明日の株式相場に向けて=強烈な踏み上げ相場、半導体の輝き続く
きょう(15日)の東京株式市場は、日経平均株価が前営業日比823円高の3万3519円と大幅続伸。先物主導の上昇で、空売りの買い戻しが燎原の火の如く広がった。前日の日本時間夜に発表された10月の米消費者物価指数(CPI)は事前コンセンサスを下回ったとはいえ、総合指数・コア指数ともに0.1%のわずかな下振れにとどまった。ここまで株式市場が強気に傾く蓋然性は乏しかったが、米長期金利の急低下がサーカスのシーソーのように株価を跳ね上げる格好となった。全面高の欧米株市場を引き継ぎ日経平均はパニック的なショートカバーで今年最大の上げ幅を記録。市場では「有名なヘッジファンド筋がプットオプションで資産を40%吹っ飛ばした」(ネット証券マーケットアナリスト)という話も飛び交うなど、売り方の狼狽ぶりが伝わってくる。
朝方取引開始前に発表された7~9月期GDPは3四半期ぶりに前期比マイナスとなるなど低調だった。物価高のなかで消費が落ち込むというスタグフレーションの色を帯びている。もし、相場の地合いが悪ければ売りの理由にされるところだったが、日経平均は国内の経済動向などどこ吹く風で問答無用の上昇波を構築、売り方の望みを絶つ形となった。
日足チャートを見ても分かるように、10月以降の日経平均は上に行くにも下に行くにもマド開けの連続で極端な値動きに翻弄されている。AIアルゴリズム売買の影響も少なくないと思われるが、予測不可能の竜巻に巻き込まれているような状況だ。相場観を働かせてポジションを組んだつもりでも、アルゴ売買に簡単に一蹴されてしまう。ただ、全体指数の動向に振り回されて個別株物色の方向性が失われているわけではない。明らかに強い意志によって投資マネーが流れ込んでいる入り江がある。半導体関連セクターである。
国策としての半導体分野育成では、日の丸半導体新会社のラピダスがその象徴となっているが、今後米国と連携した財政投入による特需は半導体メーカーというより製造装置メーカーの方にその恩恵が及びやすい。日本は半導体の製造という面ではかつての面影はないものの、装置では世界でも屈指といえる会社がひしめいている。東京エレクトロン<8035.T>を筆頭に、米エヌビディア<NVDA>向けテスターで独占的シェアを有するアドバンテスト<6857.T>やマスクブランクス検査装置のオンリーワン企業であるレーザーテック<6920.T>、精密加工装置の世界首位ディスコ<6146.T>、ウエハー洗浄装置で断トツのSCREENホールディングス<7735.T>など役者が揃うが、こうした主力どころから一歩引いたポジションにもグローバルニッチトップの素質を有する企業が少なくない。
化合物半導体(パワー半導体)分野ではサムコ<6387.T>に改めて目を向けたい。同社の薄膜形成分野における技術は圧倒的で、ポスト・レーザーテックの候補として挙げることに違和感はない。収益面でも22年7月期を境に大跳躍、連続最高益更新基調にあるが、中期的にみて伸びしろは大きそうだ。
また、オキサイド<6521.T>もニッチトップ企業の典型だ。光学関連製品の開発・製造を手掛け、同社のレーザー技術は半導体ウエハー検査装置向けのキーテクノロジーとしても注目される。このほか、今年9月25日に東証スタンダード市場に新規上場(TOKYO PRO Marketから上場)したニューフェイス、ジェイ・イー・ティ<6228.T>も目が離せない存在。足もとで株価の切り返し急となっているだけに押し目を狙いたいが、中期的に見て上値余地は大きいと思われる。少なくとも時価総額200億円程度で評価される銘柄には見えない。半導体洗浄装置の開発・製造・保守を一気通貫で手掛けるが、業績はここ数年来大幅な増収増益路線をまい進中。主要顧客は韓国、台湾、中国メーカーであり、半導体向け主力の超純水装置メーカーとして株価大変貌を果たした野村マイクロ・サイエンス<6254.T>ともイメージが被る。
