パウエル議長講演を控えた模様眺めのなか、地政学リスクが重石に【クロージング】

配信元:フィスコ
投稿:2021/08/27 15:50
27日の日経平均は反落。101.15円安の27641.14円(出来高概算8億6000万株)で取引を終えた。前日の米国市場では、アフガン情勢に対する警戒感や複数の米連邦準備制度理事会(FRB)高官による早期の金融緩和縮小(テーパリング)開始発言などを受けて主要株価指数は反落した。こうした流れを映して、東京市場でも目先の利益を確保する動きが優勢となり、一時27481.23円まで下落した。ただ、売り一巡後は下げ渋る動きが見られたが、パウエルFRB議長の講演内容を見極めたいとの模様眺めムードは強く、こう着感の強い展開が続いた。

東証1部の騰落銘柄は、値下がり銘柄数が1100を超え、全体の5割超を占めた。セクター別では、海運業が8%近い上昇率となり、値上がりトップになったほか、パルプ紙、保険、金属製品の4業種が上昇。一方、精密機器、倉庫運輸、石油石炭、電気ガスなど29業種が下落した。指数インパクトの大きいところでは、東エレク<8035>、リクルートHD<6098>、アドバンテス<6857>資生堂<4911>が堅調。半面、ファーストリテ<9983>テルモ<4543>ダイキン<6367>ファナック<6954>が軟調だった。

アフガニスタンの首都カブールで爆発が起こり、地政学リスクが急激に意識され、豊和工<6203>石川製<6208>といった防衛関連株へ個人投資家の食指が向かった。また、海運市況の堅調推移や大手証券による目標株価の引き上げなどが観測された海運株が人気化した。一方、米ハイテク株安を映して、ソニーG<6758>村田製<6981>、TDK<6762>キヤノン<7751>などが下落したほか、日本製鉄<5401>住友鉱<5713>、ENEOS<5020>といった景気敏感株にも値を消す銘柄が目立っていた。

模様眺めムードのなか、新規の手掛かり材料に欠けるだけに、商いは盛り上がりに欠けていた。また、来週は雇用統計など重要な経済指標の発表が多く予定されているだけに、世界的に新型コロナウイルスの変異株(デルタ株)の感染拡大に歯止めがかからないなか、世界経済のエンジン役である米国の経済指標の動向が気掛かり材料になりやすく、方向感の定まらない展開が予想されそうだ。

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配信元: フィスコ

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