日銀審議委員のバランス変化に注意

著者:菊川弘之
投稿:2012/07/25 09:12

足もとは、介入警戒感もあり保合い継続か

 本日は、豪CPI、独Ifo景況指数、米新築住宅販売が注目。米住宅市場の回復継続は緩やかなドル高円安を示唆するが、19日発表の中古住宅販売が弱かったことなどから下振れリスクも燻っている。
 ユーロ圏懸念継続もあって米長期債利回りに下押し圧力がかかり易い中、ドル円は、引続き介入警戒感もあり78円前後でのもみ合いが続こう。週末からはオリンピックも始まる。
 200日移動平均線に続き、52週移動平均線も週末に割り込んでおり、今週も引け値ベースで52週MAを割り込むと2週連続となり、テクニカル的な戻り売り基調が高まる事になる。介入警戒感が燻ぶりずるずるした動きをとっている間は、ドル円の底は打ち難い地合いと言えよう。
 ただし、昨日の木内・佐藤新日銀審議委員の就任記者会見では、両者共にハト派的な金融政策姿勢を示しており、審議委員のバランスがハト派・為替配慮型に傾く可能性を市場が意識する可能性には中期的に注意したい。
菊川弘之
日産証券調査部 主席アナリスト
配信元: 達人の予想