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―25年大学共通テストでプログラミング導入へ、産業界と教育界連携による取り組み加速―
独立行政法人大学入試センターは3月24日、高等学校学習指導要領に対応した2025年の大学入学共通テストからの出題教科・科目の再編案を公表した。大学入学共通テストは大学に入学を志願する者の大学教育を受けるために必要な能力について把握することを目的としており、大学が共同して実施する試験だ。大学入学共通テストの出題教科・科目は、文部科学省において、高校及び大学関係者などの協議を経て最終的に決定されることになる。
22年4月から実施される高校の新学習指導要領では、全ての高校生がプログラミング、ネットワーク、データベースの基礎などについて学習する共通必履修科目「情報I」が必修となるほか、今回公表した25年からの共通テストでも、新教科としてプログラミングを含む「情報」が出題される。
●AI・ビッグデータ時代に教育も変わる
未来投資戦略「Society5.0」「データ駆動型社会」への変革(18年閣議決定)では、「義務教育終了段階での高い理数能力を、文系・理系を問わず、大学入学以降も伸ばしていけるよう、大学入学共通テストにおいて、国語、数学、英語のような基礎的な科目として必履修科目「情報I」(コンピュータの仕組み、プログラミング等)を追加する」と掲げられている。こうした背景もあり、必履修科目「情報I」の内容が「情報」として出題される。同時に公表されたサンプル問題では、IPv4方式のIPアドレスや比例代表選挙の当選者を決定する仕組みとして各政党に配分する議席数(当選者数)を決める方法、サッカーW杯の反則やパスの回数を分析した表を示し、決勝進出チームと予選敗退チームの違いを考えさせる問題が示されており、データ活用に関する基本的な理解や考察力を測る明確な意図がみえる。
人工知能(AI)やビッグデータ活用の需要が高まるなか、データサイエンスや最新のデジタル技術に関する教育を実施する事例が増加しており、先端IT人材供給力の強化に関しては、大学などの教育機関による先端IT人材供給力を高めることが必要となる。
●産業界と教育界の連携でIT人材育成へ
なお、経済産業省が公表したIT人材需給に関する調査報告書によると、教育界における取り組みだけではなく、産業界と教育界が連携することにより、先端IT人材を育成していくための取り組みを進めていくことが重要としている。そうしたなか、ソフトバンクグループ <9984> は、グループのSB C&SがSTEAM・ICT・プログラミングの教育スクールSTELABOを運営。ロボットエンジニアとしてPepperのプログラミングに挑戦する体験教室を各地で開催。暗記型学習ではなく、覚えた知識を元に、ものを作り、試し、工夫を凝らすことで、「知識」を深めるとともに、「創造性」や「表現力」の育成を目指す。
先端IT人材の需要増が予見されるなか、対応が十分に実現されない場合、日本企業における高度なIT活用やデジタルトランスフォーメーション(DX)の促進を阻害することにつながる可能性もある。人材育成の重要性が従来の比にならないほど高まってきているなかで、プログラミング教育関連ビジネスを提供する企業への成長期待が一段と高まっていくことは必至といえる。
●プログラミング教育で注目必至の銘柄群
ここで注目される個別銘柄を順にみていく。まず、ベネッセホールディングス <9783> は、学校現場でのプログラミング教育を支援しており、実践に役立つカリキュラム・教材、ICTのサポート、プログラミング的思考力を測るアセスメントまでを提供する。コンピューターやプログラミングの概念に基づいた問題解決型の思考である「プログラミング的思考」を育む。
富士ソフト <9749> は、プログラミング教材ロボット「プロロ(Proro)」を開発している。ブロックプログラミングで簡単に動きを構築することができるロボットであり、カラーセンサーと白黒センサーや対物センサーを備えているため、ライントレースの他にも障害物を避けるプログラムや、Proro同士で対戦するロボット相撲を行うこともできる。プログラムの書き方を機械的に覚えるわけではなく、どのようにプログラミングしたら動くのかといった論理的思考を育成する。
LITALICOは、LITALICOワンダー(IT×ものづくり教室)において、プログラミングやロボット、3Dプリンターを活用したデジタルファブリケーション、デザインなど、最先端のものづくりを横断的に学ぶことができる。ここでの学びが未来のイノベーションにつながっていくようなカリキュラムを提供。20年12月時点での生徒数は3474人となっている。
ビジネス・ブレークスルー <2464> は、オンラインプログラミングスクールの「p.school」を運営している。情報通信技術の急激な進歩で世の中が大きく変化するなか、グローバルリーダーには母国語、英語に加え、第三の言語であるプログラミング言語の3つの言語ができる「トリリンガル」の能力が求められると提唱。将来リーダーシップを発揮し、「稼ぐ力」にもつながる「第三の言語」を身につけるオンライン講座を行っている。
サイバーエージェント <4751> は、グループのCA Tech Kidsが運営するTech Kids Schoolにおいて、小学生のためのプログラミングスクールを運営する。本格的なプログラミングを学べる継続学習コースやオンライン指導サービス「Tech Kids Online Coaching」を展開。短期で行うプログラミング体験ワークショップ「Tech Kids CAMP」は13年から実施している。また、プログラミング教育推進に向けた取り組みとして、地方自治体や小学校と連携し、出張プログラミング授業や教員向け研修を行っている。
イマジニア <4644> [JQ]は、NTTドコモが運営する子供向け知育サービス「dキッズ」において「ドキドキ☆ぷろぐらワールド for dキッズ」を提供している。プログラミング教育事業を展開するプログラぶっく(東京都港区)の監修を受け制作され、未就学児~小学校低学年向けの知育プログラミングアプリとなる。
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