787円
ライクのニュース
日経平均は続落。75.74円安の23543.95円(出来高概算4億538万株)で前場の取引を終えている。
前週末9日の米国株式相場は続伸。ダウ平均は161.39ドル高の28586.90ドル、ナスダックは158.96ポイント高の11579.94ポイントで取引を終了した。トランプ大統領が大規模な包括的経済対策を検討する考えを示すと、期待感から上昇して寄り付いた。その後、共和党のマコーネル上院院内総務が選挙前の追加経済対策合意は困難との考えを示したため一時伸び悩む場面もあったが、いずれ合意が成立するとの期待感から終日堅調に推移した。
米国株高を受けた今日の東京株式市場だが、前場は売り優勢の展開となった。外為市場で1ドル=105円60銭前後と先週末9日15頃に比べ20-30銭ほど円高・ドル安に振れたことが嫌気された。フィラデルフィア半導体株指数(SOX)が9月2日の高値を更新したことを手掛かりに半導体関連株の一角などが物色されたが、全体としては売りが優勢だった。
個別では、21年2月期上半期(中間期)連結営業損益が59.70億円の赤字となった吉野家HD<9861>、受注減少基調継続や減配見通しをマイナス視された安川電<6506>、21年2月期連結営業損益が89.45億円の赤字予想と減配を発表したオンワードHD<8016>が下げた。
一方、21年5月期第1四半期(20年6-8月)連結営業利益が前年同期比53.4%増となったライク<2462>が18%を超す大幅高となったほか、21年8月期連結営業利益が前期比47.8%増予想と発表したJINSHD<3046>が10%を超す上げとなり、21年8月期連結営業利益が前期比24.3%増予想と発表したビックカメラ<3048>、欧米自動車メーカー仕様の黒加飾ステンレス鋼「Fine Black」の開発開始を発表した日本金属<5491>、20年8月期利益見込みを上方修正したセラク<6199>、第1四半期連結営業利益が前年同期比26.5%
増となったサカタのタネ<1377>が上げた。
セクターでは、倉庫運輸関連、その他金融、海運業、ガラス土石製品、ゴム製品などがな値下がり率上位。一方、空運業、水産・農林業、金属製品、その他製品、不動産業などが値上がり率上位だった。東証1部の値下がり銘柄は全体の64%、対して値上がり銘柄は29%となっている。
東京株式市場で株価が堅調だ。今日の前場は利益確定売りが優勢となったが、先週1週間では、日経平均が589円(2.5%)の上げ、JASDAQ平均は5日続伸で2.0%上昇、マザーズ指数も5日続伸で9.2%の大幅上昇となった。株価上昇で市場の雰囲気も明るさを増している。今回は「市場心理」という視点から考えてみる。
まず日経平均VI(ボラティリティー・インデックス)。恐怖指数と呼ばれる米VIX指数が手本となって作られた指数だ。先週1週間の動きを見ると、日経平均VIは5日連続で低下し、先週末9日はコロナによる株価急落直前の2月21日以来、約7カ月半ぶりに節目の20ポイントを終値で下回った。今日の前場も日経平均が下げる一方で日経VIは先週末水準を下回って推移した。
次に金(ゴールド)。大阪取引所で売買される金先物は夏場には騰勢を強め8月7日に1グラム7000円を超えた。その後、利益確定売りも出て調整相場となり、9月下旬には6200円台まで下げた。この間、市場で指摘されたのが、9月の米国株調整など株価下落による損失を金売却で補い、手元資金を確保しようとする換金売りだ。この動きはコロナショックで市場が混乱に陥った今年3月に見られた現象とよく似ており、9月は警戒感が高まる場面があった。しかし、10月に入りこうした動きは影を潜め、金先物は戻り歩調を確かなものとしつつあり、市場では金の換金売りに対する警戒感は後退してきたようだ。今日午前も金先物は堅調だ。
日経VIや金先物の動きから窺えるのは、市場心理の好転だ。新型コロナは再び世界的に感染が拡大しており、また、米大統領選の不透明感や米中対立の激化懸念などは継続したままだ。その中での株価上昇と市場心理改善。「株価上昇は世の中の実態からかけ離れている」との指摘は多い。ただ、このような理路整然とした分析は、コロナ急落後、株価が底打ちから急反騰する段階で毎日のように聞かれた。そして結果は理路整然とした分析とは違うものとなった。相場は理屈通りにはいかないこともある。ここは漠然とした市場心理の改善に目を向けても良いのかもしれない。
さて、後場の東京市場で日経平均は底堅く推移しそうだ、取引開始前に発表された8月の機械受注統計は予想を上回っており、投資環境は悪くない。前場は利益確定売りが優勢となったが売り急ぐ動きはなく、下値では押し目買いも見られており、利益確定売りが一巡すれば次第に底堅い動きとなる可能性が高いだろう。
(小山 眞一)
