「下方の壁をズブズブと・・・デルタクロンの動きに注目」~黒岩の眼(朝刊)

著者:黒岩泰
投稿:2022/01/11 08:49

チャートは再び弱気形状へと変化

http://chart.fisco.co.jp/mado

 昨日の米国株式相場は高安まちまち。ダウ工業株 30 種平均は 162.79 ドル安の 36068.87、ナスダック総合指数は 6.93 ポイント高の 14942.83 となった。また、時間外取引の日経平均先物(円建て)は 28215 円付近での推移。したがって、本日の日経平均は軟調スタートを想定。下値を試すものと思われる。

 日経平均の日足チャートでは、再び弱気形状へと変化。三角保ち合いが煮詰まった状態となっている。下方には大きなファンダメンタルズの壁が②が存在しているものの、これにズブズブと侵入する感じとなっている。将来的に崩壊する可能性があり、投資家はこの壁の有効性に関して吟味すべき局面となっている。

 市場が懸念しているのは、オミクロン株の感染力の強さだ。重症化率は低いものの、感染力はデルタ株の2~3倍と言われている。爆発的な感染拡大が懸念されており、市場はこれを嫌気することになるだろう。

 あとは、地中海キプロスで発生したデルタ株とオミクロン株の結合変異株デルタクロンの発見だ。デルタ株の重症化リスクとオミクロン株の感染力が合わさったもので、これが将来的に優勢株になるかが注目されている。そういったなか、「市場はいったんリスク回避の姿勢を強めたい」という動きとなっており、日本株も総じて軟調な推移を強いられそうだ。投資家は「売りポジション」を持ったまま、「落ち着きどころ」を見極める局面となる。

【本日のレポート銘柄】
リミックス・ポイント<3825>
ソフトバンク G<9984>
3Dマトリックス<7777>
ANAP<3189>
Birdman<7063>

黒岩泰
株式アナリスト
配信元: 達人の予想