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エレマテックのニュース
■業績の動向
1. 2019年3月期第2四半期決算の概要
エレマテック<2715>の2019年3月期第2四半期決算は、売上高89,619百万円(前年同期比13.9%減)、営業利益3,048百万円(同8.9%減)、経常利益2,926百万円(同5.7%減)、親会社株主に帰属する四半期純利益2,125百万円(同2.3%減)と、減収減益となった。
同社は通期ベースで業績予想を管理しているため第2四半期の期初予想との比較はないが、後述するように第2四半期におけるスマートフォン関連商材の売上高の減収幅が大きかったことから、売上高については計画より若干低かったと弊社では推測している。一方利益については、スマートフォン関連部材に比べ利益率が高いAutomotiveやBroad Marketが増収となったことから売上高未達による利益への影響は限定的で、ほぼ計画線での着地だったとみている。
前期に引き続き2019年3月期第2四半期もIoT関連需要や産業用機械の需要の増大、自動車の電装化率上昇などを追い風に電子部品等の生産は好調だった。一方でスマートフォン市場は世界最大市場である中国での普及一巡に象徴される市場の成熟化の影響もあり低調な推移となった。こうした市場環境のなか、幅広い商材を扱う同社の販売動向も市場全体と相似形の動きとなった。また、2019年3月期第2四半期に予定していた一部製品の納入が下期にずれ込んだことも影響した。これらの結果、売上高は前年同期比13.9%(14,515百万円)の減収となった。
一方利益面では、売上総利益率が前年同期の9.3%から2019年3月期第2四半期は10.2%に0.9%ポイント改善したものの、売上高が減収となったため売上総利益の実額では前年同期比5.7%(556百万円)の減益となった。販管費は売上高の減収に伴う荷造運賃の減少や貸倒引当金繰入額の減少などで2019年3月期第2四半期は前年同期比4.1%(258百万円)減少したが売上総利益の減益を吸収するには至らず、営業利益は前年同期比8.9%(297百万円)減少した。
売上総利益率の改善の理由はプロダクトミクス(製品ミクス)の改善が主因だ。具体的には、同社の中では相対的に利益率が高いAutomotiveやBroad Marketの売上が前年同期比で増収となって売上構成比が上昇した一方、利益率が低いDigital Electronicsが減収となって売上構成比が低下したためだ。
同社の2019年3月期第2四半期について、弊社ではポジティブに評価できる内容だったと考えている。前期に大きく減少したDigital Electronics部門の売上高がさらに30.3%もの減収となった分をAutomotiveとBroad Marketが2ケタ増収となってそれをカバーし、利益面では計画どおりで着地したということがその理由だ。2018年3月期から2019年3月期にかけては、過去に同社が実現してきた次の成長市場への移行期に当たり、同社は多数の取引先と商材を抱えているという強みを存分に発揮したのが2019年3月期第2四半期決算だったと言えるだろう。
スマートフォン関連部材の減収影響を自動車関連需要や一般産業向けの多彩な商材の拡販で吸収
2. マーケット別動向
Digital Electronicsの売上高は前年同期比30.3%(19,520百万円)減の44,817百万円だった。その内訳を見ると、主たる最終需要先がスマートフォン・タブレットとみられる液晶・TP・BL(TPはタッチパネル、BLはバックライトを表す)の売上高が同19,265百万円の減収となり、Digital Electronics部門全体の減収をほぼ説明する形となった。前述のように、スマートフォン市場が成熟化した結果、同社が部材を供給するパネルメーカーの製品が売れ筋のスマートフォンに採用されるかどうか、あるいは納入先のスマートフォンの販売動向によって、同社の売上に大きな差が出るようになってきており、2019年3月期第2四半期決算もそうした状況を如実に表している。なお、液晶・TP・BLの採算性はここ数年低下してきており、売上高に比べて利益へのインパクトは軽微だったとみられる。
Automotiveの売上高は前年同期比17.9%(2,029百万円)増の13,359百万円となった。全社売上高に占める割合は一段と上昇して14.9%となった。同社のAutomotiveはヘッドライト部材、内装用部材、センサー類、モータ類、各種電子部品など多岐にわたっている。2019年3月期第2四半期はヒーター、モータ、センサーなどが売上を伸ばした模様だ。また、自動車に直接使用される部品のほかにも車載品向けの部材なども数多く含まれている。典型的な自動車ビジネスのイメージは一次部品メーカーに対して量産モデル用に特定のパーツを大量に納入するといったものだが、同社はそこに向けて取り組んでいるものの、現状は前述のように多品種を多方面に納入している段階だ。しかしながらそれが結果として相対的に高い利益率につながっているのではないかと弊社ではみている。
Broad Marketの売上高は前年同期比10.5%(2,976百万円)増の31,442百万円となった。その内訳としてはアフターマーケットが同2,252百万円の増収となり、Broad Marketの増収額の約4分の3を占めた。アフターマーケットは業種や業界に基づくネーミングではなく、自動車用品販売店で売られる後付けのカーナビを“アフターマーケット品”と呼ぶのと同じ意味でのネーミングだ。したがって自動車用品の割合が高いとみられる(ただしそれに限定されるわけではない)。前期は自動車付属品などが伸長したが2019年3月期第2四半期もその動きは続いている模様だ。それ以外では医療機器向け商材が売上を伸ばした。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 浅川裕之)
