＜話題の焦点＞＝テレビＣＭで認知アップ、「ゆう活」効果に期待

　仕事を終えたビジネスマンが、同僚に見送られて会社をスキーのジャンプで飛び出し、夕暮れの街を滑空して映画館に着地する――そんなテレビＣＭをご覧になったことがあるだろうか。スキーで夕暮れの街を滑空するのは、史上最多となる７回の冬季オリンピックに出場し、今なお一線級の選手として活躍するスキージャンプの葛西紀明選手。これは安倍晋三政権肝煎りの「ゆう活」のテレビＣＭの一コマだ。

　「ゆう活」とは、「夕方を楽しく活かす働き方」という意味で、国家公務員を対象に８月末まで勤務時間を１～２時間前倒しするというもの。「日照時間が長い夏に、朝早い時間に仕事を始め、早めに仕事を終えることで、まだ明るい夕方の時間を有効に活用し、生活を豊かにしようという取組」（政府広報ＨＰ）で、夕方の時間を家族や友人と時間を楽しんだり、自己啓発に活用するなどに当てようと提案している。

　「ゆう活」には、国家公務員約５１万人のうち、窓口職員や自衛官を除く約２２万人が参加しているほか、民間企業にも導入を働きかけるという。長時間労働が習慣となっている日本人にとってどれほどの効果があるかは不明ながら、早朝と夕方の時間帯に、これまでとは異なる人の動きが出ることで、小売りやサービス業界などには新たな需要が創出されることになる。この恩恵を享受する銘柄も出てくるとみられ、関連銘柄には注目しておきたい。

◆主な「ゆう活」関連銘柄

　銘柄<コード>　　　　　　「ゆう活」との関連

コシダカＨＤ<2157.T>　　カラオケ、フィットネスを展開し、双方とも「ゆう活」による恩恵に期待
極楽湯<2340.T>　　　　　夕方以降、家族や友人と一緒にスーパー銭湯へ行く人が増える可能性あり
ＢＢＴ<2464.T>　　　　　「ゆう活」で自己啓発や社会人教育の講座・プログラム受講者増に期待
ゲオＨＤ<2681.T>　　　　帰宅時間が早まることで家族や友人とレンタルＤＶＤ鑑賞などが増える可能性あり
ＴＡＣ<4319.T>　　　　　退社時間が早まることで「資格の学校」の受講者増加への期待膨らむ
リンクバル<6046.T>　　　退社時間が早まることで「街コン」参加者が増えればメリットが波及
第一興商<7458.T>　　　　仕事帰りにカラオケに行く人が増えれば同社へのメリットは大
楽天地<8842.T>　　　　　映画館、スーパー銭湯などを運営しており、「ゆう活」による利用者増に期待


出所：株経通信（株式会社みんかぶ）