あすのスケジュールでは、9月の機械受注、10月の貿易統計、1年物国庫短期証券の入札、9月の第3次産業活動指数、実質輸出入動向など。また、東証スタンダード市場にJapan Eyewear Holdings<5889.T>が新規上場する。海外では10月の中国70都市の新築住宅価格、フィリピン中銀の政策金利発表、週間の米新規失業保険申請件数、10月の米輸出入物価指数、11月のフィラデルフィア連銀製造業景況指数、10月の米鉱工業生産・設備稼働率、11月のNAHB住宅市場指数など。(銀)
出所:MINKABU PRESS
朝方取引開始前に発表された7~9月期GDPは3四半期ぶりに前期比マイナスとなるなど低調だった。物価高のなかで消費が落ち込むというスタグフレーションの色を帯びている。もし、相場の地合いが悪ければ売りの理由にされるところだったが、日経平均は国内の経済動向などどこ吹く風で問答無用の上昇波を構築、売り方の望みを絶つ形となった。
日足チャートを見ても分かるように、10月以降の日経平均は上に行くにも下に行くにもマド開けの連続で極端な値動きに翻弄されている。AIアルゴリズム売買の影響も少なくないと思われるが、予測不可能の竜巻に巻き込まれているような状況だ。相場観を働かせてポジションを組んだつもりでも、アルゴ売買に簡単に一蹴されてしまう。ただ、全体指数の動向に振り回されて個別株物色の方向性が失われているわけではない。明らかに強い意志によって投資マネーが流れ込んでいる入り江がある。半導体関連セクターである。
国策としての半導体分野育成では、日の丸半導体新会社のラピダスがその象徴となっているが、今後米国と連携した財政投入による特需は半導体メーカーというより製造装置メーカーの方にその恩恵が及びやすい。日本は半導体の製造という面ではかつての面影はないものの、装置では世界でも屈指といえる会社がひしめいている。東京エレクトロン<8035.T>を筆頭に、米エヌビディア<NVDA>向けテスターで独占的シェアを有するアドバンテスト<6857.T>やマスクブランクス検査装置のオンリーワン企業であるレーザーテック<6920.T>、精密加工装置の世界首位ディスコ<6146.T>、ウエハー洗浄装置で断トツのSCREENホールディングス<7735.T>など役者が揃うが、こうした主力どころから一歩引いたポジションにもグローバルニッチトップの素質を有する企業が少なくない。
化合物半導体(パワー半導体)分野ではサムコ<6387.T>に改めて目を向けたい。同社の薄膜形成分野における技術は圧倒的で、ポスト・レーザーテックの候補として挙げることに違和感はない。収益面でも22年7月期を境に大跳躍、連続最高益更新基調にあるが、中期的にみて伸びしろは大きそうだ。
また、オキサイド<6521.T>もニッチトップ企業の典型だ。光学関連製品の開発・製造を手掛け、同社のレーザー技術は半導体ウエハー検査装置向けのキーテクノロジーとしても注目される。このほか、今年9月25日に東証スタンダード市場に新規上場(TOKYO PRO Marketから上場)したニューフェイス、ジェイ・イー・ティ<6228.T>も目が離せない存在。足もとで株価の切り返し急となっているだけに押し目を狙いたいが、中期的に見て上値余地は大きいと思われる。少なくとも時価総額200億円程度で評価される銘柄には見えない。半導体洗浄装置の開発・製造・保守を一気通貫で手掛けるが、業績はここ数年来大幅な増収増益路線をまい進中。主要顧客は韓国、台湾、中国メーカーであり、半導体向け主力の超純水装置メーカーとして株価大変貌を果たした野村マイクロ・サイエンス<6254.T>ともイメージが被る。
あすのスケジュールでは、9月の機械受注、10月の貿易統計、1年物国庫短期証券の入札、9月の第3次産業活動指数、実質輸出入動向など。また、東証スタンダード市場にJapan Eyewear Holdings<5889.T>が新規上場する。海外では10月の中国70都市の新築住宅価格、フィリピン中銀の政策金利発表、週間の米新規失業保険申請件数、10月の米輸出入物価指数、11月のフィラデルフィア連銀製造業景況指数、10月の米鉱工業生産・設備稼働率、11月のNAHB住宅市場指数など。(銀)
出所:MINKABU PRESS
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