ネット通販拡大追い風、高機能物流センター相次いで登場

著者:冨田康夫
投稿:2014/10/29 15:06

物流センターのニーズ増える

 インターネット通販市場は、スマートフォンの普及などもあって、2013年には11兆2000億円(前年比17%増、経済産業省調べ)まで拡大しているが、ネット通販の拡大で物流需要も膨らみ、物流センターへのニーズも強まっている。不動産サービス大手の調査によると、13年に新設した物流センターの延べ床面積は12年の2.5倍に膨らんだ。

 中でも増えているのが、商品を仕分け、配送する拠点としての大型の高機能物流センターだ。多くは延べ床面積10万~20万平方メートルで、多層階構造を有している。従来の平屋型の物流拠点と異なるのは、免震構造を採り入れ、非常用発電機を備えるなど、災害時にも稼働させられる点だ。また、荷物を保管・仕分け・発送するスペースに加えて、ほとんどがループ状のスロープを備えることで、各階までトラックが入れるようにもなっている。

 建設が本格したのは00年以降で、プロロジスやグローバル・ロジスティック・プロパティーズ(GLP)などの海外系の企業が多く手掛けていた。しかし、ここ数年は国内企業も多く参入してきている。製造業の海外移転が進む中、中国や東南アジアから集められた部品を組み立て工場に運ぶ再出荷場としても重要性が高まっており、今後も開発が進みそうだ。

◆主な高機能物流センター関連銘柄

 銘柄<コード>     高機能物流への取り組み

大和ハウス<1925>  13年12月に「DPL相模原」を稼働。15年度までに物流施設の開設に2000億円を投資の予定
野村不HD<3231>  昨年4月に物流施設事業部を設立し、大型物流施設の開発を本格化へ
オリックス<8591>  03年から物流投資事業を本格化。これまでに延べ30万坪弱の開発を手掛ける
三井不<8801>    昨年から物流開発事業に参入。17年度までに2000億円投資。首都圏、大阪で物流拠点開発中
三菱地所<8802>   13年4月に専門部署を開設。自社ブランド「ロジクロス」を首都圏・名古屋・大阪・福岡などで開発へ
住友不<8830>    年間200億円程度の物流不動産開発を進めると表明、物流ファンド組成も
冨田康夫
株経ONLINE:編集長
配信元: 達人の予想