「19800円付近でもみ合い、売りに時間的猶予」

著者:黒岩泰
投稿:2015/07/10 21:31

「ギリシャ殺人事件の目的は?」

 本日の日経平均は75.67円安の19779.83円で取引を終了した。SQ(19849.15円)算出後は、上値の重い値動きとなったが、その後は20000円の節目を試しに行く展開。それでもその付近での戻り売り圧力は強く、午後に入ってから伸び悩んだ。
 日経平均の日足チャートでは、上影陰線が出現。上値の重さを示しており、20000円が強固な上値抵抗線であることを示している。
 それでも値を保てたのは、昨日の下ひげが強力だったから。軸はすでに下向きに傾いているものの、19000円前半の壁が株価を強力にサポート。結果的に19800円近辺でもみ合っている。
 だが、19800円付近でのもみ合いが続けば、19150円の壁が徐々に崩壊。下落しやすい需給へと変化する。今はそれを待っている状態であり、ある意味、戻り売りの好機と言えるのだ。つまり、19800円付近である程度の「滞空時間」があるということ。売りチャンスに時間的猶予が与えられており、投資家はその間に準備するしかないだろう。個別株、先物で売りを積極的に行うか、オプションを絡めて一発を狙うか・・・。
 市場が気にしているのは、中国情勢、そしてギリシャである。ギリシャは財政再建策を提出したが、EUがこれを受け入れてくれるかは微妙。14日には日本人も保有しているサムライ債の償還を迎えることになり、ここでもし債務不履行となれば、正真正銘、格付け機関から「デフォルト認定」されることになる。
 このままの流れだと、デフォルトする確率は相当に高いと思われる。なぜならば、今まさに「ギリシャ殺人事件」が起ころうとしているからだ。もちろんこの殺人の目的は・・・。(黒岩の眼より)
黒岩泰
株式アナリスト
配信元: 達人の予想