新規出店や大型増床などにより、年間目標1万坪を早くも達成することができた。さらには、スペースソリューション事業などで実績のあるリリカラ<9827>の持分法適用関連会社化、独自メソッドによる組織コンサルティングなどを手掛ける識学<7049>との資本業務提携など、付加価値向上(ソフト領域の拡充)に向けても一定の成果をあげることができた。
※2023年2月1日付けでレンタルオフィス「Regus」等を展開する日本リージャスホールディングス( 株 )(以下、日本リージャス)及び臺北雷格斯企業管理諮詢股フン有限公司(以下、台湾リージャス)の全株式(以下、リージャス事業)を売却。
2. 2024年2月期の連結業績予想
2024年2月期の連結業績について同社は、期初予想を据え置き、売上高を前期比28.1%減の36,300百万円、営業利益を同51.0%増の5,400百万円と、通期でもリージャス事業の売却により減収となる一方、損益面では大幅の増益を見込んでいる。売上高はリージャス事業の売却による影響を除くと、約20%の増収を確保する計画である。貸会議室・宿泊需要が回復基調にあるなかで、東京・大阪のビジネス地区を中心に新規出店・既存施設の増床を積極化する方針であり、会議室面積で1万坪増を目指す(既に達成済み)。損益面でも、筋肉質な収益体質への転換(損益分岐点の引き下げ)を進めてきたところに、増収効果が重なることで大幅な増益を実現し、営業利益率も14.9%(前期は7.1%)に大きく改善する想定となっている。
3. 中期経営計画
同社は、リージャス事業の売却に踏み切ったことや貸会議室・宿泊需要の回復が進んできたこと、仕入れ環境も追い風に向かっていることを踏まえ、コロナ禍収束後(以下、アフターコロナ)を見据えた、中期経営計画(3ヶ年)を今期より推進している。貸会議室の床面積を積極拡大しながら周辺事業を取り込み、シェアの拡大と対象市場の拡張を図るとともに、経営効率の最適化にも注力する方針である。最終年度である2026年2月期の目標として、売上高575億円、営業利益94億円(営業利益率16.3%)を掲げており、過去最高の業績水準を更新していく計画となっている。
■Key Points
・2024年2月期上期は、リージャス事業の売却により減収となるも、コロナ禍の収束に伴う貸会議室・懇親会需要の回復により大幅な増益を実現
・仕入れ面でも、7施設の新規出店や大型増床等により年間目標1万坪増を達成
・2024年2月期の業績予想を据え置き、通期でも大幅な増益を見込む
・中期経営計画では、貸会議室の床面積を積極拡大しながら周辺事業を取り込み、シェア拡大と対象市場の拡張を図り、過去最高の業績水準を更新していく方針
(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田郁夫)
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