利益確定売りに一服、上海株の動向に注意

著者:冨田康夫
投稿:2014/12/24 20:34

明日の東京株式市場見通し

 25日の東京株式市場は利益確定売りに日経平均株価はいったん調整を入れる公算が大きい。

 好景気に支えられた米国株の好調と円安の進行を背景に、全般相場は先高期待が強いが、日経平均はきょうまでの5日間で約1100円、率にして6.6%の上昇をみせている。東証1部の騰落レシオは112%台とまだ過熱警戒域には届いていないものの、リズム的には一服を入れるのが自然。目先は売買代金も減少傾向で、25日は海外市場が軒並み休場となることもあって一段と手控えられる可能性がある。

 そのなか、日本同様に取引が行われる中国上海市場が足もと軟調展開にあることが気掛かりだ。もっとも上海がよほどの波乱に見舞われない限りは、閑散に売りなしで押し幅も限定的なものにとどまろう。

24日の動意株

 CYBERDYNE<7779>=急反発。
午前中、オムロン<6645>とロボット事業を含む事業基本合意に関する契約を締結し、この日の午後記者会見を行うと発表しており、これを材料視した買いが入っている。記者会見にはCYBERDYNEの山海嘉之社長とオムロンの山田義仁社長が出席する予定で、その発表内容に関する期待感が強まっているようだ。

 グローブライド<7990>=堅調。
主力の釣り具が好調で特に、防水性や耐久性能に優れる独自技術「マグシールド」を導入したリールの販売が国内外で伸びている。15年3月期の連結営業利益は、中間決算時に従来予想の24億円から28億円(前期比21.4%増)に増額されたが、市場には30億円強への再増額予想が出ている。為替の円安も業績の押し上げ要因だ。

 ビーロット<3452>=連続ストップ高。
11日に東証マザーズ市場に新規上場し、3日目になってようやく初値1万500円(公開価格2010円)をつけた直近IPO銘柄。事業内容は不動産開発や不動産コンサルティングなど「不動産アドバイザリー事業」と、不動産ファンドを手掛ける「金融アドバイザリー事業」をメーンとした不動産金融コンサルティング事業などで目新しさはないものの、浮動株の少なさと直近IPOならではの値動きの軽さが注目されているようだ。

 ジーンズメイト<7448>=一時ストップ高。
22日の取引終了後に発表した12月度(11月21日~12月20日)の月次売上高速報で、既存店売上高は前年同月比11.0%増と2カ月連続で前年実績を上回り、また、今季初めての2ケタ増となったことが好感されている。これまで順調だったパーカやセーター類に加えて、アウターやマフラー、手袋などの防寒商品群が好調に推移。また、ウォーム素材を中心に5ポケット類も前年を上回ったという。

 アクセルマーク<3624>=大幅続伸。
同社は22日に、H2H(東京都中央区)が開発するスマートフォンアプリ「TIME wallet」の広告枠を独占的に販売する契約を結んだと発表。これが買い手掛かりとなっているようだ。TIME walletは、店舗や施設での滞留時間をポイントとして貯め、店舗などでのサービスに交換することができる。

 東京ドーム<9681>=急伸。
三菱UFJモルガン・スタンレー証券は22日、同社の投資判断を「ニュートラル」から「オーバーウエート」に引き上げた。目標株価も480円から600円に見直している。同証券では、「16年1月期以降の同社を取り巻く環境が好転するとみている」と指摘。この要因として「巨人軍人気の回復や景気回復による客員数増」「レジャー消費回復によるアトラクションズ入園者数の増加」「訪日外国人宿泊客の増加など東京ドームホテルの収益回復」「アーティストのコンサート需要増」などを挙げている。
冨田康夫
株経ONLINE:編集長
配信元: 達人の予想