タナベ経営 Research Memo(8):2026年3月期に売上高150億円、営業利益18億円を目指す(2)

配信元:フィスコ
投稿:2022/08/09 15:08
■タナベ経営<9644>の今後の見通し

(3) HR(ヒューマンリソース)コンサルティング
「HR」領域の売上高は2023年3月期の1,550百万円から2026年3月期は2,200百万円、年平均成長率で12.4%と高成長を見込んでいる。同領域では戦略人事、グループ人事システム、採用&キャリアデザイン、人材アセスメント、トップマネジメント、アカデミー(企業内大学設立)、社員エンゲージメント、階層別人材育成等のサービスを提供している。

人材育成は企業にとって重要な経営課題となっており、また、上場企業においては「人的資本」についての情報開示が今後求められるようになるなど、人材育成プログラムやワークライフバランス等の取り組みについての経営コンサルティングニーズがより一層増えてくることが予想されることから、同社にとっては売上拡大の好機とも言える。このような環境下で同社は、経営戦略に直結する戦略人事制度や社員エンゲージメント制度等の策定、HRDXシステムの導入と運用、アカデミークラウドサービスの展開等に注力していく方針だ。また、HRDX領域におけるM&Aも、戦略オプションの1つとして考えている。

(4) ファイナンス・M&Aコンサルティング
「ファイナンス・M&A」領域の売上高は2023年3月期の1,900百万円から2026年3月期は2,100百万円、年平均成長率で3.4%と堅実な成長を見込んでいる。同領域では、企業価値の最大化を目標に、企業の成長ステージに合わせた最適なファイナンスコンサルティングを提供するほか、事業承継や事業ポートフォリオの転換などアライアンス先とも連携し、クロスボーダーも含めてM&A戦略構築からアドバイザリー、PMI(統合支援)までのサービスを一気通貫で提供する。

事業環境としては、経営者の高齢化が進むなかで中小企業の事業承継ニーズが増大しているほか、大企業においても事業再編・統合等の動きが活発化しており成長余地は大きいと見られるが、案件の成約等については流動的な要素も強いため、保守的な売上計画となっている。

同領域では大企業を主な顧客対象としているグローウィン・パートナーズ(株)と、中小企業から中堅企業を対象としている同社において相互のリソースを活用しながらシナジーを高めていく戦略で、需要の高まりが予想される事業承継型のホールディングス経営モデルや事業再編型M&A、クロスボーダーM&A案件等に注力していく。

(5) ブランディング&マーケティングコンサルティング
「ブランディング&マーケティング」領域の売上高は2023年3月期の2,050百万円から2026年3月期は2,200百万円、年平均成長率で2.4%と堅実な成長を見込んでいる。同領域では、経営戦略に基づき市場・顧客等のあらゆるデータを活用し、顧客のCX(顧客体験価値)を向上させるコミュニケーション戦略の立案から実行支援、クリエイティブ領域までのサービスを一気通貫で提供する。

事業環境としては、商品・サービスの取引価格の維持・引き上げにつながるブランド力の向上が、重要な経営戦略の1つとして位置付けられるなかで、今後も同領域におけるコンサルティングニーズは着実に増加していくものと予想される。こうしたなか、同社はパーパスブランディング(インナー&アウター)やコーポレートコミュニケーション(PR、IR)、CX(顧客体験価値)の向上を図る顧客コミュニケーションモデルの変革、メタバース広告、SNSマーケティング、デザインプロモーション等のクリエイティブ分野におけるDX支援サービスを強化し、付加価値の向上を目指す。また、PR、ブランディング、グローバルマーケティングについては、M&Aの対象領域として前向きに検討を進めていく。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)


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