今週は、NYダウに続き日経平均も上放れか

著者:出島 昇
投稿:2022/10/24 18:03

先週は、目先のピークとした27399円に接近するも、週末は27000円割れ

先週の予測では、前週末に日経平均が27000円台を回復して引けたことで、市場の見方は、27000円台の値固めから上へという見方が見られました、しかし、現状の株価の上下動はテクニカル的な要因が大きく、NYダウがそのような流れをつくっており、日経平均も連動しているとしました。

特に米国市場では、経済指標が予想を上回り、インフレ圧力が強いままなので、FRBの積極的利上げ見通しが強く、長期金利の上昇が続いています。

ドルが買われて、NYダウの上昇も続き17日(月)は、英国の大規模減税策が撤回されたことでポンドが上昇し、ドル高一服を受けて△550ドルの30185ドル、18日(火)には、決算も予想を上回ったことで、△652ドルの30837ドルまで上昇し、終値は△337ドルの30523ドルとなりました。

日経平均は、17日(月)は、前週末の米株式の大幅反落を受け、▲314円の26775円となりましたが、18日(火)は、すぐに反発となり、△380円の27156円となりました。

日経平均の上値に関しては、下値は10月3日の安値25621円、上値は10月6日の高値27399円とし、ここを上にぬけるともう一段上が期待できるところでしたが、19日(水)は27371円までの上昇で止まり、その後は上値が重くなり、20日(木)は、▲250円の27006円と3日ぶりの大幅反落となり、週末は前日の米国市場が長期金利の上昇を背景に翌日も連続で下げたことで、日本市場も値ガサ半導体関連株が下支えするものの、売り圧力が強く▲116円の26890円と27000円を切って引けました。

週末の米国市場は、ウォールストリートジャーナルが、11月のFOMCで12月のFOMCでの利上げ減速を議論する公算が大きいとの報道がなされたことで、これが好感されNYダウは△748ドルの31082ドルと3日ぶりの反発となりました。

主要3指標そろって大幅反発でした。そのタイミングで為替介入が行われたらくし、一時、1ドル=146.22円までの円高となり、引け値は1ドル=147.71円でした。シカゴの日経先物は△210円の27110円となっています。

今週は、NYダウに続き日経平均も上放れか

先週のNYダウは、17日(月)に英国の大規模減税案の撤回を受けてポンドが上昇し、ドル高一服を受け同時にバンクオブアメリカの決算が予想を上回ったことで、△550ドルの30185ドルと再度、3万ドルを回復し、18日(火)には30837ドルまで上昇し、25日移動平均線と5日の高値30454ドルを上回り、終値では△337ドルの30523ドルとなり、柴田罫線では三角保ち合いの上放れとなりました。

そして、水曜、木曜と▲99ドル、▲90ドルと2日続落したあと、週末の21日(金)は、FRBが利上げペースを緩めるとの報道を好感し、△748ドルの31082ドルと3日ぶりの大幅反発となりました。

NYダウに連動する日経平均は、これで上放れとなりそうです。
日経平均は、19日(水)に27371円の高値をつけて25日移動平均線に続き、200日移動平均線を上にぬきましたが、目先のチャートの上値ポイントとした6日の27399円を突破できませんでした。

しかし、先週末のNYダウの動きをみる限り日経平均も27399円を突破して上放れする可能性が高くなりました。27399円を突破してもどこまで上昇できるかは為替と米国株次第となります。

基本的に27399円を上にぬけても上値は限定的で一進一退の動きとなりそうです。
「GAFAM」と呼ばされる米IT大手企業の決算のほかに国内での7~9月期決算の発表が本格化するため、決算を受けた個別企業物色が主体となりそうです。米国の決算がそれほど悪くなければ、業績悪化に対する過度な警戒感は後退し、買い戻しが強まって戻りを試すことになる可能性もあります。

(指標)日経平均

先週の動き

週始めの10月17日(月)は、前週末のNYダウの大幅反落(▲403ドル)を受けて、日経平均は、一時26649円まで下げ、終値は▲314円の26775円のスタートとなりました。その後、NYダウの上昇につれて反発し、18日(火)に柴田罫線で27156円で三角保ち合いの上放れとなり、翌日の19日(水)に27371円まで上昇するものの、上値ポイントとした10月6日の27399円に届かず、週の終値は▲116円の26890円で引けました。

今週の見通し

先週は、為替が1ドル=150円水準を試す動きとなり、政府・日銀が介入してもおかしくないところにきていました。週末の21日(金)の日本市場の引け後の米国市場で、12月のFOMCで利上げ減速見通しの報道が出たタイミングに合わせて突然の為替介入があり、一時146.22円まで円高となりました。日本でも7~9月期の決算発表が本格化してきますが、この円安一服をきっかけに業績相場に移行できるかがポイントです。予想レンジは26700~27600円とします。

(指標)NYダウ

先週の動き

前々週末のNYダウは、▲403ドルの下げとなっていたものの、週始めの10月17日(月)は、英国で大規模減税案が全て撤回されたことで、ポンドが上昇してドル高が一服し、米大企業の収益が改善されるということで、NYダウは△550ドルの30185ドルと大幅反発しました。18日(火)も△337ドルの30523ドルと2日続伸しました。その後19日(水)は▲99ドル、20日(木)は▲90ドルと2日続落しましたが、週末の21日(金)は、12月のFOMCで利上げが減速されるとの見通しを受け、NYダウは△748ドルの31082ドルと大幅反発して引けました。
柴田罫線では、10月18日(火)に30523ドルで三角保ち合いの上放れとなっています。

今週の見通し

今週は、押し目買いも期待され、底堅い展開が予想されますが、引き続き金利動向やFRBの利上げペースに神経質な展開となりそうです。アップルやマイクロソフトなどの主要ハイテク企業が決算を発表する予定ですので注目となります。NYダウが多少戻してもチャートの形をみてわかるように今年の1月5日の36952ドルの高値からの下降トレンドの中の動きであり、戻り売りが続くことに変わりありません。

(指標)ドル/円

先週の動き

先週は、FRBの積極的な金融引締めへの警戒感から、週始めの1ドル=148円台からジリジリとドル買い・円売りが高まりました。10月19日(水)は10年債利回りが4.14%と2008年7月以来の水準まで上昇すると、1ドル=149円後半の円安となりました。翌日は、10年債利回りが4.24%まで上昇し、為替は1ドル=151.93円まで円が急落したところで、突然、為替介入があり、ドルは146.22円まで急落し、引け値は1ドル=147.71円で引けました。

今週の動き

先週末は、20日(木)に1ドル=150円をつけたあとも為替介入の兆候がみられなかったことから21日(金)の夜に海外市場で円安が加速し、一日の下げ幅(円の下落)が2円近くなりました。このタイミングを見計らって投機的円売りに対して、政府・日銀が「天下の宝刀」大規模円買い介入を行い、ドルは146.22円まで売られました。終値は147.71円でした。
今週は、146~150円のレンジで落ち着きどころを探し、そこから再び円安の動きとなりそうです。ドルは底堅い動きとなって、さらなる日米金利差拡大を待つことになります。

配信元: みんかぶ株式コラム