“上値は重いが、下値も堅い”を地で往く展開…!? - ドル円

著者:武市佳史
投稿:2024/01/24 15:00

◆ 上を下への“乱高下” - 日銀会合


注目の「日銀会合」は、想定通り“現状維持(据え置き)”が決定されました。
「躊躇なく…」との文言もそのまま踏襲されたことで、発表直後には“148.533円”へと上値を伸ばす場面も見られました。

ところがその後は“利益確定売り”にて上値が押さえられる中、その後の「植田日銀総裁・記者会見」を経て、今度は“下値模索”へと転じる場面を見せています。
『インフレ目標達成の確度が高まっている』『実現が見通せれば、大規模緩和策継続の是非も検討』との発言が“マイナス金利解除に前向き”と捉えられたからです。
こうして“円買い(戻し)”が優勢になると、一転して“146.968円”へと値を落としました。

ところがこの「マイナス金利解除観測」は「欧・米利回り上昇」へと波及し、結局は“金利選好→ドル買い(円売り)”へと押し戻されています。
こうしてNYタイム中盤に“日銀会合直後高値”をも上回り、“148.704円”へと上値を伸ばす“乱高下”を演じて、昨日の取引を終えています。

◆ “下値の堅さ”を意識も、“上値の重さ”は無視できない…?


こうなると「日米金利格差」をテーマとするフローは尾を引きやすく、“下値の堅さ”を意識せざるを得なくなってきます。
ただ昨日の「植田日銀総裁会見」は“どっちつかず”ではあるものの、前記したように“マイナス金利解除に前向き”という要素を含んでいます。
そうなると“上値の重さ”も意識せざるを得ない…?

特に本日からは、「主要な米インフレ指標(PMI/GDP/PCEコア・デフレータ)」が“目白押し”といったスケジュール感でもあります。
…となると、“見極めたい(様子見)”との思惑が台頭してもおかしくありません。
“19日高値(148.801円)”を超え切れれば“もう一段”は期待されるところですが、目先に関しては“上値は重いが、下値も堅い”を地で往く展開と見ておきたいところです。

◆ ドル円 抵抗・支持ライン

※ボラティリティが拡大していますので、いつもより値幅を拡大しています。

151.000(大台)
150.775(23/11/17高値、ピボットハイブレイクアウト)
149.984(23/11/20高値、大台)
149.747(23/11/22-24高値、ピボット2ndレジスタンス)
上値5:149.668(23/11/27高値)
上値4:149.063(ピボット1stレジスタンス)
上値3:149.000(大台)
上値2:148.825(23/11/28高値、1/19高値、+2σ)
上値1:148.704(1/23高値)
前営業日終値:148.374
下値1:148.041(1/23安値後の38.2%押し、大台)
下値2:147.836(1/23安値後の50%押し)
下値3:147.631(1/23安値後の61.8%押し、+1σ)
下値4:147.534(100日移動平均線)
下値5:147.360(20週移動平均線、ピボット1stサポート)
146.968(1/23安値、大台)
146.577(1/12~1/18の50%押し、日足・一目均衡表転換線)
146.426(日足・一目均衡表先行スパン上限)
146.279(ピボット2ndサポート)
146.052(1/12~1/18の61.8%押し、週足・一目均衡表基準線)
145.943(1/15高値、大台)
145.798(50日移動平均線)
145.584(1/16安値、23/12/28~24/1/18の38.2%押し、ピボットローブレイクアウト)
145.241(日足・一目均衡表先行スパン下限、20日移動平均線)

《10:50》

武市佳史
株式会社マネーパートナーズ チーフアナリスト
配信元: 達人の予想