金融業界革新へ、フィンテックでもっと便利に

著者:冨田康夫
投稿:2015/09/10 10:52

<話題の焦点>

 IT(情報技術)と金融を融合させる「FinTech(フィンテック)」が注目されている。明確な定義は確立されていないが、金融分野に強みを持つITベンチャー企業などを指す場合が多い。ITを活用することで便利な金融サービスを提供するベンチャー企業が次々と生まれており、金融業界に革新をもたらす可能性がある。

 手数料無料のオンライン決済サービス「SPIKE」などを手掛けるメタップス<6172>が8月28日に東証マザーズ市場に新規上場したことや、個人向け自動家計簿サービスなどを手掛けるマネーフォワード(東京都港区)がテレビCMを開始したことなどを通じてフィンテックの認知度は確実に高まっている。マネーフォワードを巡っては8月25日に、静岡銀行<8355>SBIホールディングス<8473>が資本業務提携を発表した。

 一方、大手企業も黙っていない。富士通<6702>は8月27日、金融サービスのオープンイノベーションを加速させるコンソーシアム「ファイナンシャル イノベーション フォージャパン(FIFJ)」を設立。金融機関54社、フィンテック企業47社が参加し、共通サービス基盤の開発・提供などを目指す。

 メガバンクでは三井住友フィナンシャルグループ<8316>が8月3日に、米シリコンバレーでベンチャー企業の支援を手掛けるプラグアンドプレイと提携。三菱UFJフィナンシャル・グループ<8306>は6月にフィンテックに特化したコンテストを開催し、みずほフィナンシャルグループ<8411>は7月から新サービス創出を目的としたアクセラレートプログラムをスタートさせている。
冨田康夫
株経ONLINE:編集長
配信元: 達人の予想