今夜注目のECB会合とドラギ会見!“ドラギ配当”でドル買い加速!?

著者:津田隆光
投稿:2014/10/02 19:56

日米欧通貨当局にとって「三方よし」のマーケット環境

東京時間1日午前11時頃、拍子抜けとも言えるような勢いで110円台を突破したドル/円相場。
その前に発表された日銀短観は言うなれば可もなく不可もない結果だったものの、9月・中国PMI製造業が事前予想よりは改善されていたという追い風があったのも事実ですが、現在の為替相場については、以前のような材料ごとのディティールで動くというよりは、大局観で動いていると見るべきです。
その大局観のベースとなっているのが、日米欧の金融政策スタンス。
今月のQE(量的金融緩和)終了を見据える中、景気(=株価)の下落を避けるために是が非でもドル安・米国債安(=米国債の金利上昇)は避けねばならないという至上命題の下、緩やかなドル高を望むFRBに対して、更なる通貨安(ユーロ安・円安)を望むECBと日銀という構図。
現在の相場環境は、言わば日米欧の通貨当局にとって「三方よし」の状態となっていることを理解することが、相場の大きな潮流を掴む上で非常に重要。
その“コントラスト”が明確な環境下では、あえてその潮流に逆らう必要はありません。
ドル/円はやや下押しの動きも見られますが、これはあくまでも“ガス抜き”程度と捉えるべきで、やはり喫緊のポイントは、2008年8月に付けた110.66円というのは衆目の一致するところ。
今夜のECB会合と、それに続くドラギECB総裁の定例会見に耳目が集まりますが、「QE」というキーワードが発せられない場合の“ドラギ配当”、つまりユーロ売り・ドル買いの加速度合に注目したいところです。
津田隆光
マネースクエア チーフマーケットアドバイザー
配信元: 達人の予想