<株式トピックス>=鉄建が2億8407株の大商いで異彩人気

配信元:みんかぶ
著者:MINKABU PRESS
投稿:2014/07/17 20:19
 17日の東京株式市場は、前日に米国株市場でNYダウ平均株価が2週間ぶりに過去最高値を更新したことを受け買いが先行した。後場に入ると徐々に水準を切り下げる展開となり、日経平均株価終値は、前日比9円安の1万5370円と小幅続落した。ただ、そのなかでも相場テーマを背景とした個別銘柄物色は旺盛で、品川駅周辺再開発を手掛かり材料に低位建設株が賑わいをみせた。
 その低位建設株人気のリード役となったのが鉄建<1815.T>。前日比ストップ(80円)高の404円まで買われた。異彩を放ったのは売買高で、2億8407株と東証1部断然トップの驚異的な大商いとなった。ちなみに2位は大豊建設<1822.T>の8672万株だった。もちろん売買代金でもトップで、1086億円と2位ソフトバンク<9984.T>の511億円の約2倍の水準に膨らんだ。
 17日付の日本経済新聞朝刊が、JR東日本<9020.T>や東京都などが品川駅周辺を再開発すると報じたことで、JR東日本が筆頭株主であり、鉄道インフラ整備を手掛ける同社株に思惑買いが殺到した。
 JRを主要顧客に鉄道工事で国内首位の実績を誇る同社は、トンネル建設など老朽化対応のインフラ整備需要が業績をけん引、15年3月期経常利益は前期比36.7%増の28億円と大幅増益見通しにある。一方、JR東日本や東京都などは品川駅周辺の再開発に積極的であり、JR東日本は品川~田町間で新駅を開業予定にあるほか、新駅隣接地に超高層ビルを建設する計画で、鉄建にとっても商機拡大の思惑を呼び込んでいる。
 品川駅は羽田空港と近く、2027年開業予定のリニア中央新幹線の始発駅ともなることから総事業費5000億円以上ともいわれる官民を挙げての巨大プロジェクトになる見通し。また、これに先立つ東京五輪開催では、交通インフラ再整備の中軸の一つに成田~羽田間を結ぶ都心直結線構想があり、ここでも同社のビジネスチャンスが見込まれている。
 ただ、市場関係者からは「ニュース自体は全く目新しいものではない割に、買い人気の集中度合いは異彩といえる。材料株物色は、値動きの良さに期待した思惑的なものが多くを占め、ごく一部の銘柄を除いては継続性には疑問が残る」との見方も出ていた。
 日本証券金融は17日引け後、鉄建の貸借取引の貸株利用などで注意喚起の措置を取ると発表した。


出所:株経通信(株式会社みんかぶ)
配信元: みんかぶ

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