■業績見通し
1. 2023年3月期の業績予想
日本アジア投資<8518>は、業績予想(ファンド連結基準)について、株式市場等の変動要因による影響が極めて大きく、合理的な業績予想が困難である事業特性であることから公表を行っていない。ただ、2023年3月期については、ある一定の前提をもとに策定した「従来連結基準による見込値」を参考情報として開示している。
同社は、2022年11月14日に2023年3月期の期初見込値の修正を公表した。その結果、営業収益を前期比30.7%増の3,150百万円(期初見込比150百万円増)、営業利益を同270.6%増の320百万円(期初見込比430百万円減)、経常利益を同354.4%増の280百万円(期初見込比370百万円減)、親会社株主に帰属する当期純利益を同225.0%増の160百万円(期初見込比390百万円減)と、特に利益面で大幅な減額修正を行ったものの、前期比では増収増益を確保する見通しとなっている。
下期についても、予定していたIPOの売却時期がロックアップ規制により来期となったことや既存の上場株式の株価が想定を下回っていることにより、上期同様、売却益が大きく下振れる一方、未上場株式の売却益※については大きく上振れる見込みとなったこと、プロジェクトの売却が順調であることから、営業収益は期初見込値を上回る見通しとなった。
※IPOにより来期以降の売却を予定していた株式について、M&Aにより下期に売却することになったことが理由である。具体的には、障がい者グループホームプロジェクトのパートナー企業(戦略投資先)であるソーシャルインクルーであり、譲渡先からの強い引き合いによるもののようだ。
一方、損益面では、利益率の高い上場株式の売却が来期にずれ込んだ影響に加え、引当金の増加や植物工場の黒字化の遅れによりなどにより、営業利益は期初の見込値を下回る見通しとなった。それでも、順調に進んでいるプロジェクトの売却益などにより前期と比べれば、大幅な増益を確保する見込みである。
2. 弊社アナリストの見方
修正後の通期予想を達成するためには、下期の営業収益2,481百万円、営業利益918百万円が必要となる。高いハードルのように見えるが、上期に売却済みであるプロジェクト(2件)の収益計上が下期に実現すること、IPOを予定していた株式のM&Aが成立し、下期の業績に寄与することを勘案すれば、ある程度裏付けがある数値として捉えることができる。もちろん、不安定な株式市場の動向を含め、先行きの不透明な外部環境を勘案すれば、予断を許さない状況にあることは変わりはないであろう。また、引当金の増加や植物工場の黒字化の遅れも気になるが、修正後の業績予想の中には一定の影響額を見込んでいるため、さらなる下振れのリスクは限定的であると見ている。注目すべきは、来期以降の業績の伸びや中期経営計画の達成に向けて、いかに資産の入れ替えやプロジェクト投資の積み上げを図っていくのかにある。足元の業績と同様、先を見据えた取り組みもフォローしていきたい。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田郁夫)
<SI>
1. 2023年3月期の業績予想
日本アジア投資<8518>は、業績予想(ファンド連結基準)について、株式市場等の変動要因による影響が極めて大きく、合理的な業績予想が困難である事業特性であることから公表を行っていない。ただ、2023年3月期については、ある一定の前提をもとに策定した「従来連結基準による見込値」を参考情報として開示している。
同社は、2022年11月14日に2023年3月期の期初見込値の修正を公表した。その結果、営業収益を前期比30.7%増の3,150百万円(期初見込比150百万円増)、営業利益を同270.6%増の320百万円(期初見込比430百万円減)、経常利益を同354.4%増の280百万円(期初見込比370百万円減)、親会社株主に帰属する当期純利益を同225.0%増の160百万円(期初見込比390百万円減)と、特に利益面で大幅な減額修正を行ったものの、前期比では増収増益を確保する見通しとなっている。
下期についても、予定していたIPOの売却時期がロックアップ規制により来期となったことや既存の上場株式の株価が想定を下回っていることにより、上期同様、売却益が大きく下振れる一方、未上場株式の売却益※については大きく上振れる見込みとなったこと、プロジェクトの売却が順調であることから、営業収益は期初見込値を上回る見通しとなった。
※IPOにより来期以降の売却を予定していた株式について、M&Aにより下期に売却することになったことが理由である。具体的には、障がい者グループホームプロジェクトのパートナー企業(戦略投資先)であるソーシャルインクルーであり、譲渡先からの強い引き合いによるもののようだ。
一方、損益面では、利益率の高い上場株式の売却が来期にずれ込んだ影響に加え、引当金の増加や植物工場の黒字化の遅れによりなどにより、営業利益は期初の見込値を下回る見通しとなった。それでも、順調に進んでいるプロジェクトの売却益などにより前期と比べれば、大幅な増益を確保する見込みである。
2. 弊社アナリストの見方
修正後の通期予想を達成するためには、下期の営業収益2,481百万円、営業利益918百万円が必要となる。高いハードルのように見えるが、上期に売却済みであるプロジェクト(2件)の収益計上が下期に実現すること、IPOを予定していた株式のM&Aが成立し、下期の業績に寄与することを勘案すれば、ある程度裏付けがある数値として捉えることができる。もちろん、不安定な株式市場の動向を含め、先行きの不透明な外部環境を勘案すれば、予断を許さない状況にあることは変わりはないであろう。また、引当金の増加や植物工場の黒字化の遅れも気になるが、修正後の業績予想の中には一定の影響額を見込んでいるため、さらなる下振れのリスクは限定的であると見ている。注目すべきは、来期以降の業績の伸びや中期経営計画の達成に向けて、いかに資産の入れ替えやプロジェクト投資の積み上げを図っていくのかにある。足元の業績と同様、先を見据えた取り組みもフォローしていきたい。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田郁夫)
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