<RF>
1. 2019年3月期第2四半期決算の概要
エレマテック<2715>の2019年3月期第2四半期決算は、売上高89,619百万円(前年同期比13.9%減)、営業利益3,048百万円(同8.9%減)、経常利益2,926百万円(同5.7%減)、親会社株主に帰属する四半期純利益2,125百万円(同2.3%減)と、減収減益となった。
同社は通期ベースで業績予想を管理しているため第2四半期の期初予想との比較はないが、後述するように第2四半期におけるスマートフォン関連商材の売上高の減収幅が大きかったことから、売上高については計画より若干低かったと弊社では推測している。一方利益については、スマートフォン関連部材に比べ利益率が高いAutomotiveやBroad Marketが増収となったことから売上高未達による利益への影響は限定的で、ほぼ計画線での着地だったとみている。
前期に引き続き2019年3月期第2四半期もIoT関連需要や産業用機械の需要の増大、自動車の電装化率上昇などを追い風に電子部品等の生産は好調だった。一方でスマートフォン市場は世界最大市場である中国での普及一巡に象徴される市場の成熟化の影響もあり低調な推移となった。こうした市場環境のなか、幅広い商材を扱う同社の販売動向も市場全体と相似形の動きとなった。また、2019年3月期第2四半期に予定していた一部製品の納入が下期にずれ込んだことも影響した。これらの結果、売上高は前年同期比13.9%(14,515百万円)の減収となった。
一方利益面では、売上総利益率が前年同期の9.3%から2019年3月期第2四半期は10.2%に0.9%ポイント改善したものの、売上高が減収となったため売上総利益の実額では前年同期比5.7%(556百万円)の減益となった。販管費は売上高の減収に伴う荷造運賃の減少や貸倒引当金繰入額の減少などで2019年3月期第2四半期は前年同期比4.1%(258百万円)減少したが売上総利益の減益を吸収するには至らず、営業利益は前年同期比8.9%(297百万円)減少した。
売上総利益率の改善の理由はプロダクトミクス(製品ミクス)の改善が主因だ。具体的には、同社の中では相対的に利益率が高いAutomotiveやBroad Marketの売上が前年同期比で増収となって売上構成比が上昇した一方、利益率が低いDigital Electronicsが減収となって売上構成比が低下したためだ。
同社の2019年3月期第2四半期について、弊社ではポジティブに評価できる内容だったと考えている。前期に大きく減少したDigital Electronics部門の売上高がさらに30.3%もの減収となった分をAutomotiveとBroad Marketが2ケタ増収となってそれをカバーし、利益面では計画どおりで着地したということがその理由だ。2018年3月期から2019年3月期にかけては、過去に同社が実現してきた次の成長市場への移行期に当たり、同社は多数の取引先と商材を抱えているという強みを存分に発揮したのが2019年3月期第2四半期決算だったと言えるだろう。
スマートフォン関連部材の減収影響を自動車関連需要や一般産業向けの多彩な商材の拡販で吸収
2. マーケット別動向
Digital Electronicsの売上高は前年同期比30.3%(19,520百万円)減の44,817百万円だった。その内訳を見ると、主たる最終需要先がスマートフォン・タブレットとみられる液晶・TP・BL(TPはタッチパネル、BLはバックライトを表す)の売上高が同19,265百万円の減収となり、Digital Electronics部門全体の減収をほぼ説明する形となった。前述のように、スマートフォン市場が成熟化した結果、同社が部材を供給するパネルメーカーの製品が売れ筋のスマートフォンに採用されるかどうか、あるいは納入先のスマートフォンの販売動向によって、同社の売上に大きな差が出るようになってきており、2019年3月期第2四半期決算もそうした状況を如実に表している。なお、液晶・TP・BLの採算性はここ数年低下してきており、売上高に比べて利益へのインパクトは軽微だったとみられる。
Automotiveの売上高は前年同期比17.9%(2,029百万円)増の13,359百万円となった。全社売上高に占める割合は一段と上昇して14.9%となった。同社のAutomotiveはヘッドライト部材、内装用部材、センサー類、モータ類、各種電子部品など多岐にわたっている。2019年3月期第2四半期はヒーター、モータ、センサーなどが売上を伸ばした模様だ。また、自動車に直接使用される部品のほかにも車載品向けの部材なども数多く含まれている。典型的な自動車ビジネスのイメージは一次部品メーカーに対して量産モデル用に特定のパーツを大量に納入するといったものだが、同社はそこに向けて取り組んでいるものの、現状は前述のように多品種を多方面に納入している段階だ。しかしながらそれが結果として相対的に高い利益率につながっているのではないかと弊社ではみている。
Broad Marketの売上高は前年同期比10.5%(2,976百万円)増の31,442百万円となった。その内訳としてはアフターマーケットが同2,252百万円の増収となり、Broad Marketの増収額の約4分の3を占めた。アフターマーケットは業種や業界に基づくネーミングではなく、自動車用品販売店で売られる後付けのカーナビを“アフターマーケット品”と呼ぶのと同じ意味でのネーミングだ。したがって自動車用品の割合が高いとみられる(ただしそれに限定されるわけではない)。前期は自動車付属品などが伸長したが2019年3月期第2四半期もその動きは続いている模様だ。それ以外では医療機器向け商材が売上を伸ばした。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 浅川裕之)
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