来週の株式相場に向けて=新春はAIビッグデータ&量子関連に刮目
2024年の大納会となる30日の東京株式市場は、日経平均株価が前営業日比386円安の3万9894円と反落。前週末に700円を超える上昇で4万円台乗せを果たした日経平均だが、きょうはあえなく反落し年内最終日に4万円台で着地することはできなかった。年明けの取引は1月6日からで、その前の週にあたる2日と3日は正月三が日で休場となるが、米国株市場ではこの2日間に取引が行われるため、きょうはいったんポジションを軽くしておきたいと考えるのは、投資家心理として仕方がない。
前週末の米株市場ではNYダウが330ドルあまりの下げで4万3000ドル台を割り込んだほか、ハイテク株比率の高いナスダック指数は300ポイント近い下げをみせ下落率でダウを上回った。米10年債利回りが再び4.6%台に上昇し、金利上昇を嫌気するムードがどうにも拭い切れなくなってきた。S&P500ベースのPERは現状30倍程度で、株式益利回りに換算して3.3%に過ぎない。10年債利回りを基準に、本来なら益利回りはリスクプレミアムを考慮して8%程度が妥当。長期金利との逆転現象が広がるなか割高感は覆い隠せず、どこかでフラッシュクラッシュが起こっても不思議はない。
そのトリガーとしては、「債務上限引き上げを巡る判断のリミットが来年1月に迫っている」と喧伝されていることは、売り方のポジショントークの部分を差し引いてもかなりの緊迫感がある。イエレン米財務長官によると上限到達時期は1月14~23日。「とりわけ20日を過ぎたあたりがXデーとなりそうで、そのなかでも23日という線が濃い」(ネット証券マーケットアナリスト)という。トランプ次期政権の発足は1月20日で、新政権発足早々にバイデン政権からの置き土産ならぬ置き爆弾を処理しなければならない。これは結構なプレッシャーだ。更に、日本では図ったように1月23~24日の日程で日銀金融政策決定会合が予定されている。米株市場が荒れた場合は、金融引き締めに及び腰の植田日銀総裁は、追加利上げカードを切ることは到底できないという見方が強い。
ただし、この場合難しいのは、外国為替市場で1ドル=160円台へと波乱モードで円安が進行したとして、株式市場にとっては基本的に株高要因であることだ。例えば米株市場がリスクオフに染まっても、円安を頼りに日経平均やTOPIXは下値抵抗力を発揮する可能性があり、「日本株をターゲットとするのは売り方にすればあまり筋の良くない仕掛け」(同)と指摘する。米株が乱れれば主力どころは円安でも買いにくいが、AI関連周辺の休火山状態にあった中小型株などは、年始相場でも外部環境にとらわれず材料株物色の流れに乗ることが可能。実際、大納会の相場はそうした銘柄群に前倒し的に買いが向かった。
AI・ビッグデータ周辺ではトランプ関連としての認知度が高まってきた共同ピーアール<2436.T>が本領を発揮してきた。会社側のヤル気が伝わってくる中期計画も見逃せないところで、PER12倍の時価はなお上値の伸びしろを感じさせる。真の意味でのビッグデータ関連本命はNTTデータグループ<9613.T>ということになるが、これは機関投資家に任せておけばよい銘柄で、個人好みの中小型では業績好調の続くJTP<2488.T>や穴株として株価が低位に位置するZETA<6031.T>などを挙げておきたい。
また、25年相場前半の主役テーマを考えた場合、米国からの強力なプッシュを念頭に置くと“日米ダブル国策関連”といえる防衛は外せないところだ。三菱重工業<7011.T>、川崎重工業<7012.T>、IHI<7013.T>の三羽烏のほか、東京計器<7721.T>や新明和工業<7224.T>などもリアル防衛関連としてチェックしたい。
これ以外ではIP(知的財産権)に絡む銘柄。具体的には任天堂<7974.T>、ソニーグループ<6758.T>、サンリオ<8136.T>などが主力銘柄では軸となる。穴株としてはIPディベロッパー戦略を前面に押し出すブシロード<7803.T>をマークしたい。更に、米国株市場で大人気テーマとなり、東京市場に押し寄せているのが量子コンピューター関連。既にフィックスターズ<3687.T>、エヌエフホールディングス<6864.T>などが株価を大きく浮上させているが、まだ見落とされている銘柄で、上値が期待できそうなのがインテリジェント ウェイブ<4847.T>だ。11月に幕張メッセで開催された量子コンピューティングEXPOでは、量子プログラミング環境とシミュレーターを備えたハードウェア「Qaptiva 800」を出展している。(銀)
