今週末は、年内反転攻勢に向けた最後の仕込み時期・・・?

著者:津田隆光
投稿:2014/12/11 18:42

現在の調整は“ポートフォリオ・リバランス”の一環と捉えるべき

先週末の米雇用統計の好結果もあり「当面のマーケット情勢に死角なし」と誰もが見ていた矢先、突然降って湧いたようなギリシャ政局不安や中国の金融引き締め観測等材料もあり、巡航路線を緩やかに進んでいた為替市場および株式市場に“冷や水”を浴びせるような格好に。
ただし、これら一連の動きは言うなれば一時的な“ガス抜き”であり“調整”と見るのが妥当。
海外勢は概ね来週の米FOMC(17日)が終わればクリスマス休暇に入るということもあり、そのポジションを事前に手仕舞いすることはごくごく自然の行為とも言え、また昨今の原油価格の下落に伴い、ポートフォリオ・リバランス(=資産比率調整)を行った結果、株式相場や為替相場に影響を与えたと捉えるべき。
一部には、原油価格の下落が株式相場や為替相場の下落要因となっており、世界経済の波乱要因になっているとの意見もあるものの、原油価格が下落することはトレードオフの関係で株高・ドル高要因になるのが一般的な見方であり、「?」マークが付いた方も多いはず。
“調整相場”時期にまま見受けられる「世界同時不況」を煽るような報道やニュースに対しては、半値八掛け二割引き程度で捉えつつ、闇雲に不安感を煽るような意見に安易に流されないことが肝要。
ただし、原油安に起因するロシアの軍事行動等の地政学的リスクが高まる可能性には引き続き注意する必要がありますが、今のところ目立った動きを見せておらず、喫緊の材料となる気配も少ないため、しばらくは調整の時間帯であることを念頭に置きつつ虎視眈々と押し目を買い拾う戦法が奏功しそう。

本日11日からは本邦株式市場でもIPOラッシュが始まることもあり、事前に一部換金売り圧力も見られた株式市場に個人投資家の資金が再流入することが予想されること、また14日に衆院選の投開票日を迎え、自民圧勝(300議席?)の際はさらなる反転攻勢が見込まれることもあり、日柄的にも買い仕込みに適した時期と捉えてよさそうです。

ドル/円相場に関しては、10月31日の日銀追加緩和当日の安値109.17円と、12月8日高値121.81円を結んだフィボナッチ38.2%基準である116.98円前後が目先の重要ポイントと想定。
年内いっぱいは、上下波動に振り回されることがないよう、くれぐれもキャッシュポジション(=現金持ち高)の維持・向上を最優先事項とし、「まさかの坂」で転げ落ちることだけはないようにリスクマネージメントをしっかりと行いたいものです。
津田隆光
マネースクエア チーフマーケットアドバイザー
配信元: 達人の予想