共通ポイント戦国時代、相互送客のメリットに期待

著者:冨田康夫
投稿:2015/05/13 15:10

ポイントサービス激化の中、注目される企業

東京電力<9501>は8日、共通ポイント「Ponta(ポンタ)」を運営するロイヤリティマーケティング(東京都渋谷区)とリクルートホールディングス<6098>の2社と提携すると発表した。提携により2016年1月以降、エネルギーと住まいを中心にした新たなポイントサービスを提供するとしており、同年4月の電力小売り全面自由化をにらんで、顧客の囲い込みにつなげる方針のようだ。

「Ponta」のような、さまざまな業種の企業が一つ(共通)のポイントを付与したり、使ったりするポイント制度のことを「共通ポイント」という。現在は「Ponta」をはじめ、カルチュア・コンビニエンス・クラブ(CCC)の「Tポイント」、楽天<4755>の「Rポイント」の3つが大手といわれ、その競争から「戦国時代」とも揶揄されている。

ひと昔前は、ポイントの役割は運営企業の顧客の囲い込みのためだった。しかし、共通ポイントでは、加盟している企業・店舗が一つのショッピングモールとなり、モール全体で顧客を囲い込もうというのが狙いだ。

加盟店は自社でポイントプログラムを管理する必要がなくなり、消費者も複数のポイントを一つにできるメリットがある。前述の東電のケースのように、消費以外の企業の参画も増えるとみられ今後も注目したい。

◆共通ポイントの種類と関連銘柄
 カードの種類     関連企業
 Ponta
           リクルートHD<6098>ローソン<2651>AOKIHD<8214>ビックカメラ<3048>ワタミ<7522>昭和シェル<5002>、SBIHD<8473>東急不HD<3289>HIS<9603>JAL<9201>コシダカHD<2157>ゲオHD<2681>NTTドコモ<9437>など

 Tポイント
           カカクコム<2371>、夢の街創造委員会<2484>キタムラ<2719>エディオン<2730>ドトル日レス<3087>、ウエルシアHD<3141>すかいらーく<3197>、ヤフー<4689>スリーエフ<7544>ファミリーマート<8028>青山商<8219>マミーマート<9823>、ソフトバンク<9984>など
冨田康夫
株経ONLINE:編集長
配信元: 達人の予想