【買い】信越化学工業 (4063):中国減速で売られすぎ。反発に期待=GLA小池麻千子

投稿:2015/10/30 19:35

中国減速で売られすぎ。反発に期待

塩化ビニル樹脂、シリコーン樹脂、半導体シリコン、希土類磁石などを主力商品とする化学メーカー。
塩ビと半導体シリコンウエハでは世界シェア首位。その他、世界高シェア製品を多く有しています。
同社の米国子会社であるシンテック社は原料からの一貫生産を行う世界最大の生産能力を有しています。

【2015年3月期における同社のセグメント別売上比率】
塩ビ・化成品36%、半導体シリコン18%、電子・機能材料15%、シリコン14%、機能性化学品9%、その他関連8%。

【2015年3月期における地域別売上高比率:海外売上比率は72%】
アジア・オセアニア29%、日本28%、米国22%、欧州12%、その他9%

2016年3月期第1四半期の業績は、売上高が7.0%増の6458億3600万円、営業利益が12.5%増の1098億1600万円、経常利益が11.7%増の1130億200万円、四半期純利益が13.4%増の766億3300万円と増収増益で着地。
自己資本比率は80.8%と財務基盤しっかり。

塩化ビニルは、住宅やインフラ整備に欠かすことのできない基本素材です。
同社の米国子会社のシンテック社は米国住宅市場の回復時に需要を取り込むことに成功し、米国市場での売り上げは堅調を維持しています。

また、シリコンウエハは、スマホ、タブレット端末、自動車、家電など、様々な機器に搭載されている半導体デバイスの基盤となります。スマホ需要の減速による影響はありますが、自動車関連デバイス需要の拡大に牽引され、同社の主力である半導体シリコン事業の売上高は13.2%増の1261億、営業利益が66.1%増の270億3200万円と好調に推移しました。

また、シリコンは自動車から化粧品まで幅広い分野に対応するよう素材で同社では5000種類以上の製品を有しています。
当第1四半期に引き続き化粧品向けが特に好調でした。売上高は10.5%増の951億3200万円、営業利益が12.3%増の205億5700万円となりました。

同社は塩ビ、シリコンウエハにおいて圧倒的競争力を持つこと、今後も特に自動車関連の需要が増加することが予測されるところで、業績は拡大基調を維持すると見ます。

通期業績予想は、売上高が1.2%増の1兆2700億円、営業利益が6.3%増の1970億円、経常利益が6.0%増の2100億円、当期純利益が8.9%増の1400億円の見通し。年間配当金は10円増配の110円とする方針です。

足元の業績は好調で、このままの水準を維持すれば業績の上方修正も期待できる可能性があります。
小池麻千子
グローバルリンクアドバイザーズ 株式アナリスト
配信元: 達人の予想

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