出所:MINKABU PRESS
前週末の米株市場ではNYダウが330ドルあまりの下げで4万3000ドル台を割り込んだほか、ハイテク株比率の高いナスダック指数は300ポイント近い下げをみせ下落率でダウを上回った。米10年債利回りが再び4.6%台に上昇し、金利上昇を嫌気するムードがどうにも拭い切れなくなってきた。S&P500ベースのPERは現状30倍程度で、株式益利回りに換算して3.3%に過ぎない。10年債利回りを基準に、本来なら益利回りはリスクプレミアムを考慮して8%程度が妥当。長期金利との逆転現象が広がるなか割高感は覆い隠せず、どこかでフラッシュクラッシュが起こっても不思議はない。
そのトリガーとしては、「債務上限引き上げを巡る判断のリミットが来年1月に迫っている」と喧伝されていることは、売り方のポジショントークの部分を差し引いてもかなりの緊迫感がある。イエレン米財務長官によると上限到達時期は1月14~23日。「とりわけ20日を過ぎたあたりがXデーとなりそうで、そのなかでも23日という線が濃い」(ネット証券マーケットアナリスト)という。トランプ次期政権の発足は1月20日で、新政権発足早々にバイデン政権からの置き土産ならぬ置き爆弾を処理しなければならない。これは結構なプレッシャーだ。更に、日本では図ったように1月23~24日の日程で日銀金融政策決定会合が予定されている。米株市場が荒れた場合は、金融引き締めに及び腰の植田日銀総裁は、追加利上げカードを切ることは到底できないという見方が強い。
ただし、この場合難しいのは、外国為替市場で1ドル=160円台へと波乱モードで円安が進行したとして、株式市場にとっては基本的に株高要因であることだ。例えば米株市場がリスクオフに染まっても、円安を頼りに日経平均やTOPIXは下値抵抗力を発揮する可能性があり、「日本株をターゲットとするのは売り方にすればあまり筋の良くない仕掛け」(同)と指摘する。米株が乱れれば主力どころは円安でも買いにくいが、AI関連周辺の休火山状態にあった中小型株などは、年始相場でも外部環境にとらわれず材料株物色の流れに乗ることが可能。実際、大納会の相場はそうした銘柄群に前倒し的に買いが向かった。
AI・ビッグデータ周辺ではトランプ関連としての認知度が高まってきた共同ピーアール<2436.T>が本領を発揮してきた。会社側のヤル気が伝わってくる中期計画も見逃せないところで、PER12倍の時価はなお上値の伸びしろを感じさせる。真の意味でのビッグデータ関連本命はNTTデータグループ<9613.T>ということになるが、これは機関投資家に任せておけばよい銘柄で、個人好みの中小型では業績好調の続くJTP<2488.T>や穴株として株価が低位に位置するZETA<6031.T>などを挙げておきたい。
また、25年相場前半の主役テーマを考えた場合、米国からの強力なプッシュを念頭に置くと“日米ダブル国策関連”といえる防衛は外せないところだ。三菱重工業<7011.T>、川崎重工業<7012.T>、IHI<7013.T>の三羽烏のほか、東京計器<7721.T>や新明和工業<7224.T>などもリアル防衛関連としてチェックしたい。
これ以外ではIP(知的財産権)に絡む銘柄。具体的には任天堂<7974.T>、ソニーグループ<6758.T>、サンリオ<8136.T>などが主力銘柄では軸となる。穴株としてはIPディベロッパー戦略を前面に押し出すブシロード<7803.T>をマークしたい。更に、米国株市場で大人気テーマとなり、東京市場に押し寄せているのが量子コンピューター関連。既にフィックスターズ<3687.T>、エヌエフホールディングス<6864.T>などが株価を大きく浮上させているが、まだ見落とされている銘柄で、上値が期待できそうなのがインテリジェント ウェイブ<4847.T>だ。11月に幕張メッセで開催された量子コンピューティングEXPOでは、量子プログラミング環境とシミュレーターを備えたハードウェア「Qaptiva 800」を出展している。(銀)
出所:MINKABU PRESS
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