中国不動産大手、恒大集団のデフォルト懸念
昨日の米国株式相場は大幅安。ダウ工業株 30 種平均は 614.41 ドル安の 33970.47、ナスダック総合指数は 330.06 ポイント安の 14713.90 となった。また、時間外取引の日経平均先物(円建て)は 29530 円付近での推移。したがって、本日の日経平均は大幅安からのスタートを想定。下値を試すものと思われる。
市場が気にしているのが、中国不動産大手・恒大集団のデフォルト懸念。すでに銀行団に利払い停止を宣言しており、その深刻さが鮮明となっている。市場では「リーマン級」に発展するのではないか―――との懸念が広がっているのだ。
日経平均はそういった事情もあり、大幅安から始まりそうだ。米国株が 2%程度の下落となっているほか、為替市場では円高が進行。1ドル=109 円台前半での推移となっており、リスク回避の円高が進んでいる。主力銘柄は一斉安となる公算が大きく、全体相場は下値を試す動きとなるだろう。
ただ、現時点でこれが世界的な株価急落につながるかどうかは分からない。米VIX 指数(恐怖指数)は依然として 20 ポイント台半ばで推移しており、危機的な状況にはなっていない。今回のデフォルト危機が「中国発」ということもあり、「どこかで当局が救済措置を出すのではないか」――との期待がくすぶっているからだ。投資家が「値踏み」をしている段階であり、この下落が「ホンモノ」かどうかを見極めている局面だ。
日経平均の下値メドとして意識されるのは、2段目の窓下限(29149.65 円)である。ここまでは連鎖的に窓を埋めやすく、需給要因で動きやすい。問題はここに到達したときに「強い達成感」が出るかどうか――。もし、出なかった場合には、その後もズルズルと下値を切り下げることになる。投資家は「売りポジション」を持ちながら、その強弱感を探る局面だ。
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