<AK>
前週末9日の米国株式相場は続伸。ダウ平均は161.39ドル高の28586.90ドル、ナスダックは158.96ポイント高の11579.94ポイントで取引を終了した。トランプ大統領が大規模な包括的経済対策を検討する考えを示すと、期待感から上昇して寄り付いた。その後、共和党のマコーネル上院院内総務が選挙前の追加経済対策合意は困難との考えを示したため一時伸び悩む場面もあったが、いずれ合意が成立するとの期待感から終日堅調に推移した。
米国株高を受けた今日の東京株式市場だが、前場は売り優勢の展開となった。外為市場で1ドル=105円60銭前後と先週末9日15頃に比べ20-30銭ほど円高・ドル安に振れたことが嫌気された。フィラデルフィア半導体株指数(SOX)が9月2日の高値を更新したことを手掛かりに半導体関連株の一角などが物色されたが、全体としては売りが優勢だった。
個別では、21年2月期上半期(中間期)連結営業損益が59.70億円の赤字となった吉野家HD<9861>、受注減少基調継続や減配見通しをマイナス視された安川電<6506>、21年2月期連結営業損益が89.45億円の赤字予想と減配を発表したオンワードHD<8016>が下げた。
一方、21年5月期第1四半期(20年6-8月)連結営業利益が前年同期比53.4%増となったライク<2462>が18%を超す大幅高となったほか、21年8月期連結営業利益が前期比47.8%増予想と発表したJINSHD<3046>が10%を超す上げとなり、21年8月期連結営業利益が前期比24.3%増予想と発表したビックカメラ<3048>、欧米自動車メーカー仕様の黒加飾ステンレス鋼「Fine Black」の開発開始を発表した日本金属<5491>、20年8月期利益見込みを上方修正したセラク<6199>、第1四半期連結営業利益が前年同期比26.5%
増となったサカタのタネ<1377>が上げた。
セクターでは、倉庫運輸関連、その他金融、海運業、ガラス土石製品、ゴム製品などがな値下がり率上位。一方、空運業、水産・農林業、金属製品、その他製品、不動産業などが値上がり率上位だった。東証1部の値下がり銘柄は全体の64%、対して値上がり銘柄は29%となっている。
東京株式市場で株価が堅調だ。今日の前場は利益確定売りが優勢となったが、先週1週間では、日経平均が589円(2.5%)の上げ、JASDAQ平均は5日続伸で2.0%上昇、マザーズ指数も5日続伸で9.2%の大幅上昇となった。株価上昇で市場の雰囲気も明るさを増している。今回は「市場心理」という視点から考えてみる。
まず日経平均VI(ボラティリティー・インデックス)。恐怖指数と呼ばれる米VIX指数が手本となって作られた指数だ。先週1週間の動きを見ると、日経平均VIは5日連続で低下し、先週末9日はコロナによる株価急落直前の2月21日以来、約7カ月半ぶりに節目の20ポイントを終値で下回った。今日の前場も日経平均が下げる一方で日経VIは先週末水準を下回って推移した。
次に金(ゴールド)。大阪取引所で売買される金先物は夏場には騰勢を強め8月7日に1グラム7000円を超えた。その後、利益確定売りも出て調整相場となり、9月下旬には6200円台まで下げた。この間、市場で指摘されたのが、9月の米国株調整など株価下落による損失を金売却で補い、手元資金を確保しようとする換金売りだ。この動きはコロナショックで市場が混乱に陥った今年3月に見られた現象とよく似ており、9月は警戒感が高まる場面があった。しかし、10月に入りこうした動きは影を潜め、金先物は戻り歩調を確かなものとしつつあり、市場では金の換金売りに対する警戒感は後退してきたようだ。今日午前も金先物は堅調だ。
日経VIや金先物の動きから窺えるのは、市場心理の好転だ。新型コロナは再び世界的に感染が拡大しており、また、米大統領選の不透明感や米中対立の激化懸念などは継続したままだ。その中での株価上昇と市場心理改善。「株価上昇は世の中の実態からかけ離れている」との指摘は多い。ただ、このような理路整然とした分析は、コロナ急落後、株価が底打ちから急反騰する段階で毎日のように聞かれた。そして結果は理路整然とした分析とは違うものとなった。相場は理屈通りにはいかないこともある。ここは漠然とした市場心理の改善に目を向けても良いのかもしれない。
さて、後場の東京市場で日経平均は底堅く推移しそうだ、取引開始前に発表された8月の機械受注統計は予想を上回っており、投資環境は悪くない。前場は利益確定売りが優勢となったが売り急ぐ動きはなく、下値では押し目買いも見られており、利益確定売りが一巡すれば次第に底堅い動きとなる可能性が高いだろう。
(小山 眞一)
<AK>
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