ただ“ここからの上値模索”については…!? - ドル円

著者:武市佳史
投稿:2024/02/05 11:28

◆ 一転“急反発”… - 米雇用統計


あくまで結果論となるが、やはり「リスクは上方向」だった…。

注目の米雇用統計は、非農業部門雇用者数が“予想のほぼ倍(+35.3万人)”/失業率も“予想を下回り(3.7%)”、平均時給は“2022年3月以来(前月比+0.6%)”となりました。
直近の米雇用関連指標がいずれも“芳しくなかった”こともあり、元々の予想が“控えめ”だったのは事実ですが、それでも“極めて強い”内容だったといえます。
このため「米早期利下げ観測」は後退となり、米10年債利回りは“急上昇(3.86%→4.05%)”を演じました。
またこの影響にて“ドル買い(戻し)”がマーケット全体で進行し、ドル円も“急反発(146円半ば→148.593円)”を見せ、先週末の取引を終えています。

◆ “もう一段”は十分期待されるところではあるが…?


幾分“スピード違反(速過ぎ)”の嫌いはあるものの、今朝方の「米CBSニュース番組・60ミニッツ(日本時間本日9:00~)」では以下の発言をパウエルFRB議長が行っています。

 『FRBは3月以降まで利下げ待つ公算大きい』
 『金利見通しを“劇的に”変更するとは見込まれない』

これらはいずれも「米早期利下げ観測」は後退させるには十分な内容であり、本稿執筆時までには“148.821円”へとさらに駆け上がっています。
そしてこうなると“さらなる上値模索”への期待も募ろうかといったところですが、ただ今回の急伸はあくまで“巻き戻し”と見るのが妥当です。
そうなると「米5月利下げ」こそ短期金融市場でまだ“60%超”を織り込んだままですが、「米3月利下げ」に関してはすでに“20%以下”へと低下しています。
つまり“往き過ぎ感”は大きく後退した格好の中、“さらなる上値模索”には別の後押しが必要と見るのがやはり妥当なところ…?

◆ あくまで“巻き戻し”という認識を…!?


本稿執筆時までの“本日高値”は、“年初来高値(1/19:148.801円)とほぼ面合わせ”といった状況でもあります。
明確に上抜ければ“もう一段”は期待されるものの、そうでなければ“利益確定売り”が台頭してもおかしくない節目…?
“崩れる”ようには見えませんが、やはり一旦は“一服(上値を押さえられる)”と見るのが妥当といえるかもしれませんね。

◆ ドル円 抵抗・支持ライン

※ボラティリティが拡大していますので、いつもより値幅を拡大しています。

150.082(ピボット2ndレジスタンス)
149.984(23/11/20高値、大台)
149.810(+2σ)
149.747(23/11/22-24高値)
149.668(23/11/27高値)
上値5:149.244(ピボット1stレジスタンス)
上値4:149.000(大台)
上値3:148.825(23/11/28高値、1/19高値)
上値2:148.704(1/23高値)
上値1:148.593(2/2高値)
前営業日終値:148.367(+1σ)
下値1:148.000(大台)
下値2:147.698(2/1安値以降の38.2%押し)
下値3:147.547(100日移動平均線)
下値4:147.399(20週移動平均線)
下値5:147.301(日足・一目均衡表転換線、2/1安値以降の50%押し)
147.154(20日移動平均線)
147.000(大台、2/1安値以降の61.8%押し)
146.878(ピボット1stサポート)
146.247(2/2安値)
146.076(日足・一目均衡表先行スパン上限、週足・一目均衡表基準線)
146.000(大台)
145.897(2/1安値)
145.584(1/16安値、-1σ、23/12/28~24/1/19の38.2%押し)

《10:55》

武市佳史
株式会社マネーパートナーズ チーフアナリスト
配信元: 達人の予想