【売り】SPDR S&P500 ETF(1557):ギリシャ問題で一旦の下落を予想=戸松信博

著者:戸松信博
投稿:2015/06/29 08:27

ギリシャ問題で一旦の下落を予想

米国のトピックスとも言うべき、S&P500 に連動するETFです。ギリシャ問題での下落を予想します。今週を見ると買い場になると思いますが一旦の下落を予想します。月曜の株安といわれるように、米国株でも月曜日は下げやすいです(その影響で為替が売られ、日本株は火曜日に下げやすい)

ユーロ圏財務相会合はギリシャの1ヶ月の金融支援の要求を拒否し、現行の支援を延長せず、6月末で終了させることを決めました。これで、ギリシャがデフォルトに陥る可能性が高まりました。その一方で、ギリシャ議会は債券団が支援延長の条件として提示している緊縮財政策を受け入れるかどうかについて、国民投票を実施することを承認しました。

6月18日に記載したギリシャ、デフォルトなら日経平均はどうなる ?<http://allabout.co.jp/gm/gc/455886/>でも書きましたが、ギリシャ問題が揉め、国民投票実施となるのは想定範囲内でした。

ギリシャの選択肢としては、厳しい財政再建策を受け入れて新たな支援を手にしてEUに残る、それともEUとユーロ通貨から離脱して債務を放棄し、緊縮財政もしないという壊滅的選択があるわけですが、欧州側も厳しすぎる財政再建計画を押しつけており、その通り受け入れてもギリシャ経済は破綻しそうですし、かといってユーロ紙幣を暴落するドラクマに替える難業や預金封鎖、ハイパーインフレ、倒産ラッシュを伴う壊滅的選択もありえません。ギリシャ国民の多くはEU残留を希望しており、勿論財産没収や経済・生活の大混乱も受け入れられないでしょう。

以上を考えると国民投票でEU残留を確認した上で、それであればある程度の緊縮を国民に強いるという形になると思います。やすやすと緊縮案を受け入れれば、反緊縮で立ち上がったチプラス政権の面子も立ちません。

以上を考えると今週、日本株が下がったところは絶好の買い場となる可能性が高いように思いますが、それだけに一旦の下落を予想するところでもあります。
戸松信博
グローバルリンクアドバイザーズ(株)代表取締役
配信元: 達人の予想

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