「手掛かり材料難、下方の窓を埋める展開か」
先週末の米国株式相場は高安まちまち。ダウ工業株30種平均は2.46ドル高の13328.85、ナスダック総合指数は5.3ポイント安の3044.11となった。経済指標の一部は良好だったものの、決算発表を始まった米金融株を中心に上値の重い展開。主要株価指数は小幅値動きに留まった。また、シカゴ日経平均先物(円建て)は8545円。大証終値と比べて15円安の水準で取引を終了している。したがって本日の東京株式相場はもみ合い相場からのスタートを想定。先週末の終値近辺で寄り付くと思われる。
東京株式相場は基本的に手掛かり材料難で、方向性を探る動きとなるだろう。現時点では軸の変化は確認できず、株価は下方向に引っ張られやすい。日経平均は下方の窓(8448.54円-8516.11円)を埋めることになりそうだ。
今週のイベントで重要なのは、米中の経済指標、そして米企業の決算発表である。どのような結果になるか分からないが、いわゆるポジティブサプライズは期待しにくい。欧州債務危機、中国景気減速懸念がくすぶるなか、企業業績にも悪影響が出始めているからだ。先週、IMFが各国の成長率見通しを下方修正したことも、その可能性が高いことをうかがわせる。
したがって、株式市場は新たな材料が出現するまでは、軸下向きの動きが継続。緩やかに下値を切り下げる動きになるだろう。暴落こそしないが、底なし沼にズブズブ沈むイメージだ。
マーケットの動きが鈍いなか、マスコミはといえば、iPS移植に成功したと言っている自称・森口ハーバード大学客員講師を追っかけている。もちろんこんなものはウソっぱちに決まっているのだが、面白い話題がないこともあり、朝っぱらから公共の電波を使ってクダらない情報を垂れ流している。
クダらないといえば、ノーベル平和賞のEU受賞である。「人でなく政府?」といった感じだが、これが世界を支配する寡頭勢力の“本意”なのであろう。「EU、ユーロは解体することなく、統合していく」――これを暗に人々に示唆した授賞劇であったと言える。
そしてタイミングを同じくして、イタリアの財務相が東京都内でのセミナーで「欧州は政治的な統合を近い将来達成しなければならない」と述べた。救済される側の国の財務相が「よくも言うよ」といった感じではあるが、これが“欧州の本線”ということになるのだろう。世界はスペインの支援要請を待っている状態ではあるが、スペイン危機→イタリア危機、そしてフランス危機、ドイツ危機へと波及し、危機を利用して政治統合が行われるのであろう。その準備を着実に進めており、世界各国は来るべき危機に備えているのだ。
そのようななか、IMFは日本に対して、資金拠出を強要している。ついでに日本はESM(欧州安定化メカニズム)への出資も確約し、国際機関への大盤振る舞いとなっている。
その一方で消費税増税が規定路線となっており、国民から吸い上げた資金を外国へと上納する構図が鮮明となっている。
そして前原経済財政担当相は、米FRB議長やECB総裁と会談し、日銀金融緩和の必要性を声高に訴えている。もちろんこんなものはパフォーマンスであり、日銀が欧米へ資金供与する布石となるのだろう。「円を破壊してまでも欧米を救います」ということであり、忠犬ポチの為せる技である。
そして民間ではソフトバンク(9984)が米通信大手3、5位の買収と報じられている。初期反応としてはいささか売られすぎといった感じではあるが、これも海外企業の株主への資金提供みたいなものだ。これから金融危機が訪れるなか、海外企業の大型買収案件が成功するとも思えない。日本板硝子(5202)が06年に英ピルキントンを買収で大失敗している例は記憶に新しい。こんなパターンを辿るのではないか。日本企業は「円高で海外企業買収チャンス」なんていう言葉に踊らされていると、ヒドイ目に遭いそうだ。
東京株式相場は基本的に手掛かり材料難で、方向性を探る動きとなるだろう。現時点では軸の変化は確認できず、株価は下方向に引っ張られやすい。日経平均は下方の窓(8448.54円-8516.11円)を埋めることになりそうだ。
今週のイベントで重要なのは、米中の経済指標、そして米企業の決算発表である。どのような結果になるか分からないが、いわゆるポジティブサプライズは期待しにくい。欧州債務危機、中国景気減速懸念がくすぶるなか、企業業績にも悪影響が出始めているからだ。先週、IMFが各国の成長率見通しを下方修正したことも、その可能性が高いことをうかがわせる。
したがって、株式市場は新たな材料が出現するまでは、軸下向きの動きが継続。緩やかに下値を切り下げる動きになるだろう。暴落こそしないが、底なし沼にズブズブ沈むイメージだ。
マーケットの動きが鈍いなか、マスコミはといえば、iPS移植に成功したと言っている自称・森口ハーバード大学客員講師を追っかけている。もちろんこんなものはウソっぱちに決まっているのだが、面白い話題がないこともあり、朝っぱらから公共の電波を使ってクダらない情報を垂れ流している。
クダらないといえば、ノーベル平和賞のEU受賞である。「人でなく政府?」といった感じだが、これが世界を支配する寡頭勢力の“本意”なのであろう。「EU、ユーロは解体することなく、統合していく」――これを暗に人々に示唆した授賞劇であったと言える。
そしてタイミングを同じくして、イタリアの財務相が東京都内でのセミナーで「欧州は政治的な統合を近い将来達成しなければならない」と述べた。救済される側の国の財務相が「よくも言うよ」といった感じではあるが、これが“欧州の本線”ということになるのだろう。世界はスペインの支援要請を待っている状態ではあるが、スペイン危機→イタリア危機、そしてフランス危機、ドイツ危機へと波及し、危機を利用して政治統合が行われるのであろう。その準備を着実に進めており、世界各国は来るべき危機に備えているのだ。
そのようななか、IMFは日本に対して、資金拠出を強要している。ついでに日本はESM(欧州安定化メカニズム)への出資も確約し、国際機関への大盤振る舞いとなっている。
その一方で消費税増税が規定路線となっており、国民から吸い上げた資金を外国へと上納する構図が鮮明となっている。
そして前原経済財政担当相は、米FRB議長やECB総裁と会談し、日銀金融緩和の必要性を声高に訴えている。もちろんこんなものはパフォーマンスであり、日銀が欧米へ資金供与する布石となるのだろう。「円を破壊してまでも欧米を救います」ということであり、忠犬ポチの為せる技である。
そして民間ではソフトバンク(9984)が米通信大手3、5位の買収と報じられている。初期反応としてはいささか売られすぎといった感じではあるが、これも海外企業の株主への資金提供みたいなものだ。これから金融危機が訪れるなか、海外企業の大型買収案件が成功するとも思えない。日本板硝子(5202)が06年に英ピルキントンを買収で大失敗している例は記憶に新しい。こんなパターンを辿るのではないか。日本企業は「円高で海外企業買収チャンス」なんていう言葉に踊らされていると、ヒドイ目に遭いそうだ。