先物主導の売りに好決算銘柄買いが埋没

著者:冨田康夫
投稿:2015/05/07 21:14

<株式トピックス>

現地6日に、イエレン米連邦準備制度理事会(FRB)議長が講演後の質疑応答で、米株式市場の現状について、一般的に言えば割高との見解を示したことから、市場参加者のあいだに警戒感が広がり、当日のNYダウ平均株価は、一時200ドル近く下落する場面もあり、終値は前日比86ドル安の続落となった。
この流れを受けて、7日の東京株式市場も株価指数先物主導で売りが優勢となり、日経平均株価終値は、前営業日比239円64銭安の1万9291円99銭と大幅反落した。

7日の市場で話題となったのは「好業績銘柄への株価面でのプラス反応が鈍い一方で、日経225採用の主力株への売りが目立った」(中堅証券投資情報部)点だ。
東証1部の売買代金上位30位までで、好業績を材料に目立って買われたのは第一生命保険<8750.T>程度に限られた。半面、日経225採用で指数寄与率の高い銘柄の下落率の大きさが目立った。ソフトバンク<9984.T>や、ファナック<6954.T>は3%を超える下落率となり、この2銘柄だけで66円分日経平均株価を引き下げている。

さらに、日足チャートを見ると、5日移動平均線(1万9677円=7日)が25日移動平均線(1万9702円=同)を上から下に突き抜けるデッドクロスを示現したことで、短期的な調整色が一段と強まるのではとの警戒感も取りざたされている。
冨田康夫
株経ONLINE:編集長
配信元: 達人の予想