【井川純一の今夜も兜町で一杯】秋の低位株祭り、実は開催中なんです

　今日１１月１８日（金曜日）の日経平均株価は、１０４円銭７８銭高の１万７９６７円４１銭と３日続伸。一時、１万８０００円を奪回したんですが、まっ週末ですし、そりゃ利益確定売りも出るわね。安倍・トランプ会談も、平穏無事に終了したようで株価も上昇。正直、なんにもおこらず、少々期待外れではあります。為替は、ついに１１０円台に突入、為替担当記者曰く「なんだか、さっぱり分からん」。まっ、それが本音だろうねぇ。

　「トランプ相場」の陰に隠れて、実は「秋の低位株祭り」が開催されている。知人から今朝、「森の石松、見たかよ？」と電話が入った。当然のことながら意味不明なので、「はぁ？」と、訝（いぶか）しい声を上げた。「アホか、森の石松と言えば、“あれ”に決まってるだろ」と続ける。再び「はぁ？」と声を出す。まったくもって、昔から回りくどくて面倒な奴なのだ。

　正解は、「森の石松と言えば、エンシュウ<6218.T>だろが」とおっしゃる。遠州森の石松と言えば清水次郎長の子分と伝えられるが、それでエンシュウとは、あまりにベタすぎて、笑う気にもならない。こちとらがジジイだから良いようなものの、今の世のなか、どのくらいの人間が森の石松からエンシュウを連想できるのだろうか、分かってないよなぁ。が、株価は今日もストップ高で火柱状態、たったの２日間で株価は約２倍となった。実は、昨日ちらっとエンシュウの株が上がっていると耳にしたのだが、忙しさにかまけてチェックしていなかったのだが、まったくもって凄いの一言だ。

　ここ数日、トランプ相場がハヤされ日経平均が上がるなか、低位株物色も進んでいるのだ。エンシュウをはじめ、宮地エンジニアリンググループ<3431.T>などもその一つ。主力株と低位株の両輪が回る日本市場、なんだか悪い気分ではない。とは言え、低位株は足が早い（腐りやすい）のも事実で危険もはらんでいる。それでも個人投資家は低位株が大好物で、腕自慢がこういった銘柄に参戦してくる。

　知人の投資家に“大の低位株好き”が一人いる。「でかい銘柄買って、ちんたらやっていても儲からない」というのが言い分だったが、彼の口から大儲けしたという話は、一度も聞いたことはない。それでも、見栄っ張りで時々会うと、「きょうは儲かったからおごってやろうか」という。どう見ても彼の懐が温かいような気がしないので、毎度安い居酒屋でホッピーと焼鳥数本だけ、ご馳走になる。

　まっ、人の分だけ相場手法はある。彼がそれでいいのなら、ケチのつけようがない。秋の低位株祭り、いまごろ意気揚々と相場を見つめているのだろうか。ただ彼には重大な問題点がある。なんといっても、相場が下手なんだよねぇ。
《ＫＣ》

出所：株経ONLINE（株式会社みんかぶ）